MY LIFE AS A FOOTBALL

ないかな ないよな きっとね いないよな
会ったら言えるかな まぶた閉じて浮かべているよ

永遠の久保竜彦

2018年10月27日 | 木曜日のボール




久保よ、至福の45分をありがとう。


「蹴球日本代表監督史」シリーズ、いよいよジーコ編に突入。

2004年 2月18日 埼玉スタジアム
ワールドカップ ドイツ大会 アジア1次予選
大事な大事な初戦 相手はオマーンだ。
 ※ 国歌斉唱は「伍代夏子さんです!」

先発は
GK セイゴー
DF 山田暢久
   坪井
   ツネ
   アレックス
MF ヤット (小笠原)
   稲本
   中田ヒデ
   シュンスケ
FW 高原 (鈴木) 
   ヤナギサワ (久保)


そして、解説は久保竜彦!
なぜ久保? しゃべらんぞ^^
待てよ、そーか、思い出した、最後に久保が決める試合だ!

この試合は久保竜彦のための試合だ。
すべては、ロスタイムの久保のゴールのためにある。
最高に美しいゴールで締めくくる久保の崇高なことといったら・・・

シュンスケがPKを外し(これが大きな伏線にもなる)
イナもヤットもヒデもミツオも決定機を外しまくる。
みんながみんなリキみ過ぎ、ゴールの枠をとらえていない。

ただひとり、後半から出場した久保だけが、
ヘディング以外の3本のシュートをすべて枠内に放つ。
シュート以外でも、あらゆるプレーがため息ものの美しさだ。

改めて思う。
とんでもない天才だったと。
素晴らしいボールプレーヤーだったと。
よ~し、この際だから言っちゃおう、
日本サッカー史上最高のフォワードだったと。

 釜本さんは? 怒るよ^^

もひとりの傑物、高原とのツートップも抜群に面白い。
ほとんど組んではいないし、話もしたことないらしいが(久保談)
ちゃんとコンビネーションができている。
ふたりでシュンスケの決定機を作った場面など秀逸そのもの。
いやー ドイツで見たかったなぁ このツートップ。

そしてドラマは最後に待っている。

ゼロゼロのままロスタイムへ。
このまま引き分けか・・・

小笠原が苦しまぎれに前線へ出したパスを、
オマーンディフェンスがヘディングでクリアすると、
ショートバウンドしたボールがシュンスケの右足に当たり・・・

・・・奇跡のように、神様の思し召しのごとく
久保竜彦の前に転がる。。。

久保いわく

「ブチ込んでやろうと思った」

そう聞いて見直すと、ダイレクトでドカンと振りぬきそうな感じだ。
結果、それがキックフェイントのような効果を生む。
刹那、久保の頭にジーコの言葉がよぎる・・・

「よく見て キーパーを」


あのままダイレクトでドカンと打っていたら、
アルハブシのタイミングにドンピシャで合っていたかもしれない。
シュンスケのPKを完璧なタイミングではじいた同じコースで。

  ※当時22歳のアルハブシは、後にプレミアでレギュラーGKの座をつかむ。

「ジーコのおかげっすね」

ドカンとブチ込むのを思いとどまり、
久保はサイドキックでゴール右へ流し込む。
時が止まり・・・



↑ ヒデが久保の首にしがみつく寸前のショット  時計は92分だ。
あんなに嬉しそうに仲間に抱きつくヒデも珍しい。
ジョホールバルでも岡野んとこ行かなかったのに^^

これ以上ない幕切れ。
幸福な夜。

なんてカッコいいんだろう。


試合後、インタビューエリアに出てきた久保が言ったそうだ。

「オレ、いいっすよ」 

最高のヒーローが、まさかのインタビュー拒否^^

久保はこの代表を「居心地がよかった」と語っている。
質問に対して、かなりの時間差で答える朴訥とした久保の人柄は、
穏やかで優しさに満ちている。

無冠の帝王 久保竜彦に幸多からんことを。


 ※ おかげ様の当人 ジーコとの12年ぶりの邂逅はLINE NEWSで。
   ありがとうLINE NEWS 素敵な記事を。
   あの試合の後これを読んで、ワタシ不覚にも涙が・・・