今朝、起きて間もなく、ウェイン・ショーター氏死去のニュースを知りました。
ジャズ・メッセンジャーズ、マイルス・デイヴィス・クインテットなどで名演奏を繰り広げただけでなく、作曲家としても優れていたのがウェイン・ショーターです。私は1960年代の作品を持っていませんのでよくわからないところもあるのですが、時折耳にすると、ガラリと雰囲気が変わるのを感じることができます。1960年代後半のマイルス・デイヴィス・クインテットのアルバムを聴いてみてください。
1970年代にはオーストリア出身のジョー・ザヴィヌル、チェコスロバキア出身のミロスラフ・ヴィトウスとともにウェザー・リポートを結成するとともに、ハービー・ハンコックのVSOPクインテットの一員としても演奏をしました。スティーリー・ダン、ジョニ・ミッチェルなどとも共演しており、幅広い活躍を見せたことを御存知の方も少なくないでしょう。
私は中学生時代にウェザー・リポートを知り、オリジナル・アルバムを全て揃えました。このバンドについては様々なことが言われておりますが、最終作であるThis is Thisを聴いて、やはりウェザー・リポートはウェイン・ショーターがいたからジャズ・フュージョン界で唯一無二のバンドだったのだと思いました。This is thisではショーターが2曲しか参加しておらず、ウェザー・リポートらしさはどこへやら、凡庸なアルバムという印象しか受けなかったからです。同じようなことは、This is thisの一つ前のアルバムSportin' Lifeについても言えます(より強く言える、とするほうがよいかもしれません)。ショーター作曲のPearl on the Half Shellだけがウェザー・リポートらしく、他の曲は「どこのフュージョン・バンドだよ?」と疑いたくなるものでした。
以前、「幻祭夜話」というアルバムについて書いた記事で、ウェザー・リポートの曲としては「ブラック・マーケット」が最も好きで、アルバムとしては「幻祭夜話」であるということを書きました。「幻祭夜話」にはショーター作のLusitanosとFreezing Fireが入っており、このアルバムの一貫性を高めていることがわかります。また、アルバムの「ブラック・マーケット」にもショーター作の「優雅な人々」が収録されており、アルバムの中でスパイス的な役割を果たしていることがわかります。この他のアルバムについても同様で、ショーター氏の曲がなければウェザー・リポートの完成度が高まらなかったと言えるのではないでしょうか。
何かの折があったら、ショーター氏が残したアルバムを聴いてみようかと思っています。
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考えてみると、ウェザー・リポートに加入していたミュージシャンでも、ショーター氏より先に死亡している人がいます。ザヴィヌル、ジャコ・パストリアス、ヴィクター・ベイリー、ドン・ウン・ロマン、レオン・チャンクラーです(私が知る限りです)。
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