3日に青葉台へ行った時、ブックファーストで岩崎英二郎・小野寺和夫共編『ドイツ語不変化詞辞典』〔新装版〕(2008年、白水社)を購入しました。
実は学生時代から、この辞書の存在は知っていました。気になってはいたのですが、これまで手に取ったことなどはなかったのです。しかし、前置詞や副詞など、厄介な品詞があることから、購入することとしたのです。
白水社と言えば、元々はフランス語の入門書や辞典などで有名なのですが、ドイツ語などについても多数の入門書や文法書を刊行しており、学部生時代、院生時代には何冊か購入しました。いずれも役に立ち、かばんの中に必ず一冊は入れていたものです。また、最近では清野智昭『中級ドイツ語のしくみ』や中山豊『中級ドイツ文法』などを使っています。
ドイツ語は、歴史を大きくさかのぼれば英語と同じような言葉であり、似たような単語も少なくないのですが、名詞の性が残っており、格支配も強く残っています。そのため、ということもあると思うのですが、前置詞などは意外に厄介です。格支配の点では2格か3格かで揺らいでいたり、3格支配か4格支配かで意味が変わったりします。それだけでなく、比喩的な意味などを持ち、読解に困ることも少なくありません。ドイツ語は英語よりも格段に造語力あるいは合成力に富んでおり(その点で日本語と似ています)、前置詞が動詞と結びついて別の動詞になり、非分離動詞や分離動詞にもなりますので(さらには形容詞化することもあります)、用例を見て文脈や意味合いを検討する必要もあります。そのために、この辞典を入手したという訳です。
本書の難点を記しておくならば、新装版として2008年に出版されているとはいえ、「まえがき」が1969年に書かれていることからわかるように、内容が古いということです。1998年に新正書法が施行されており、重要な単語の綴りが変えられていたりします。たとえば、ß(エスツェット)がそうで、ßとssとの使い分けのルールが変わりました。旧正書法であればdaßであるのに対し、新正書法ではdassです。他にも重要な変更点がありますので、これに対応してほしかったと思うのです。もっとも、新正書法は2006年(かその翌年)に再び手を加えられていますので、対応しきれなかったのかもしれません。
以上の点を考慮に入れつつ、これから使い込んでいきたいと考えています。
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