ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

六法の参照は非常に大事 今年も

2016年10月19日 20時28分27秒 | 法律学

 昨年の10月19日に「六法の参照は非常に大事」という記事を掲載しました。ちょうど1年を経過して、再び同じ主題の投稿です。

 今年度(2016年度)も、大東文化大学の法学研究所の講義「行政法」を担当しています。昨年度と同様、私自身が教材を作成し、過去問の解説も記しています。

 (ホームページに載せている「行政法講義ノート」の手直しも進めなければ……)

 私が大東文化大学法学部および国学院大学法学部の講義を担当しているからなのか、別の理由によるのかは不明ですが、講義をしている間に何度となく学生のほうを見ると、六法を開いている学生は非常に少なく、50人から100人ほどいる教室でも片手で数えられるほどしかいません。さすがに法学研究所の講義では皆が六法を開き、線を引いたり書き込んだりしています。今年の8月27日から9月24日まで、毎土曜日に担当した、筑波大学ビジネス科学研究科法曹専攻の「地方自治法」でも、受講生は皆六法を開いていました(中にはパソコンで見ていた人もいたようです)。

 法科大学院についてあれこれと言われますが、少なくとも私が担当した限りでは(大東と筑波)、学部生よりも態度はできていました。六法を開き、参照するのが当たり前なのです。

 しかし、学部ではこうなりません。持ってきているのに開かない学生も少なくないので、何のために持ってきているのかと不思議でなりません。持ってこない学生も多く、「それでよく法学部(法律学科など)の学生だなんて言えるね」と言いたくなりますし、実際に言ったこともあります。さらには公務員試験だの資格試験だのと言い出す人もいるので、笑ってしまいます。「普段から開く習慣を付けていないのに、どうやって勉強するのだ?」と。

 法律学に取り組む際に、まずは条文から入るのが当然のことなのに、六法を開かない学生が法学部に多いのは何故でしょう。

 法科大学院ができてから、学部で司法試験受験のための勉強をする人が激減したことが、背景にあるのでしょうか。別の理由によるものでしょうか。


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