〔今回は、「待合室」の第304回(2009年3月10日から17日まで)として掲載した記事の再掲載です。かなりの時間が経過したこともあって、一部を修正しております。なお、写真撮影日は2008年9月7日です。〕
秋月城址を離れ、甘木鉄道甘木駅へ戻ります。帰り道はほとんど下り坂です。ブレーキの利きに注意しつつ、城址から坂道を下ります。その途中にある街並みを少しばかり紹介いたしましょう。
あまり広くない道路ですが、時間帯によっては自動車の通行量も多いでしょう。たまたま、私が通った時には自動車の数があまり多くなかったのでした。ただ、カーブが多いので注意を要します(実は、坂道の場合、直線よりも多少はカーブがあったほうが、特に登りは楽だったりしますが)。
こういう街並みを走っていると、何となくですが気分が楽になります。屋根瓦を見ると落ち着いたりします。私が集中講義の際に滞在する福岡市中央区もそうですし、東京都内や川崎市内もそうですが、高層建築物が多くなっており、時にはやはり変な気分になってくるのです。超高層建築物は、やはり圧迫感と不安感を煽ります。
現在、この辺りのどこに小学校があるのかわかりませんが、坂の途中に秋月小学校の跡というものがあります。いつからいつまでここに小学校があったのか、というようなことは書かれておりません。どのような小学校であったのでしょうか。
小学校と言えば、東京都内でも廃校となったところがいくつかあります。都営三田線西台駅の真裏にある車庫の真上に高島第四小学校がありましたが、既に廃校となっています。三田線の高架下に小学校への通路がありますが、閉鎖されており、ほとんど使用されていないようです。駅前にある案内地図に「廃校」と書かれていますが、石碑のようなものはありません。ちなみに、私が通っていた小学校は住宅地の中に現在もあります。
さて、秋月城址に至る街並みを離れ、自転車で甘木駅へ向かいます。今度は、その途中の風景です。
甘木駅前から秋月城址へ向かう際に通った道を逆にたどります。畑が多く、ゆったりとした気分で走ります。平らに見える道ですが、実は非常になだらかな勾配となっていて、行きより帰りのほうが楽でした。
そのような畑の近くに、このように花がたくさん咲いている場所が点在しています。 所々で自転車を停め、デジタルカメラで撮影していきます。
山裾の、とくに何気ないような風景ですが、 こんな所を、山並みの緑を見ながら走っていると、気分が落ち着くものです。しかし、考えてみれば、大分大学時代の7年間は、自宅からもこうした山並みがよく見えましたし、大学からも見えました。大分市の南部や西部には、所々に上の写真と似たような場所があり、車などで通ったりしていたのでした。或る意味で贅沢な場所に住んでいたのです。
最近は関東地方でも福岡県産の野菜や果物が多く売られています。出荷場所が段ボール箱などに書かれているので見てみると、朝倉市、久留米市、大刀洗町などとなっています。旧甘木市のこの辺りも産地となっているはずです。
沿道には商店らしいものがほとんどないのですが、一件だけコンビニエンスストアがありました。そこに「甘水の銘水」と書かれた案内板がありましたので、気になりました。所々にある道案内に従うと、メインの道路から少し外れたところにその「甘水の銘水」の水汲場がありました。コンビニエンスストアの案内板で気になったところもあったのですが、少しばかり喉が乾いたので、どのような水だろうと思い、やってきました。
最澄と言えば、天台宗の開祖、比叡山に入って延暦寺の基礎となる一乗止観院の建立者です。真言宗の開祖で和歌山県の高野山に金剛峰寺を建立した空海とともに遣唐使として唐に行っています。そんな最澄がこの場所を訪れたのでしょうか。もっとも、人間の足跡はわからないものです。どこかに由来が書かれた案内板でもあるはずなので、とにかく入ってみます。
水汲場の敷地に入ります。この草の生え方から、水場が近いのだろうと創造できます。葉ばかりなので植物の名前などがわかりませんが、ドクダミかそれに近いものでしょうか。違うでしょうか。
水汲場に到着しました。しかし、自転車でふらりとやってきた人間がここで少しばかりの水を飲んで喉の渇きを癒す、ということはできません。先ほど通ったコンビニエンスストアでポリ容器を買うか、ホームセンターなどで売られているポリ容器を自分で持ってきて、ここでそれなりの量の水を買う、という仕組みでした。私が借りている自転車は、後ろの車輪の上に荷台などがありません。それに、ここでポリ容器を持ってきて水を汲んでも、そんな重いものを福岡市内のホテルまで持って帰る訳にも行きません。ここは自動車で来た人のための施設なのでした。
大分県豊後大野市の旧三重町地区にある稲積鍾乳洞では、2リットルくらいの容量のペットボトルを持っていれば水を汲んだりすることができます(もう少し小さくても大丈夫です)。私もそこで水を汲み、持って帰ってきたことがあります。竹田市の水とともに、非常に美味しかったことを覚えています。
結局、どのような水なのかがわからないままに、ここを立ち去るしかありません。
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