ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

横浜市発行の屋外広告物設置許可証がこんな所に貼られていた

2011年11月12日 22時49分20秒 | 法律学

 今日、仕事のための材料を仕入れるために方南町へ行きました。その帰り、田園都市線に乗り、桜新町で急行の通過待ちをするために電車から降りてみたら、こんなものが貼られているのを見つけました。

 横浜市の屋外広告物設置許可証です。私が乗っていた東武50050系の先頭車両の、乗務員室の扉のそばに貼られていました。

 実は、この編成には東武伊勢崎線沿線のマンションの広告が貼られています。最近あちらこちらでみられるラッピング電車です。これは勿論、広告のために貼られるのですが、屋外広告物となり、規制の対象となります。そのためもあって、ごく最近まではあまり走っていなかったのです。最近は、多少とも規制が緩和されて増えましたが、今でも規制の対象です。普段走っている電車で行政法の勉強をすることができる、ということの好例でもあります。

 横浜市屋外広告物条例の規定を、ここでいくつか紹介しましょう。第1条はこの条例の目的を次のように定めています。

 「この条例は、屋外広告物法(昭和24年法律第189号。以下「法」という。)に基づき、屋外広告物(以下「広告物」という。)の表示及び広告物を掲出する物件(以下「掲出物件」という。)の設置並びにこれらの維持並びに屋外広告業について必要な規制を行い、もって良好な景観を形成し、若しくは風致を維持し、又は公衆に対する危害の防止を図ることを目的とする。」

 電車に貼られていた屋外広告物設置許可証に関連する規定のひとつが第2条で、第1項は「本市内において広告物を表示し、又は掲出物件を設置しようとするときは、市長の許可を受けなければならない」と定め、第2項は「前項の許可には、良好な景観を形成し、若しくは風致を維持し、又は公衆に対する危害を防止するために必要な条件を付けることができる」と定めています。

 許可の申請については、第9条に規定があります。第1項は「第2条第1項及び第7条第2項の規定により許可を受けようとする者は、規則で定める許可申請書正副2通を作成し市長に提出しなければならない」、第2項は「許可の期間は、3年をこえることができない」と定めています。また、申請に際しては手数料を支払わなければならず(第11条)、電車やバスについては1台につき1500円とされています(別表)。上の写真の電車は10両編成ですので、15000円が必要となります。

 前後しますが、ラッピング電車やラッピングバスに貼る広告には規格があり、これについては第8条第1項で「市長は、次の各号に掲げる広告物の形状、規模、色調その他表示の方法又は掲出物件の形状その他設置の方法について、規則で規格を設けることができる」と定められています。その第4号が「電車、自動車等の外面を利用するもの」です。詳しくは横浜市長が定める規則を参照する必要がある訳で、第8条第2項は「前項各号に掲げる広告物を表示し、又は掲出物件を設置しようとするときは、前項の規定により規則で定める規格に従わなければならない」と定めています。

 その他の規定については、次のアドレスからアクセスしてみてください。

  http://www.city.yokohama.jp/me/reiki/honbun/g2020879001.html

 実は、写真をよく見ていただければおわかりになると思いますが、この電車には他の地方公共団体による屋外広告物設置許可証も貼られています。一番わかりやすいのが横浜市のものでした。


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