ひろば 川崎高津公法研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

阪急今津線を走る5000系5010F

2022年09月04日 00時00分00秒 | 写真

 阪急今津線の宝塚駅と宝塚南口駅との間、武庫川のそばに宝塚大劇場があります。阪急のレゾン・デートルという表現は大袈裟かもしれませんが、阪急と言えば宝塚歌劇団、その本拠地が宝塚大劇場ということでしょう。 

宝塚大劇場の付近に阪急今津線の橋梁があります。そこを、普通西宮北口行きの5000系5010Fが通ります。なお、今回の写真は、全て、私ではなく、私の配偶者による撮影です。

 阪急今津線は、阪急宝塚本線の終点にしてJR福知山線との乗換駅である宝塚駅から、阪急神戸本線との乗換駅である西宮北口駅を経由して阪神電鉄本線との乗換駅である今津駅までの路線です。但し、実際には西宮北口駅で分断されており、宝塚駅から西宮北口駅までの区間が今津北線、西宮北口駅から今津駅までの区間が今津南線と言われます。今津北線は6両編成で運転士および車掌が乗務するのに対し、今津南線は3両編成でワンマン運転となっています、なお、阪神競馬場の最寄り駅は今津北線の仁川駅であり、また今津南線には阪神国道駅があります。

 5000系は1968年に登場した車両で、神宝線(神戸本線および宝塚本線の系統)で運用されています。登場から半世紀を過ぎている訳ですが、現在も活躍しており、神宝線では最古参となっています。ちなみに、阪急全体での最古参は京都線系統で運用されている3300系です。

 阪神・淡路大震災からの復興(回復)がJR西日本より遅れたことやJR西日本のスピード攻勢などが原因となって、阪急の乗客減が続いていると報じられています。そのことを改めて印象づけたのが、2005年4月25日、福知山線の塚口駅と尼崎駅との間で発生した脱線事故でした。この事故の痛ましさは言うまでもありませんが、私は、報道を追う毎に阪急宝塚本線の凋落を思うのでした。国鉄時代の福知山線は非電化で、阪急宝塚本線のライバルにもならないような存在でしたが、国鉄最晩年とも言える1986年の秋に電化され、スピードアップがなされたことで、福知山線が阪急宝塚本線よりも速くなり、福知山線の利用客が増えたのでした。阪急宝塚本線は阪急発祥の路線でもあり、言うまでもなく宝塚歌劇団とも深い関係を持ちます。

 朝日新聞社のサイトに2022年7月15日9時付で掲載された「近鉄の運賃値上げ、奈良県『NO!』 知事と社長、異例対決の決着は」という記事によると、JR西日本の電車特定区間における初乗り運賃は130円です。阪急電鉄の初乗り運賃は160円ですので、運賃の面でもJR西日本のほうが優位に立っています。但し、30キロメートルを利用した場合の運賃は、JR西日本が470円であるのに対し、阪急電鉄は320円ですから、阪急電鉄のほうが優位に立ちます。

 この記事によると、JR西日本と同じ初乗り運賃は小田急、京王および東急です(ちなみに、JR東日本の電車特定区間および山手線内の初乗り運賃は140円です。また、東京メトロおよび名鉄の初乗り運賃は170円で、大手私鉄では最も高くなっています)。私は仕事の関係で京王線や京王相模原線に乗ることが多いのですが、京王の運賃の安さは良く実感するところです。但し、30キロメートルを利用した場合の運賃は、小田急が380円、京王が330円、東急が310円であり、東急が最も安くなります。また、同じ30キロメートルでは阪神電鉄も310円で、関西の大手私鉄では最も安い運賃と言えます(あくまでも30キロメートルの利用に限ります。初乗り運賃の話ではありません)。

 さらに、30キロメートルを利用した場合の運賃で高いのは、大手私鉄に限定すると名鉄および南海の570円、西鉄の520円、近鉄の500円の順となります(参考までに、JR東海の幹線区間では510円です)。運賃設定にはそれぞれの鉄道会社の事情がありますから、一概にどうのこうのとは言えません。


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