出世祈願

2009年09月03日 | 
大畑(おこば)駅は
北緯32度09分53.75秒東経130度47分15.80秒にある
明治42年(西暦1909年/皇紀2569年)12月26日に
当時の鹿児島本線の駅として開業した肥薩線の無人駅。

つまり今年開業100年を迎える駅です。

駅舎は木造で、開業当時そのままの建物。
もちろん細部は修復したりしてはいるものの
かつての面影を充分に残しているのです。

この駅はループ線、つまり高低差を稼ぐために
山腹をぐるりと1周回る線路の途中に設けられた
スイッチバック方式の駅(Z型に前後しながら進む)で
山の中の駅でありながら
どんな優等列車も必ず停車しなければいけない構造になっている。

この駅舎の待合室の壁には名刺がびっしり。
この駅に来た思い出として誰かが残していったのが
次第にこれだけの数になったのかなと思うと
この駅がそれだけの人に愛されてることがよくわかります。

いつしか、ここに名刺を残すと出世すると言われるようになったらしく
観光列車「いさぶろう」「しんぺい」号の車内での案内でも
そんな風に放送されます。

もちろん私も1枚残してきましたw

出世どうのこうのよりも
いつか来たいと思っていたこの駅へ来れたことと
100年という歴史と
これからまだまだ続いてゆくこの駅舎の時間の数分間
ここにいることができた証を残してこれたことが
一番の幸せだったような気がします。



現在、この駅を発着する列車は
上下5往復だけ。
周囲に集落もほとんどないため乗降客もほとんどいません。
それでも、みんなに愛されている駅なのです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする