米坂線、クーラーの無い列車の旅

2010年09月01日 | 
さて、坂町で降りたあと
どう遠回りするか?である。

幹線伝いに、つまりは信越線か上越線で出るのなら
あと数十分特急に乗って新発田か新潟まで行けばよかったわけで
やはり米坂線に乗る以外にルートはないだろう。



しかも次の米沢行きまでは約1時間。
昼ごはんを食べるにもちょうどいい接続。


2両編成の米坂線は
1両はクーラーが付いているものの
もう1両は扇風機だけの車両。

どちらを選ぶべきか…


もちろんここはクーラーなしで行くしかないでしょう。



窓を全開にして
エンジンの唸り声と虫の声を浴びながら
夏の峠の風を浴びる前時代的な旅は
これからあと何年味わうことが出来るだろうか…



駅は集落ごとにあって
それを1つ1つ律儀に停車しながら
米沢を目指す。



草の伸びきった線路際は
おそらく冬には身の丈ほども雪が積もるのだろう。

標識などは、都会のそれよりも高い位置に現示されている。

「ネコ注意」
保線員の優しさを感じる。

分水嶺を越えると
エンジンの音はほとんどなくなり
軽快に下り勾配を走る音と
抑速のためのブレーキの音が
全開の窓から入ってくる。
トンネルに入ると
壁に反射したその音と排気ガスと
ヒンヤリした空気が車内を包み込む。


山を降りると米沢盆地。
青空と雲と田圃のコントラストが
眼に鮮やかに映る。



終点米沢まであとわずか。
広い構内の駅が、平坦な場所へ来た事を実感させてくれた。

コメント (2)
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