
東京都西部には先史時代に多摩川が侵食した立川面と呼ばれる地層と
武蔵野面と呼ばれる一段高い地層の境界に
ハケと呼ばれる段丘崖「国分寺崖線」がある。
聖武天皇の詔によって建立された國分寺はこの崖線の下にあって
これは武蔵野面では水利を得ることが難しかった為でもある。
殿ヶ谷戸庭園は、そんな国分寺崖線の地形と
そこから湧出する水を利用した回遊式庭園で
三菱の岩崎彦彌太が昭和9年に完成させた。
中央線という高頻度運行路線の線路際にあって
澄んだ湧水と多くの樹木に囲まれた庭園は
大地の作用がもたらした美しい恩恵でもある。
