新宿区西落合。新宿区とはいえ、哲学堂(中野区)や、トキワ荘(豊島区)にほど近い一角に「猫寺」と呼ばれるお寺があります。
真言宗豊山派の、西光山自性院無量寺という寺院で、豊島八十八ヶ所霊場の二十四番札所にもなっているお寺です。
弘法大師空海が、日光への参詣途中、この地で観世音菩薩を供養したのが最初と言われています。
文明九年(1477)、江古田沼袋原の戦いの際に、道に迷った武将の前に一匹の黒猫が現れ、この寺に招き入れ危機を救ったと伝えられています。
この武将こそ太田道灌で、このことに感謝した道灌は、その猫の死後に地蔵として像を作り奉納しました。
これがこの寺の秘仏「猫地蔵」で、現在は猫地蔵堂に奉安され、2月3日に開帳されています。
世田谷の豪徳寺と並んで、招き猫発祥の地とされています。