みいちゃんといっしょ

みいちゃんとみいちゃんのパパの日記

この際、FM音源シンセサイザーの仕組みを研究してみる。

2016年06月04日 | MUSIC

 先日ゲットした、KORG volca fm


 寝ながらショートシーケンスが、それもFM音源で作れるということで、みいちゃんから抗議の声を受けながらも、いろいろといじって遊んでいます。

 しかし、FM音源の原理がわからないまま、遊んでいても進歩がないので、何とかしようとしましたが、 volca fm のマニュアルや、KORG のサイトには全くその原理やパラメーターのいじり方について書いてありません。

 KORG にとっては、親会社みたいな YAMHA の DX7 互換ということで、これは、YAMAHA のサイトで DX7のことを調べなさいという暗示と解釈しました。

 そこで、YAMAHA のサイトから DX7 の「マニュアル(取扱説明書)」と 「DX7 オペレーティングガイドブック」というものを入手。

 1983年の発売当時には、PDF なんてものはありませんから、なんと、YAMAHA が提供しているマニュアルも、きっとどこかに保存してあった、マニュアルの冊子をスキャンしたものらしく、綴り穴のパンチ跡がスキャンされている画像でした。

 

 アナログシンセが主流の当時ですから、「DX7 オペレーティングガイドブック」には、FM音源の原理が相当数のページをさいて、説明されています。

 そこで、これを読んだり、WEBでのうんちくを読むことによって、FM音源について分かったことは、

①アナログシンセサイザーがオシレーターから出力した音(サイン波やのこぎり波、矩形波など)を、フィルター(VCF)で削って、音色を作り出していく(減算方式)のに対し、FM音源のデジタルシンセサイザーは、サイン波(キャリア)に更に周波数の高いサイン波(モジュレーター)で周波数変調(FM=Frequency Modulation)をかけてやる(乗算方式)こと(この仕組みをオペレーターという)で音色を作っていく。

②その結果、アナログ・シンセサイザーでは高い方の倍音が少なく(削る一方なので)、それを急激に変化させることもできないのに対し、FM音源では、ダイナミックな音色変化や、きらびやかな音色(アナログシンセでは、金属的な音(鐘やエレピ)は不得意とされていた)が出せるようになり、音色波形のバリエーションが格段(無限)に広がった(倍音は多ければ多いほどきらきらした明るい音色に聞こえ、倍音が少ないとこもった丸い音になる)。

③アナログシンセでは、VCO→VCF→VCA と、それぞれの回路を通して、音程、音色、音量をコントロールしていたが、FM音源では、キャリアにモジュレータによる周波数変調をかけて音色を決め、キャリア自体に音程と音量の時間的変化の機能(オペレーターに共通の機能)があるため、この3要素を一括してコントロールできる(現にフィルター回路が無い)

④アナログシンセでは、もともと音色の違う波形の倍音をフィルターで削っていくので、音の出来上がり具合を予測しやすいが、FM音源では周波数変調による波形の変化を予想が難しい。さらに、アルゴリズムを複雑に組み合わせたり、様々なパラメータを設定できるため、変調やフィードバックによって、すぐノイズになるか金属音になってしまうというように音作りが非常に難解である。


 このような特徴を持った、FM音源を使って音を作っていくのですが、そこで、volca fm についてきたアルゴリズムシートが意味を持ってきます。


 

 アルゴリズムとは、キャリアとモジュレーター(両方を合わせてオペレーターという)の組合せ方です。

 volca fm には、DX7 と同じく、6オペレーターが実装されており、これを32通り(アルゴリズム)に組み合わせられます。

 モジュレーターから更に横にはみ出た線は、フィードバックといって、モジュレーター自身が自分に更に変調をかけていることを表しています。


 では、この図から何を得ろというのでしょうか。

例えば

①15番、25番のモジュレーター「5」「6」とキャリア「4」とのつなぎ方の場合、「5」と「6」の出力波形を足し算した波形で 「4」の波形を変調する事になり、倍音が多く発生し、複雑な音になる。

②1番と2番の場合、「1」と「3」で2つの音色を作り 同時に鳴らすことになります。全く異なる音色を重ねたり、同じ様な設定の音色を2つ作って重ねる(アナログシンセでいうユニゾン)など、の使用方法が考えられるアルゴリズム。

③20番の「3」や21番の「6」の場合、それぞれ、「1」と「2」、「4」と「5」がキャリアとなるが、 「3」や「6」を共通して使用することで、モジュレータが1個で済むのでオペレーターの節約になる。レイヤーで重ねる音色などを作る際に有用なアルゴリズム。

3番の場合、「3」の波形で「2」を変調し、変調されて出力された「2」の波形を使って「1」を変調する。 より複雑で明るい音が得られる。
 ①と違うのは、①では「5」と「6」の波形を足し算した物が「4」を変調していたのに対し、 「3」が「2」を変調した結果を入力として「1」を変調している点で、変調した波形を使って更に変調しているので、非常に複雑な波形が得られる。


ということですが、全体通じての法則としては、

・キャリアが多くなるほど音は厚くなる。
・モジュレータの縦の段が長くなればなるほど、複雑な倍音を生成できる。
・フィードバックのレベルを上げるとより複雑で明るい音になる。
・フィードバックのかかるオペレータの位置により出てくる音が異なってくるが、フィードバックが高い位置にあるほど、倍音構成が複雑になる。逆に、低い位置にあるほど、音にパワーが出る。 

といった、約束事もあるようです。

  しかし、結局出てくる音はやってみないとわからないというブラックボックス(まさに volca fm の筐体そのもの)になっていますね。

 


 

 




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