カンボジアは、新型コロナウイルスの感染は、他国に比べればまだ低いレベルにありますが、国内感染に歯止めがかからなくなりつつあります。5月9日の保健省の発表によれば、死者は120名(5月2日から17名増)です。累計陽性者数は1万9237名(同4717名増)となっています。治癒数は7641名(同2272名増)です。先週の新規陽性者のうち、4710名は2月20日市中感染事件による陽性者でした。それ以外の先週の海外帰国・入国者の新規陽性は7名でした。
国内でのクラスターとしては、11月3日事変(陽性者4名:終息済)、11月28日市中感染事件(陽性者41名:終息済)に加え、2月20日市中感染事件が発生しました(4月25日現在陽性者1万8677名)。今回の感染は、中国人女性が隔離ホテルから賄賂を使って脱走し、クラブやサービスアパートメント等で感染を広げるという悪質なケースでした。なお、海外帰国者の陽性者も、空港での検査や2回目以降の検査等で引き続き発見されています。
5月5日まででロックダウンは終了しました。3色のゾーン分けは継続していますが、通行自由なイエローゾーンが拡大し、最も厳しい規制のレッドゾーン、次に厳しいオレンジゾーンは縮小されました。なお、イエローゾーンでも各種規制は継続中で、店内飲食禁止(5月12日まで)、酒類販売禁止(5月22日までに延長)、市場の閉鎖(5月14日まで延長)等の規制となっています。
ワクチンについては、中国製が順次到着しており、5月11日に50万回分、5月15日に50万回分が更に到着予定です。政府では、プノンペン等のレッドゾーンの住民に優先的にワクチン接種を進めることとし、軍も動員して5月1日から接種を開始しました。国防省の5月6日に発表では、24万6702人に接種済みとしています。全体で見ると、保健省の5月7日の発表では、累計160万6007人に接種済みです。
5月4日、カンボジア日本人会とカンボジア日本人商工会は連名で、ワクチン接種に関わる要望書を在カンボジア日本国大使館に提出したと発表しました。カンボジア在留の邦人に対し、カンボジアにおいて、または一時帰国時に、適切なワクチン接種を行うための環境・体制づくりについての要望を行っているとしています。
フン・セン首相は、5月8日の国民向けメッセージで、ワクチン接種については、希望者のみの接種であり、現時点では義務ではないと再確認しました(軍人及び公務員には義務付け)。また、レッドゾーン内の貧困層が困窮しているとして、家主、上水道公社、電力公社等に家賃や料金の支払い猶予・免除を検討してほしいと要望しました。
カンボジアでは、感染拡大に歯止めがかからないことから、ついにはプノンペン等のロックダウンに踏み切りました。ロックダウンは終了したものの、各種規制は継続中です。これらの規制は、頻繁に変更され、即時適用されることが多い上、州毎に異なりますので、日本大使館のサイト等を十分にご確認ください。カンボジアの陽性者数や死者数は、欧米や日本に比べると圧倒的に少ないのですが、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念が残ります。
(写真は、ロックダウンが終了して、交通量が少し増えてきたプノンペン市内。5月6日撮影)
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