カンボジア経済

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三上大使寄稿 カンボジアから見た中国

2021年05月13日 | 経済
 5月7日、一般社団法人霞関会は、在カンボジア日本国大使館の三上正裕大使が執筆された時事コラム「カンボジアから見た中国」を掲載しました。霞関会では、今年2月から「中国特集」として、各国に駐在する日本大使が執筆した時事コラムを掲載しています。今回の三上大使のコラムでは、カンボジアと中国との関係について、歴史・地政学的関係、経済関係、政治・安全保障、中国の対カンボジア政策と新型コロナ外交、日本との関係等の面から、多面的に分析しています。
 特筆すべき点としては、カンボジアは完全に親中派に分類されてしまっていますが、近年は中国の急速な進出に対する反発も見られるとして、「カンボジア人の対中感情は一筋縄ではない」と分析している点があります。「急激な中国の進出に伴う弊害、特に、不動産開発による土地の高騰や環境破壊、犯罪やギャンブル、マネロン、麻薬等の問題に眉をひそめている国民も多い。」としています。安全保障面では、シハヌークビル近辺にあるリアム海軍基地について、カンボジアが中国に排他的に使用させる密約を結んだのではないかとの報道に関し、国際社会、特に米国が神経をとがらせていると指摘しています。
 日本とカンボジアとの関係については、「カンボジア人は極めて親日的である。」としていて、「米中の対立が深まる中で難しい局面にあるが、日本としては、これまで培ってきた良好な関係をうまく使いながら、カンボジアが多党制自由民主主義を維持し、ASEANの意義・役割を認識した上でその一体性を重視しながら、バランスのとれた外交を展開していくよう働きかけていく必要があると思う。」とまとめられています。
 カンボジアの現状を的確に理解して、中国のような下心でも、欧米のような強硬手段でもなく、日本らしい外交(誠実、対話、忍耐、漸進等)で、カンボジアとの友好関係を深め、発展を支援していくとの方針が読み取れる素晴らしいコラムです。カンボジアについて、今知りたいことが分かりやすくまとめられています。ぜひご一読ください。
(写真は、日本の支援で整備されたシアヌークビル港)

一般社団法人霞関会のサイト
https://www.kasumigasekikai.or.jp/


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