カンボジア経済

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ASEAN+3 財務大臣・中央銀行総裁会議

2021年05月11日 | 経済
 5月3日、第 24 回ASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁会議がバーチャル形式で開催されました。会議には、カンボジアを含むASEAN10カ国と日本、中国、韓国の財務大臣・中央銀行総裁(一部代理参加)、アジア開発銀行(ADB)総裁、ASEAN+3マクロ経済リサーチ・オフィス(AMRO)所長、ASEAN事務総長、国際通貨基金(IMF)副専務理事他が参加しました。
 会議後に発表された共同声明では、「世界・地域経済の現下の動向や見通し、及びリスクや課題への政策対応について意見を交換した。我々は、地域経済が新型コロナウイルスを克服し、パンデミック後の時代への準備を行う上での支えとして、ASEAN+3の地域協力がより重要になっていることを認識した。」としています。具体的には、チェンマイ・イニシアティブ(CMIM)、AMRO、アジア債券市場育成イニシアティブ(ABMI)、ASEAN+3財務プロセスの戦略的方向性などにより、地域金融協力を更に強化すべく、引き続き協働していくとのことです。
 金融危機時に加盟国間で外貨を融通する金融セーフティーネットであるCMIMについては、IMFデリンク割合の引上げ(30%→40%)と現地通貨の使用等を盛り込んだ改定契約書が3月31日に発効しています。設立10周年を迎えたAMROについては、マクロ経済サーベイランス能力の向上を評価しました。ASEAN+3財務プロセスに関しては、新たに4つのワーキング・グループ(「インフラファイナンス(WG1)」、「マクロ・構造インストルメント(WG2)」、「自然災害リスク に対する財務強靭性の強化(WG3)」、「技術進化のための政策協調の向上(WG4)」)が設立されています。
 過去の金融危機の経験から、危機の防止や危機が起きた時の対応について、こうした国際会議で準備しておくことは大変重要です。海外から影響を受けやすく、脆弱な小国であるカンボジアにとって、外貨融通が期待できるCMIMや東南アジア災害リスク保険ファシリティ(SEADRIF)等の仕組みは、金融危機等のリスクに備えるだけでなく、日ごろの信用力を向上させる観点からも重要なものと見られます。
(写真は、発展するプノンペン市内)

共同声明(日本財務省による和文仮訳)
https://www.mof.go.jp/international_policy/convention/asean_plus_3/20210503.pdf


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