カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、国内感染が大幅に増えていましたが、ピークを越えて減少傾向となっています。5月16日の保健省の発表によれば、死者は150名(5月9日から30名増)です。累計陽性者数は2万2184名(同2947名増)となっています。治癒数は1万740名(同3099名増)です。先週の新規陽性者のうち、2877名は2月20日市中感染事件による陽性者でした。それ以外の先週の海外帰国・入国者の新規陽性は70名でした。
国内でのクラスターとしては、11月3日事変(陽性者4名:終息済)、11月28日市中感染事件(陽性者41名:終息済)に加え、2月20日市中感染事件が発生しました(4月25日現在陽性者2万1554名)。今回の感染は、中国人女性が隔離ホテルから賄賂を使って脱走し、クラブやサービスアパートメント等で感染を広げるという悪質なケースでした。なお、海外帰国者の陽性者も、空港での検査や2回目以降の検査等で引き続き発見されています。
5月12日、プノンペン都は、3色のゾーン分けと各種規制を5月19日まで延長すると決定しました。通行自由なイエローゾーンが拡大し、最も厳しい規制のレッドゾーン、次に厳しいオレンジゾーンは、更に縮小されました。なお、イエローゾーンも含めて各種規制は継続中で、店内飲食禁止(5月19日まで延長)、酒類販売禁止(5月22日まで)、市場の閉鎖(5月21日まで延長)等の規制となっています。
ワクチンについては、中国製が順次到着しており、5月11日に50万回分、5月15日に50万回分が到着しました。政府では、プノンペン等のレッドゾーンの住民に優先的にワクチン接種を進めることとし、軍も動員して5月1日から接種を開始しました。国防省の5月15日に発表では、65万人に接種済みとしています。全体で見ると、保健省の5月15日の発表では、累計204万255人に接種済みで、200万人を越えました。フン・セン首相は、ちょうど200万人目となった女性に2500ドルの賞金を提供したとのことです。
世界保健機関(WHO)の5月12日版週間アップデートによりますと、カンボジアの感染状況は周辺諸国の中でも低いレベルにあります。陽性者数(10万人当たり)は、カンボジア115.1人に対し、マレーシア1350.0人、シンガポール1048.3人、フィリピン999.1人、インドネシア625.1人、ミャンマー262.7人等となっています。カンボジアより低い国は、ベトナム3.3人、ラオス16.9人等です。日本は、500.5人となっています。死者(10万人当たり)も、カンボジアは0.7人と最低レベルにあります。日本は8.6人です。
カンボジアでは、感染拡大に歯止めをかけるために、ついにはプノンペン等のロックダウンに踏み切りました。ロックダウンは終了したものの、各種規制は継続中です。これらの規制は、頻繁に変更され、即時適用されることが多い上、州毎に異なりますので、日本大使館のサイト等を十分にご確認ください。
レッドゾーンでワクチン接種を優先的に行うという対策は功を奏した模様で、プノンペンの陽性者数は減少傾向となっています。しかし、医療体制が脆弱という弱点があり、いわゆる医療崩壊の懸念がありますので、引き続きマスクや消毒といった対策が必要と見られます。
(写真は、閉鎖が続くセントラルマーケット)
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