カンボジア経済

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世界銀行 半期経済報告2024年秋 カンボジアは長引く不動産不況に懸念

2024年10月11日 | 経済
 10月7日、世界銀行は、東アジア・大洋州地域半期経済報告(2024年10月)を発表しました。今回の報告書は「仕事と技術(Jobs and Technology)」と題されています。
 報告書では、「東アジア・大洋州地域の途上国は、2024年、世界の他の地域よりも急速な成長を続けているが、パンデミック前のペースには及ばない」と分析しています。
 カンボジア経済については、2024年のGDP成長率予測を5.3%(2024年4月予測5.8%)に引き下げました。2025年は5.5%(同6.1%)、2026年は5.5%(同6.4%)と予測しています。2024年は、外需の回復に伴う輸出の増加が主な要因であると分析しています。他方、長引く不動産不況には懸念を示しています。不動産不況の影響を受けている建設セクターは、インフラ投資に支えられて持ちこたえているとしています。
 物価上昇率は、ロシアのウクライナ侵攻を発端とした資源・食料の値上がりの影響を受け、2022年は5.5%まで上昇したものの、ピークは過ぎて、2024年は2.2%に低下すると見ています。また、2025年2.2%、2026年2.2%と安定すると予測しています。
 経常収支(対GDP比)は赤字から黒字に転換するとしています。2021年のマイナス29.1%、2022年のマイナス18.8%から、2023年1.3%、2024年1.7%、2025年0.6%と黒字に改善すると予測しています。2024年6月末の外貨準備は、前年同期比8.5%増の200億ドル(輸入の7か月分)に増加し、非常に安定的なレベルを維持しています。
 金融セクターについては懸念を示しています。建設・不動産の不況を大きな要因として、貸付の伸び率は2024年6月末3.8%増と急速に伸び悩みました。また、不良債権比率も、銀行6.8%(前年5.4%)、マイクロファイナンス8.3%(前年6.7%)と急上昇しています。
 リスクとしては、中国の景気後退の悪化等をあげています。特に、長引く建設・不動産不況の中で、金融機関の不良債権比率の悪化は重要なリスクとなっていると指摘しています。
(写真は、シアヌークビルで工事が止まっている廃墟ビル)

世界銀行の新聞発表(和文)  
https://www.worldbank.org/ja/news/press-release/2024/10/07/east-asia-and-pacific-resilient-growth-in-turbulent-times


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