3月15日、アジア経済研究所は、「強化されるフン・セン体制 2023 年カンボジア総選挙と世襲内閣の誕生」と題する単行本を発行しました。著者は、新潟国際情報大学の山田裕史准教授とアジア経済研究所の新谷春乃先生です。
この本では、2023年8月22日にフン・マネット首相の世襲内閣が誕生し、フン・セン前首相を中心とする少数の支配者集団から、その子どもたちへの集団的な権力継承が進んだ中で、2023年総選挙とその後の新内閣を中心とする国家機関の人事を分析したものです。特に、人民党指導部内で進行中の子世代への権力継承に関する人事分析が興味深いものとなっています。
内容は、第1章:独裁強化後の内政の展開・2023年総選挙の政治的文脈(選挙を通じた人民党支配の維持・強化、抑圧と分断による野党勢力の弱体化、世襲への環境整備)、第2章:安定的な世襲の実現をめざして・2023年総選挙がもつ意味(キャンドルライト党の台頭、反対勢力に対する抑圧と懐柔、安定的な世襲に向けた環境整備、フン・センのねらいどおりの選挙結果)、第3章:未完の権力継承・世襲後も続くフン・セン体制(人民党指導部の構成と特徴、カンボジア版「太子党」の台頭、権力は移譲されたのか)等となっています。
結論として、「首相を含む閣僚の顔ぶれが一新して世代交代が進み、親世代から子世代への集団的な権力継承が完了したかにみえるが、真の権力は依然としてフン・センら親世代が握っていると考えられる。」と分析しています。更に、「フン・センの影響力に陰りが出たときに、すでに一部省庁内で生じつつある世代間の対立のみならず、子世代同士の権力闘争が顕在化し,党の分裂を招く可能性も否定できない。」としています。
カンボジアの現在の政治状況について、最もお詳しい山田先生と新谷先生の最新の分析です。無料で全文ダウンロード可能です。ぜひご一読ください。
アジア経済研究所のサイト
https://ir.ide.go.jp/records/2000871
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この本では、2023年8月22日にフン・マネット首相の世襲内閣が誕生し、フン・セン前首相を中心とする少数の支配者集団から、その子どもたちへの集団的な権力継承が進んだ中で、2023年総選挙とその後の新内閣を中心とする国家機関の人事を分析したものです。特に、人民党指導部内で進行中の子世代への権力継承に関する人事分析が興味深いものとなっています。
内容は、第1章:独裁強化後の内政の展開・2023年総選挙の政治的文脈(選挙を通じた人民党支配の維持・強化、抑圧と分断による野党勢力の弱体化、世襲への環境整備)、第2章:安定的な世襲の実現をめざして・2023年総選挙がもつ意味(キャンドルライト党の台頭、反対勢力に対する抑圧と懐柔、安定的な世襲に向けた環境整備、フン・センのねらいどおりの選挙結果)、第3章:未完の権力継承・世襲後も続くフン・セン体制(人民党指導部の構成と特徴、カンボジア版「太子党」の台頭、権力は移譲されたのか)等となっています。
結論として、「首相を含む閣僚の顔ぶれが一新して世代交代が進み、親世代から子世代への集団的な権力継承が完了したかにみえるが、真の権力は依然としてフン・センら親世代が握っていると考えられる。」と分析しています。更に、「フン・センの影響力に陰りが出たときに、すでに一部省庁内で生じつつある世代間の対立のみならず、子世代同士の権力闘争が顕在化し,党の分裂を招く可能性も否定できない。」としています。
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