カンボジア経済

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マイクロファイナンス リエルの使用促進にも貢献

2024年04月22日 | 経済
 3月25日、カンボジア・マイクロファイナンス協会は、2023年のマイクロファイナンスにおいてリエル建ての比率が大幅に高まったと発表しました。2023年末時点のリエル建ての貸付残高は5兆5600億リエル(約2090億円)、預金残高は1兆5200億リエル(約570億円)となっています。総貸付残高に占めるリエル建ての比率は25%、総預金残高に占めるリエル建ての比率は16%に上昇しました。中央銀行が求めているリエル建て比率10%以上という規制を大きく上回っています。
 マイクロファイナンス協会では、中央銀行であるカンボジア国立銀行等の関係機関の協力によるリエルに対する信頼感を高める努力、金融リテラシーを向上させるための活動、中央銀行デジタル通貨バコンの導入、統一QRコードであるKHQRの導入等によるリエル建てデジタル決済の推進等が効果をあげたと分籍しています。
 カンボジア国立銀行のチア・スレイ総裁は、高度にドル化されたカンボジア経済において、慎重に時間をかけてリエルの使用促進を進めたいとしています。具体策として、労働者への給与のリエル化を促進したいと意欲を示しています。
 高度にドル化した経済が「脱ドル化」することは、大変に難しい政策課題の一つです。一歩間違うと、アルゼンチンやトルコのように自国通貨の暴落や激しいインフレ等の弊害を招く可能性もあります(アルゼンチンペソは、2000年には1ドル=1ペソでしたが、最近は1ドル=1000ペソ程度にまで減価しています)。カンボジアが少しずつ着実に脱ドル化を進めていくことが期待されます。
(写真は、バコンのフェイスブックより)

カンボジア・マイクロファイナンス協会の発表(英文です)
https://cma-network.org/c/uploads/2024/03/20240325-CMA-Press-Release-Khmer-Riel-ENG-1.jpg


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