7月20日、日本経済新聞に「一瞬の産油国 カンボジアが握る巨大資源の命運」と題する記事が掲載されました。著者は、日本経済新聞社アジア総局の高橋徹総局長です。記事では、カンボジアの海上油田開発の経緯と、期待されるタイとの共同開発等が解説されています。幣研究所の鈴木博チーフエコノミストのコメントも入れていただいております。記事の概要は以下の通りです。
カンボジアが、東南アジア諸国連合(ASEAN)で8番目の産油国になる夢は、半年足らずでしぼんでしまいました。6月4日、カンボジアのシアヌークビル沖の海底油田「アプサラ鉱区」で操業するシンガポールのクリスエナジーが、会社清算を申し立てたと表明したためです。昨年12月29日に生産を始めたものの、産出量が当初見込みの日量7500バレルの半分以下にとどまり、全社的な資金繰りに行き詰まったためとしています。
カンボジアの18年の石油製品の輸入量は250万トンでした。原油換算で年1850万バレル、日量5万バレルです。同3千バレル前後のアプサラ油田の産出量はその6%程度にすぎず、しかも国内に製油所がない現状では輸出するしか手段がありません。「それでも100%輸入だった同国が、少しでも原油を輸出できれば、その分だけ石油市況の変動をヘッジできるはずだった」(カンボジア総合研究所の鈴木博チーフエコノミストのコメント)こともあり、カンボジア側の落胆は大きいものがあります。
しかし、今後のカギを握る存在が、タイとの国境未画定の海域にあるとしています。タイとの国境問題があるものの、有望でパイプライン等もすぐ近くにあるこの地域の開発については、カンボジアとタイで何度も協議されてきました。しかし、タイの政変のたびに合意が覆され、共同開発は実現していません。記事は、「コロナ後のカンボジアとタイの資源を巡る駆け引きは、注目点のひとつになる。」と結ばれています。
カンボジアの海上油田開発の歴史的経緯や、タイとの国境未画定海域問題について、多くの情報を含んだ有益な記事です。ぜひご一読ください。
(写真のArea1~4が国境未画定海域)
日本経済新聞のサイト(有料記事です)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK183CP0Y1A710C2000000/
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カンボジアが、東南アジア諸国連合(ASEAN)で8番目の産油国になる夢は、半年足らずでしぼんでしまいました。6月4日、カンボジアのシアヌークビル沖の海底油田「アプサラ鉱区」で操業するシンガポールのクリスエナジーが、会社清算を申し立てたと表明したためです。昨年12月29日に生産を始めたものの、産出量が当初見込みの日量7500バレルの半分以下にとどまり、全社的な資金繰りに行き詰まったためとしています。
カンボジアの18年の石油製品の輸入量は250万トンでした。原油換算で年1850万バレル、日量5万バレルです。同3千バレル前後のアプサラ油田の産出量はその6%程度にすぎず、しかも国内に製油所がない現状では輸出するしか手段がありません。「それでも100%輸入だった同国が、少しでも原油を輸出できれば、その分だけ石油市況の変動をヘッジできるはずだった」(カンボジア総合研究所の鈴木博チーフエコノミストのコメント)こともあり、カンボジア側の落胆は大きいものがあります。
しかし、今後のカギを握る存在が、タイとの国境未画定の海域にあるとしています。タイとの国境問題があるものの、有望でパイプライン等もすぐ近くにあるこの地域の開発については、カンボジアとタイで何度も協議されてきました。しかし、タイの政変のたびに合意が覆され、共同開発は実現していません。記事は、「コロナ後のカンボジアとタイの資源を巡る駆け引きは、注目点のひとつになる。」と結ばれています。
カンボジアの海上油田開発の歴史的経緯や、タイとの国境未画定海域問題について、多くの情報を含んだ有益な記事です。ぜひご一読ください。
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