4月4日、第一生命経済研究所は、「カンボジア、フン・セン氏が上院議長に、外交面でも院政の構え フン一族や側近の権力基盤は一段と強固に、政治的遺産構築を目指す姿勢が強まるか」と題するレポートを公表しました。著者は、同研究所の西濵徹主席エコノミストです。
4月3 日に改選後の上院が召集され、フン・セン氏は上院議長に選任されて就任しました。更に、2 名の副議長に側近の外交巧者(前政権の副首相兼外務国際協力相だったプラク・ソコン氏と外務国際協力省の長官を務めたオッチ・ボリット氏)を据える決定を行いました。カンボジアでは昨年、長期政権を率いてきたフン・セン氏が首相を退任し、長男のフン・マネット氏への政権禅譲が行われました。しかし、フン・セン氏はその後も与党・人民党党首に留まり人事権を掌握しており、今年 2 月の 議会上院選後は上院議長への就任に意欲を示していました。
フン・セン氏は、議会上院が外交政策を主導する考えを示すなど、外交政策面でも院政を敷く構えをみせているとしています。中国などとの関係深化を図る一方、欧米や日本には関係を如何に構築するか難しい対応を迫られるであろうと分析しています。なお、フン・セン氏は、4月2日に植野篤志大使と面会し「上院議長を務めている間は日本、特に日本の国会との関係を強化する」と表明しています。
レポートでは、フン・セン氏としては首相職こそ退任したものの、政治的実権を掌握し続けるなかで政治経験が乏しい長男のフン・マネット首相を支えるとともに、いわゆるレガシー(政治的遺産)作りを狙うものと捉えることが出来るとしています。
(写真は、フン・セン議長と2名の副議長。AKPより)
第一生命経済研究所のサイト
https://www.dlri.co.jp/report/macro/327616.html
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4月3 日に改選後の上院が召集され、フン・セン氏は上院議長に選任されて就任しました。更に、2 名の副議長に側近の外交巧者(前政権の副首相兼外務国際協力相だったプラク・ソコン氏と外務国際協力省の長官を務めたオッチ・ボリット氏)を据える決定を行いました。カンボジアでは昨年、長期政権を率いてきたフン・セン氏が首相を退任し、長男のフン・マネット氏への政権禅譲が行われました。しかし、フン・セン氏はその後も与党・人民党党首に留まり人事権を掌握しており、今年 2 月の 議会上院選後は上院議長への就任に意欲を示していました。
フン・セン氏は、議会上院が外交政策を主導する考えを示すなど、外交政策面でも院政を敷く構えをみせているとしています。中国などとの関係深化を図る一方、欧米や日本には関係を如何に構築するか難しい対応を迫られるであろうと分析しています。なお、フン・セン氏は、4月2日に植野篤志大使と面会し「上院議長を務めている間は日本、特に日本の国会との関係を強化する」と表明しています。
レポートでは、フン・セン氏としては首相職こそ退任したものの、政治的実権を掌握し続けるなかで政治経験が乏しい長男のフン・マネット首相を支えるとともに、いわゆるレガシー(政治的遺産)作りを狙うものと捉えることが出来るとしています。
(写真は、フン・セン議長と2名の副議長。AKPより)
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