カンボジア経済

カンボジアの経済について、お堅い数字の話から、グルメ情報といったやわらかい話まで、ビジネス関係の方にお役に立つブログです

イオン シアヌークビルの保税倉庫が完成

2023年09月05日 | 経済
 8月25日、イオンがシアヌークビルで建設していた保税倉庫が完成し、記念式典が開催されました。完成したのは、イオンモールカンボジアロジプラスが新たに取り組む物流事業の拠点となる 「イオンモールカンボジア シアヌークビルFTZロジスティクスセンター」の倉庫です。FTZとは、Free Trade Zoneの略で、関税制度上、国外とみなすことで保税制度の適用が認められる地区のことです。
 カンボジア政府は、経済成長施策の一環としてシアヌークビル港と隣接する経済特区の一部を自由貿易港として一体運用する構想を進めてきており、日本政府が支援してきました。イオンモールカンボジアロジプラスは、この構想の実現に向けた最初のパイロット事業者として、シアヌークビル港に隣接する経済特区内にカンボジア初の保税倉庫(敷地面積約3万平方メートル、建設面積約1万9400平方メートル)を建設したものです。保税倉庫は輸入手続きが済んでいない外国からの貨物を保管するもので、保管中には関税などが課税されず、需給に応じ必要な量だけ通関手続きを経て持ち出せるものです。同社の保税倉庫は現地法人がなくても在庫を保管できるのが特徴だとしています。
 このセンターは、既存のシアヌークビル港コンテナターミナルに隣接していることに加え、日本の円借款の支援で建設中の新たなコンテナターミナル(第1期2025年完成予定)へも好アクセスとなっています。また、プノンペンとシアヌークビルを結ぶ高速道路が昨年開業したため、開通後の車での所要時間は以前の約6時間から約2.5時間に短縮されています。
 シアヌークビル州は、中国からの集中豪雨的投資や中国人の増加により、「中国化」が進んでいます。近郊の海軍基地については、中国軍の進出も懸念され、米国も神経をとがらせています。その中で、日本の支援により拡充されてきたシアヌークビル港はカンボジアの唯一の深海港であり戦略的にも重要な港湾であるため、中国の影響下に置かれないようにすることは大変重要となっています。この観点からもシアヌークビル港に隣接する経済特区に日本の大手企業が入居したことは、大きな意義があることであり、日本の官民が協力して今後もシアヌークビル港と経済特区への支援を継続していくことが期待されます。
(写真は、シアヌークビル港湾公社のフェイスブックより)

シアヌークビル港湾公社のフェイスブック
https://web.facebook.com/pas.gov.kh/posts/pfbid031qhbGAjFeN2JJro1ZZrBaLAWAV7hwjjkpxiXaRC9t3oRtGPmK9LQcCdgFq4bdErgl




↓にほんブログ村のランキングに参加しています。よろしければクリックしてください↓
にほんブログ村 海外生活ブログ カンボジア情報へにほんブログ村

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 新型コロナ カンボジアの状... | トップ | 第12回日・カンボジア人権対... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

経済」カテゴリの最新記事