4月16日、国際通貨基金(IMF)は、世界経済見通し(WEO)2024年4月版を発表しました。世界経済については、「経済活動は、世界的にディスインフレが見られた2022-23年を通して、予想外に底堅かった。スタグフレーションや世界的な景気後退に関する警告に反して、世界のインフレ率が2022年のピークから和らぐ中で安定的に伸びた」としています。世界全体の成長率については、2023年3.2%(2023年10月予測3.0%)、2024年3.2%(同2.9%)、2025年3.2%と予測しています。世界の物価上昇率については、「2023年の6.8%から2024年は5.9%、2025年には4.5%へと安定的に鈍化する見込みである」と指摘しています。
中国の成長見通しが弱いことが、カンボジア等の貿易相手国の見通しに影響している中で、カンボジアの今年の成長率予測は若干引き下げられたものの、高い水準を維持すると見ています。成長率予測は、2023年5.0%(同5.6%)、2024年6.0%(同6.1%)、2025年6.1%となっています。更に、2026年以降2029年までの成長率は、5.5%~6.1%と高度成長に復帰すると予測しています。一人当たりGDPは、2011年に1000ドルを突破した後、2024年には2628ドルに達するとしています。更に、2026年には3002ドルと、ついに3000ドルの大台に乗る見込みです。物価上昇率は、2023年2.1%(同2.0%)、2024年2.3%(同3.0%)、2025年3.0%と見込んでいます。経常収支の赤字(対GDP比)は、2021年31.0%、2022年19.2%にまで悪化しましたが、2023年は黒字に転換してプラス1.3%となりました。今年以降は赤字となりますが、2024年3.5%、2025年4.1%と問題ないレベルとなると見ています。
世界的な需要減退と金融引き締めの中で、スリランカのように激しい物価上昇、為替変動、外貨危機、対外債務返済不能、政治的混乱等に直面して困難な状況にある国も出てきています。しかし、カンボジアは、途上国の中では物価も安定的、為替レートも安定、対外債務も問題ないレベルであり、マクロ経済運営は様々な外的ショックにうまく対応しているものと見られます。今後も、日本等先進各国や国際機関の協力を得つつ、経済成長と貧困削減に向けた努力を継続することが期待されます。
国際通貨基金(IMF) 世界経済見通し2024年4月版(和文新聞発表)
https://www.imf.org/ja/Publications/WEO/Issues/2024/04/16/world-economic-outlook-april-2024
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中国の成長見通しが弱いことが、カンボジア等の貿易相手国の見通しに影響している中で、カンボジアの今年の成長率予測は若干引き下げられたものの、高い水準を維持すると見ています。成長率予測は、2023年5.0%(同5.6%)、2024年6.0%(同6.1%)、2025年6.1%となっています。更に、2026年以降2029年までの成長率は、5.5%~6.1%と高度成長に復帰すると予測しています。一人当たりGDPは、2011年に1000ドルを突破した後、2024年には2628ドルに達するとしています。更に、2026年には3002ドルと、ついに3000ドルの大台に乗る見込みです。物価上昇率は、2023年2.1%(同2.0%)、2024年2.3%(同3.0%)、2025年3.0%と見込んでいます。経常収支の赤字(対GDP比)は、2021年31.0%、2022年19.2%にまで悪化しましたが、2023年は黒字に転換してプラス1.3%となりました。今年以降は赤字となりますが、2024年3.5%、2025年4.1%と問題ないレベルとなると見ています。
世界的な需要減退と金融引き締めの中で、スリランカのように激しい物価上昇、為替変動、外貨危機、対外債務返済不能、政治的混乱等に直面して困難な状況にある国も出てきています。しかし、カンボジアは、途上国の中では物価も安定的、為替レートも安定、対外債務も問題ないレベルであり、マクロ経済運営は様々な外的ショックにうまく対応しているものと見られます。今後も、日本等先進各国や国際機関の協力を得つつ、経済成長と貧困削減に向けた努力を継続することが期待されます。
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