英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

「羽交い絞め」(中田七段作詰将棋)の解答

2016-03-18 11:14:26 | 詰将棋
「羽交い絞め ……中田七段作詰将棋 『将棋世界』2016年1月号」の解答です。


 初形の、攻め方の1四の香と4二の銀、持駒の桂、玉方の3二の歩で、詰めあがりが見えた方も多いかもしれません。

 初手、まず目に浮かぶ▲3一角成の開き王手は

△1四龍と香を取られて失敗します。

 また▲2二角成の両王手も食指が動きます。

 以下△同玉▲3四桂△2一玉と迫って、一見うまくいきそうにも見えますが


 玉方の1五の龍が強力です。
 以下、▲1一香成△同龍▲2二金△同龍▲同桂成△2二玉で

 この時、持駒が角と飛車では詰みません。(▲3一角に△2一玉や△1一玉で不詰め)
 持駒が角と金、あるいは角と銀なら詰むのですが。

 初手▲2二角成は有力でしたが、▲3四桂に玉を2一に逃げられるとうまくいきません。
 となると、「▲2一角と捨てて埋めておけばいい」という発想に到達します。

 これを△2一同玉は▲3一角成で詰んでしまうので、△2一同金と取ります。


 2一を埋めておいて▲2二角成とすれば、△2二同玉に▲3四桂で、玉が2一に逃げられず、詰みとなります。




詰手順……▲2一角△同金▲2二角成△同玉▲3四桂まで5手詰

kazutoyo0626さん、正解です。
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羽交い絞め ……中田七段作詰将棋 『将棋世界』2016年1月号

2016-03-15 22:39:13 | 詰将棋
『将棋世界』2016年1月号掲載、中田七段詰将棋コーナー(第5問)です。

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「ポンプ」(中田七段作詰将棋)の解答

2016-03-04 18:00:19 | 詰将棋
「ポンプ ……中田七段作詰将棋 『将棋世界』2016年1月号」の解答です。


 初手は▲3六角と捨てる手も詰将棋らしくて指したくなりますが、△同と▲2九銀△2七玉▲3八龍△1六玉▲3六龍△1五玉で詰みません。
 初手は平凡に銀を打つのが正解ですが、1九か2九かは若干迷います。2九に打つのは1九に隙ができるのと、後に2九に龍を回す筋がなくなるマイナスもありますが、本作の場合は3八に利かす方が重要です。


 ▲2九銀に△1九玉と逃げる手は▲3八銀で捕まるので、△2七玉と逃げます。

 ここで▲4九角とする手が、龍と角が最大限に働いて詰むように見えます。


 ところが、3八に合駒を打たれると……

 ▲3八同角なら△3六玉で逃げられますし、▲3八同龍と取っても……
 △1六玉▲3六龍(失敗図)に

 △1五玉で捕まりません。


 第2図では、▲3六龍が巧手です。
 龍を捨てるのはもったいないようですが、△同とに▲4九角で……


 角2枚と銀1枚で頼りなく見えますが、詰んでいます。
 3六の“と金”が邪魔をして3六に逃げられないのがポイントです。

 それにしても、“龍が3筋や2八に強力に利いていること”より“3六に邪魔駒を置かせること”の方が重要とは……
 詰将棋(将棋)の面白さを、しみじみ感じさせる一作でした。


詰手順……▲2九銀△2七玉▲3六龍△同と▲4九角まで5手詰

 攻め駒の動きが、地下水を汲み上げる手動ポンプを思わせます。
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ポンプ ……中田七段作詰将棋 『将棋世界』2016年1月号(図面直しました)

2016-02-23 21:39:13 | 詰将棋
『将棋世界』2016年1月号掲載、中田七段詰将棋コーナー(第3問)です。


 ミーナさん、持駒の間違いのご指摘ありがとうございました。
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「面目ござらぬ(桂馬の詫び)」(中田七段作詰将棋)の解答

2016-02-20 20:56:23 | 詰将棋
「面目ござらぬ ……中田七段作詰将棋 『将棋世界』2015年12月号」の解答です。


 初手▲1八歩は“打ち歩詰の禁”。
 そこで、△1八同桂成とできるように3四の桂馬を2六に呼ぶことが浮かびます。

 しかし、本作の場合、▲2六角と▲2六銀の2手段があります


 角を捨てる方が詰将棋らしいので、角捨てから考えましょう。
 ▲2六角△同桂(第2図)


 これで▲1八歩が可能となりました。


 △1八同桂成に▲5七飛で詰みとなります。


 導入部は“打ち歩詰解消問題”ですが、実質は“逃げ道封鎖問題”です


 さて、初手▲2六銀でも同様に5手目の▲5七飛まで進めて詰みそうですが


 ここで、△3七に合駒をする巧手があって(歩でなくても可)

▲3七同飛(▲3七同角は王手にならない)に、△2六玉で失敗します。



 作品のタイトル「面目ござらん(桂馬の詫び)」は、出題記事でのじゅんいちさんのコメントが“言い得て妙”でしたので、アレンジさせていただきました。


詰手順……▲2六角△同桂▲1八歩△同桂成▲5七飛まで5手詰
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面目ござらぬ(桂馬の詫び) ……中田七段作詰将棋 『将棋世界』2015年12月号

2016-02-13 23:17:08 | 詰将棋
『将棋世界』2015年12月号掲載、中田七段詰将棋コーナー(第5問)です。

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「遮断」(中田七段作詰将棋)の解答

2016-01-30 21:15:43 | 詰将棋
「遮断 ……中田七段作詰将棋 『将棋世界』2015年10月号」の解答です。


 初手、▲2六桂の両王手が見えますが、△2四玉で詰みません。この時、▲3四桂成で詰むのですが、残念ながら反則です(4段目なので成れません)。

 何となく▲1五香と打ってみたくなります(打ちたくなりますよね)。これには△1五同玉の一手。


 ここで▲2六桂は、またしても△2四玉と逃げられ詰みません。
 となると、▲2四角と打って△同龍と取らせて逃げ道を塞いでおきます。


 そうしておいて、▲2六桂と開き王手をすると、

 香筋に角の利きが協力して、合駒が利きません。また、角香の利きが玉の動きを縛って逃げることもできません。
 2六に跳ねた桂は、1四に利いていて詰みに貢献しているようですが、香の利きがあるので桂の利きがなくても詰みます。それよりも、3六にいる守備の飛車の利きを遮断して、合駒を利かなくさせるというのが2六の桂の役目なのです。

 3手目の▲2四角(第3図)に対して、△1四玉(変化図1)と逃げる手には、


▲2五角成で詰みます。この2四の角も守備の龍の利きを遮断しています。



詰手順……▲1五香△同玉▲2四角△同龍▲2六桂まで5手詰

Stanleyさん、九鬼さん、正解です。
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遮断 ……中田七段作詰将棋 『将棋世界』2015年12月号

2016-01-26 23:12:00 | 詰将棋
『将棋世界』2015年12月号掲載、中田七段詰将棋コーナー(第4問)です。

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「施錠」(中田七段作詰将棋)の解答

2016-01-14 20:21:09 | 詰将棋
「施錠 ……中田七段作詰将棋 『将棋世界』2015年10月号」の解答です。



 初手▲3五歩は打ち歩詰なので、その打開で▲2五龍と指したくなります(打開策として▲2五馬△同と▲1四龍も考えられますが、この筋については後述)。

 △2五同との一手で、これにより▲3五歩が可能になりました。


 “打ち歩詰め”の打開で、ほぼ反射的に△3五同とまで進め、≪さて?≫と一旦、読みが止まった方が多いかもしれません。
 短編の“打ち歩詰打開作”は、それが打開できれば、あとはその惰性で詰むことが多いのですが、本作の場合は、若干趣きが違います。

 第3図が提示されれば、▲3三銀成は一目かもしれませんが、初図からだと少々見えにくい、先程、「後述する」と述べた▲2五馬△同と▲1四龍に目移りするかもしれません。
 なぜ、▲3三銀成が見えにくいのかというと、初図の段階では4手目△3五同とが“目的”だったのですが、4手目の△3五同とは詰ますための“手段”になっているのです。
 ところが、“打ち歩詰打開”のため反射的に4手目まで進めてしまうと、3手目、4手目の▲3五歩△同とが“逃げ道封鎖”の手筋(手段)になっていることに気がつきにくいのです。

 第2図を再掲しますね。

 この図からだと、≪▲3三銀成△同歩▲4四金だと、△3五玉と逃げられてしまうので、まず▲3五歩だな≫と瞬時で看破する方は多いと思います。



 そして、5手目▲3三銀成△同歩



 ▲4四金までの詰みです。


 さて、

 初図より、▲2五馬△同と▲1四龍という打ち歩詰の打開も有力ですし、こちらの方が格好良いです。


 ここで、2四に合駒を打つと、例えば△2四歩ですと、▲3五歩と打って、先程と同様に詰みます。
 しかし、合駒を打たず△2四とと引かれると、


 ▲3五歩が、再び“打ち歩詰の禁”になってしまいます。


詰手順……▲2五龍△同と▲3五歩△同と▲3三銀成△同歩▲4四金まで7手詰
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施錠 ……中田七段作詰将棋 『将棋世界』2015年10月号

2016-01-11 19:50:48 | 詰将棋
『将棋世界』2015年10月号掲載、中田七段詰将棋コーナー(第10問)です。

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