英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

バンクーバー五輪雑感② クロスカントリー スプリント

2010-02-19 17:13:01 | スポーツ
 クロスカントリーのスプリントというのは、女子1.4キロ、男子1.6キロメートルを6人(大会によって人数は異なるが、一般的には6人)で競う競技。距離が短いが、起伏に富んだコースで、しかも、数人で先着を争うので、相当激しい競技だ。先着2名が次のラウンドに進めるが、3位以下でタイム上位者も拾われる。
 予選(タイムレース)があり、上位30名が決勝トーナメントに進出するシステム。予選、準々決勝、準決勝、決勝と優勝するには4レースを短いインターバルでこなさなければならないので、瞬発力のほかに、スタミナも必要。


 さて、そんな過酷なレースを戦った全選手に賞賛の言葉を掛けたいが、特に賞賛したい選手が2人いる。

 ひとりは、女子のスロベニアのマジッチ選手。優勝候補の筆頭にも上げられる有力選手だが、予選直前に、とんでもないアクシデントが彼女を襲った。



 急なカーブを曲がり損ね、コースから転落。崖の底、数メートル下まで転落、腰か脇腹を強打した。



 苦痛に顔をゆがめる彼女だが、予選開始は数分後。
 大会本部の配慮で、出走3番目だったが、最終走者の後に滑走することになった(約15分出走を遅らすことができた)。この当たりの対応は、おおらかな冬季五輪らしい。

 予選は19位で、何とか予選通過。しかし、レース直後も倒れこみ、非常に苦しそう。



 準々決勝は滑走することができるか心配。



 準々決勝は夏見円(予選22位)と同組で、1位で勝ち抜く。夏見選手は残念ながら6位で敗退。
 続く準々決勝は4位と苦戦。しかし、3位以下のタイムが2位で、何とか決勝進出。


 (準決勝のレース後も倒れこむマジッチ)

 決勝はノルウェーのビョルゲンとポーランドのコワルチクが抜け出す。必死に追うマジッチ。



 ビョルゲンもコワルチクも優勝候補。10キロフリーでビョルゲンが銅メダル、コワルチクは5位。過去の五輪、世界選手権でもメダルの常連。特に、この日のビョルゲンは絶好調。予選、準々決勝はトップのタイム。準決勝も2組のコワルチクにタイムでは劣ったが、1組を1位で通過している。
 マジッチの前を3位で滑るのは、スウェーデンのオルソン。


 必死の競り合いは、続く。↓



 ついに、オルソンをかわし、



 トップ二人に迫る。



 最後の直線に入り、上位二人には突き放され、



 オルソンに迫られる。



 ゴール直前、最後のスパート。

 

 あと少し。……そして、ゴールイン!銅メダルでした。





 ゴール直後、意識朦朧のマジッチ。



 抱えられ救護室に向かった。




 壮絶でした。

 優勝はビョルゲン。やけに喜ぶなと思ったら、五輪の金メダルは初めてで、確か銀メダルは5つとか。(世界選手権では何個も金メダル)
 おめでとう、ビョルゲン!

(男子のレースは次回)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする