英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

プリンセス駅伝2020 ゴールフィニッシュしたのか危うい九電工

2020-10-18 19:21:27 | スポーツ
プリンセス駅伝……クイーンズ駅伝(全日本実業団対抗女子駅伝)の予選(上位14チームが11月22日クイーンズ駅伝に出場)。前年のクイーンズ駅伝の上位8チームはシード(予選免除)。
一昔前は、東日本実業団女子駅伝、淡路島女子駅伝、九州実業団対抗女子駅伝が全日本実業団対抗女子駅伝競走大会の予選を兼ねて行われていた

 このプリンセス駅伝、アクシデントが頻発する。
 本社の支援を受けて、選手層も練習環境も手厚いチーム。同好会的な色合いが強く、“いっぱいいっぱい”状況のチーム。
 チーム状況は様々だが、どのチームも本戦(クイーンズ駅伝)に出場しなければ、チームや個人の存在価値が揺らいでしまう(大手企業チームも同様)。


 とにかく、プリンセス駅伝の重要度は非常に高い。
 本戦出場するため、極限までチーム力を高めて臨む。チーム力と言っても、個人の走力を上げるしかないのだが、相当、無理がかかっている選手も多いと考えられる。故障や体調不良を押して出場する選手もいるのではないだろうか?
 そんな極限状況の中でのレースなので、アクシデントが発生してしまうのだろう(体調不良でなくても限界を超えて走ってしまう)。

 本戦出場へのゴール目前で、意識が朦朧としてコースアウトや動けない状況に陥ってしまったシーンがあった。最終区でなくても、襷が渡らないシーンが幾度もあった。
 選手側の状態不良でなくても、運営側やチーム補佐の不備でチームの到達状況がうまく伝達されず、タスキ渡しの大きなタイムロスというシーンも多い。女子駅伝という限定を外すと、誘導ミスや選手の勘違いによるコース間違いも時折観られる。


 さて、今年の駅伝もアクシデントがあった。
 1区であと60m付近で京セラの選手が道路に伏して動けなくなり棄権。最終区で14位争い(出場権争い)をしていたニトリのアンカーが意識朦朧の走りとなり、ふらつきながらゴール、チームは16位。あと10mゴールが先だったら、昏倒していただろう。


 ところで、非常に気になったことがある
 九電工が4位でフィニッシュしたのだが、これが非常に微妙。
 アンカーの選手はフィニッシュポーズを決めてゴールしたつもりで、ほぼ真横に歩いて歩道の芝生に倒れ込もうとした。
 実は、フィニッシュポーズを取った地点は、まだ、ゴールラインの10mほど手前。
 実況も疑問に思い「ゴールしたのか……まだしていない!?」と。
 カメラもそのアンカーを追うが、5位を走っていた資生堂のアンカーがフィニッシュ直前となり、資生堂のアンカーをズーム。
 資生堂のフィニッシュ直後に、歩道の芝生で介抱されている九電工のアンカーが映し出された。

 映像だけ見ると、九電工はフィニッシュしなかったように思われた。
 しかし、録画映像で確認すると資生堂がフィニッシュする直前に、ゴール画面の右隅のフィニッシュチーム名に京セラの“トップチームとのタイム差”が表示された。これは、資生堂より先にフィニッシュしたことを示している。(その前後に実況も「九電工はフィニッシュしたという情報が入ってきました」と)
 九電工のタイムをチェックすると、カメラが九電工から資生堂に切り替わってから約10秒後(資生堂のゴールタイムの8秒前)だった。


 どういうことか?
 《カメラが切り替わった後、係員、あるいは、チーム関係者から「ゴールはもう少し先」という指摘を受けて、ゴール方向に歩き、フィニッシュラインを超えた時に、計測チップが計測機に通過のシグナルを送り、ゴールタイムが計測された》と推測できる。
 ただし、もしかしたら、《横たわるだけのスペースがある芝生がゴールラインを超えた地点にしかなくて、チームメイトなどの肩を借りてそこまで進んで、横になった》という疑惑も残る。

 実のところはどうなのだろうか?………


 さて、私が問題に感じたのは、フィニッシュラインが非常に分かりにくかったこと。
 フィニッシュのゲートや計時タイマーがフィニッシュラインより手前にあり、フィニッシュラインもチップを検知するセンサーの線(ガムテープのようなもので保護されている)だけだった。
 ゴールテープも係員もいない(優勝チームのフィニッシュ時だけテープがあった)。
 非常に分かりにくいフィニッシュラインだったのだ。

 今回特に、コロナ対策もあり、運営サイドは非常に大変だったと思うが、もう少し、考えてほしかった。


 それと、これは毎度のことであるが、解説に増田明美氏を起用しないでほしい。
 確かに、氏の情報量には恐れ入るし、即座にその情報を述べる能力も凄い。
 しかし、一番大切なのは、レースの解説である。趣味や家族の情報は要らない。

 氏の解説の今回の最大の失策
 ニトリのアンカーはフラフラになりながら辛うじてゴールラインを超え、その直後、備えていた救護班が飛び出してアンカーを抱きかかえたのだが、そのシーンを見て、氏は
「ああ、ちょっと、《危ない》ってことで、ここはもう、ルールとして……もしこれが、後ろに倒れてしまったら、脳震盪を起こしちゃいますから、それはもう、止めましたね」と。

 そのフィニッシュシーンで、実況アナウンサーが
「残り1kmまで14位圏内にいましたが、執念のフィニッシュをむかえます」
と声を張り上げていた。増田氏の言葉はその直後。
 アナウンサーは増田氏の言葉に困惑しながら「ええ」と仕方なく相槌し、増田氏の言葉が終わるのを待って
「ニトリが今、16位でフィニッシュをしました。よく頑張りました」と必死のリカバリー。

 この少し前も、ニトリのアンカーが異常を起こしていた走りに全く気づかず、14位争いから離されていたホクレンの宮内選手を褒めたたえていたのも、氏の解説のまずさを強く感じた点である。(最後まであきらめなかった宮内選手は称賛に値するが)
 他にも、宮崎銀行の佐伯監督を、「さはく監督」と読み間違えるし…


 レースの感想としては、1区の積水・佐藤早也伽選手、3区の新谷選手、2区の区間3位までの選手の走りは素晴らしかった。特に新谷選手は異次元の速さだった。ゴール後も余力があるように感じた。
 優勝した積水化学はクイーンズ駅伝が楽しみだ。
 2位のヤマダホールディングスも相当地力がある。
 3位の大塚製薬は大健闘・
 5位の資生堂は、メンバーがあと1.5人(1人半)足りない。 
コメント
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