英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

マスク不着用で反則負け ~2022年度 A級順位戦 永瀬王座ー佐藤天九段~

2022-10-29 15:16:28 | 将棋
昨日(10月28日)のA級順位戦・永瀬王座ー佐藤天九段において、マスク不着用で佐藤天九段が反則負けとなった。
詳細は、以下の引用で(長い引用ですが、詳細が書かれていた方が良いと思いました)

《YAHOO ニュース 「佐藤天彦九段、マスク不着用で反則負け 将棋名人戦・A級順位戦」 より引用 青字部分》
 東京・千駄ケ谷の将棋会館で28日に指された第81期名人戦A級順位戦で、佐藤天彦九段(34)が一定時間マスクを付けずに対局し、反則負けになった。マスクの着用違反で棋士が反則負けになるのは初めて。

【マスク着用について書かれている「臨時対局規定」を見る】

 新型コロナウイルス対策として日本将棋連盟が2022年1月に制定した「臨時対局規定」では、健康上やむを得ない場合以外、「対局中は、一時的な場合を除き、マスクを着用しなければならない」とし、違反した場合は立会人の判定により反則負けとすると定めている。

 対局は午前10時に開始。終盤を迎えた午後11時ごろ、佐藤九段は112手目を指した後にマスクを片耳に掛けて考え始め、マスクを外して対局を続けた。30分ほどたったところで、対局相手の永瀬拓矢王座(30)が「反則負けではないか」と指摘。会館内に立会人がいなかったため、連絡を受けた同連盟の鈴木大介常務理事が急きょ駆け付け、佐藤康光会長らと協議した結果、反則負けが決まった。

 鈴木常務理事から反則負けを告げられた佐藤九段は「以前は、マスク着用の注意を受けていたケースもあった。今回は注意も受けていない」と反論したが、判定は覆らなかった。規定には判定に不服の場合は「1週間以内に、常務会に提訴することができる」とあり、佐藤九段は提訴することも検討する意思を示した。【丸山進】


 私も、昨夜「名人戦棋譜速報」で観戦していたが、反則負けの裁定が下された局面まで観ていた。
 ただし、指された直後まで。その局面では、まだ決着が付くのは先になりそうだったので、床に就いた。
 今朝、結果を見て、驚いた次第だ。

 YouTubeチャンネル「囲碁将棋TV -朝日新聞社-」にて、18時30分から動画配信されていたが、それは観ていなかった。
 今朝の時点で、その動画を観ることができたので、永瀬王座のマスク不着用の問題指摘前後の様子を観ると、113手目を永瀬王座が考慮中、動画配信開始後4時間19分39秒に、盤面を凝視して考慮していた佐藤九段(当然、相手の手番の時も考える)が、右手で右耳にかけてあったマスク紐を外し、左耳だけ紐が掛かってマスクが垂れ下がった状態になった。(夕食休憩後の対局再開が午後6時40分なので、午後11時直前の出来事と推定)
 動作のはずみで外れたのではなく、意図的に紐を外したという動作だった。ただし、考慮に熱中するあまり、マスクによる息苦しさが考慮の妨げになって、半無意識で外したように思える。
 しかし、マスク片耳状態でブランブラン垂れ下がっている状態が、考慮の邪魔と感じたのか、その約2分後、左手でマスクを外し脇に置いてしまった。(午後11時2分ごろ)

 その状態(マスクを外した状態)で、指し続けられた……

マスク片耳状態からの経過は…
 午後11時00分ごろ佐藤九段のマスクが片耳状態
 午後11時02分ごろ佐藤九段、マスクを外す

 午後11時09分ごろ、114手目を佐藤九段が着手(残り10分、永瀬王座は残り56分)
 午後11時12分過ぎ、115手目を考慮中の永瀬王座が退席
 午後11時14分ごろ、永瀬王座が対局室に戻ってくる
 午後11時17分過ぎ、永瀬王座が退席
 午後11時20分過ぎ、永瀬王座が対局室に戻ってくる
 午後11時24分ごろ、永瀬王座が退席
 午後11時25分ごろ、永瀬王座が対局室に戻ってくる
 午後11時31分過ぎ、永瀬王座が退席
 午後11時33分過ぎ、永瀬王座が対局室に戻ってくる

 午後11時36分ごろ、永瀬王座が退席
 午後11時40分ごろ、永瀬王座が対局室に戻ってくる
 午後11時45分ごろ、永瀬王座が115手目を着手(残り20分)
 午後11時48分過ぎ、永瀬王座が退席
 午後11時50分ごろ、永瀬王座が対局室に戻ってくる
 午後11時52分ごろ、佐藤九段が116手目を着手(残り04分)
 15秒後に     永瀬王座が117手目を着手(残り20分)
 午後11時54分ごろ、佐藤九段が118手目を着手(残り03分)
 午後11時59分ごろ、永瀬王座が119手目を着手(残り16分)
 午前00時00分直前、佐藤九段が120手目を着手(残り03分)
 40秒後に     永瀬王座が121手目を着手(残り16分)
 午前00時01分ごろ、佐藤九段が122手目を着手(残り03分)
 ほぼノータイムで、永瀬王座が123手目を着手(残り16分)
 午前00時03分ごろ、佐藤九段が124手目を着手(残り03分)
 その10秒後、理事の常務理事の鈴木九段が入室、対局を中断し、両棋士と別室へ


 午前00時12分ごろ、佐藤九段が入室、着座。しばらく、盤面を凝視。
 その後、私物を鞄にしまいながらも、時々手を止め、うつむき気味で盤面を凝視。顔がやや紅潮しているように見えた。
 およそ3分後の00時15分ごろ、退室。
 佐藤退室後の約2分後の00時17分過ぎ、永瀬が入室。手早く帰り支度を整えて、退室(00時18分過ぎ)

 
11時12分過ぎの退席時は、エネルギードリンク?を飲みながら盤面を凝視して読みに没頭しており、そこから、フイっと立ち上がり退席していた。この時は読みに集中しているように感じる。
11時24分ごろの退席は、何か不自然さを感じる。
11時40分ごろの入室、着座はやや足早だった(残り時間が切迫していたことも関係?)



 永瀬王座の退席(退室)が多いのは、スポーツドリンクをよく飲むせいかもしれないが、引用記事によると、「会館内に立会人がいなかったため、連絡を受けた同連盟の鈴木大介常務理事が急きょ駆け付け」とあるので、立会人を探していたのかもしれない。(引用記事によると、マスクを外してから約30分後に永瀬王座の申し立てがあったという。時刻は午後11時30分過ぎ。時系列では青色部分が該当か)

 それはともかく、マスクを外したまま中断までおよそ1時間、マスクを外して対局していた佐藤天九段も問題ありだが、注意・警告なしにいきなり反則負けにするのも、おかしい。大問題だ。
 あと、これは対局規定云々ではなく、社会人・一般人として、対局相手が「マスクしてよね」と言えばいいだろう。それで、マスクをしてくれない時、理事や事務局に訴えればいい。


 それと、記事によると、「会館内に立会人がいなかったため」とあるが、これはどういうことなのか?
①依頼されていた“対局立会人”が、病気や所用で来られなかった
②一時は「対局立会人制度」が行われていたが、現在は停止していた

①の場合は、代理を立てないとダメだし、②の場合も問題だ。

さて、「対局立会人」とは?(タイトル戦で、開始宣言や対局一般の裁定を取り仕切る棋士とは別に、通常、会館で行われる対局で生じる問題などの処理を行う役)
【詳しくは、田丸九段の『と金横歩き』に記されていたので、引用】
・対局開始時刻に対局者が揃っていることをまず確認。対局者が遅刻した場合、その棋士から後で理由を聞き、将棋連盟に提出する報告書に記載します。
・対局中の仕事の内容は、たまに対局室に入って様子を見る、対局の「モバイル中継」を行っている会館の別室に顔を出してコメントを述べる、などです。それ以外は主に4階の対局者控室で待機しています。原則として昼食をとるほかは外出できません。
・対局立合人の最も大事な役目は、対局中に何か問題やトラブルが生じたら、臨機応変に適切に対処することです。とくに夜間は会館に理事や職員がいないので、立合人の判断と措置が重要になってきます。
・主に40代以上の現役棋士と引退棋士が依頼されます。「ひふみん」こと加藤一二三九段が務めたこともあります。報酬は対局の持ち時間によって違います。5時間以上(竜王戦、順位戦など)だと、4時間未満(王位戦、王将戦など)より増額されます。最終対局の終了時刻が午後11時を過ぎた場合、1万円の「深夜手当」が加算されます。なお、持ち時間が短くて対局が早く終わったり、局数が少ない日は、対局立合人は付きません。
・対局立合人は、すべての対局が終わるのを見届けるまで帰れません。持ち時間・6時間の順位戦の対局日や千日手・持将棋が生じると、帰宅は真夜中になります。
コメント (6)
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