英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

VIVANT(第4話まで)……アンフェアな脚本

2023-08-08 21:19:24 | ドラマ・映画
 豪華キャストということで、視聴し始めた『VIVANT』。
 もしかしたら、肩透かしを食らうかもと思ったが、かなり面白く、次回が楽しみと思わせる内容だった。
 視聴率は初回より11.5%、11.9%、13.8%(世帯/関東、ビデオリサーチ)と右肩上がり。あれだけのキャストと製作費を考えると、物足りない数字だが、現在の視聴傾向(録画や見逃し配信)や趣味の多様性(特にインターネットに時間を割く人が増えた)を考慮すると、仕方がないのかもしれない。
 それよりも、右肩上がりで推移しているのは、このドラマの面白さを示しているのではないだろうか?

 しかし!、第4話終盤、ある重大な事実が明かされ、かなり萎えてしまった……
 ここからネタバレ(まあ、大方の人は、既にご存じだと思います)


 乃木(堺雅人)が別班のメンバーだった!
 乃木の…あの……あたふた、おろおろは、一体何だったのか?
 二重人格(多重人格)のなせる業?
 乃木の場合、裏の人格と意思の疎通ができる点、お互いが記憶を共有している点、意識的に人格交代ができる点など、通常?の二重人格とは異なってはいるが……

 
 しかし、別班メンバーだったとしても、警視庁公安部・野崎(阿部寛)の助けやドラムの補助がないと、バルカ共和国での大爆発で命を落としていただろうし、日本へも帰国も到底叶わなかっただろう。
 そもそも、別班メンバーなら、不正送金の犯人に仕立て上げられたり、タクシードライバーに騙され砂漠に取り残されたりなどしないだろう。
 乃木の“素”が《ただの人の好い商社マン》で、乃木の意思に反して、別班に入り、隠密活動行っている(乃木も容認)。それでも、裏の人格が乃木と共有部分が多いようなので、おめおめと騙され、嵌められてしまうのは、おかしい。
 細かいことを言えば、アル・ザイールが残した言葉「ヴィヴァン」の正体の推理シーンでは、乃木は「別班」のことなど、全くの初耳の様子。だとすると、乃木も相当な役者だ。


 『乃木が別班のメンバーだった》というのは驚愕の事実だが、第4話までの乃木の“あたふた”ぶりを見させられての”どんでん返し”は、アンフェアな脚本過ぎる。
 ドラマ『アンフェア』(2006年、関西テレビと共同テレビの企画・制作)での、後出しジャンケンの何でもあり……“もう皆が、真犯人(黒幕)に見えてしまう”状態を思い出してしまった。
 こうなると、ドラムが黒幕だってあり得るし、下手をすると医師・柚木(二階堂ふみ)だって、裏で糸を引いてる……なんてことも頭をよぎってしまう。
 『合理的にあり得ない〜探偵・上水流涼子の解明〜』でのディープフェイク的映像に近い反則脚本だ。

………とは言え、非常に面白いので、当然、視聴継続!

【細かな疑問や感想】
①山本エネルギー事業部1課課長は友人の乃木の為に、サーバールーム侵入まで手伝う……さすが” 蒲殿” と思ったが……ちがった(笑)。
 でも、この手助け、自分の首を絞めているよね。あの時、乃木に協力しなければ、財務部・太田梨歩の正体を暴けず、乃木はアウトになっていたはず。(それほど危険を伴わないのなら、協力している振りと理解できるが……)
 正体がバレてからの山本は、けっこうヘナチョコだった
②太田梨歩の行動も意味不明。警視庁サイバー犯罪対策課の東条(濱田岳)が崇めるほどの伝説のハッカーであるのに、山本の言うがままに不正送金に加担。さらに、専務・長野(小日向文世)や宇佐美や原にも接近(不正送金の細工の為かも)
③専務・長野はまだ裏があるような気がする
④バルカ警察のチンギスは割と好き。また出てこないかな?最後に助けてくれるような気がする                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                     
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らんまん 第18週「ヒメスミレ」……悲しすぎる

2023-08-08 13:43:36 | ドラマ・映画
(暑さに敗れて、記事更新をさぼってしまい、あれこれ書きたい記事が脳内で浮遊しています)

らんまん 第18週「ヒメスミレ」は悲しすぎる展開
悲しさ1――田邊教授の暴虐(万太郎の書いたムジナモの論文に、自分の名がなかったことに激怒、万太郎に大学への出入りを禁じる他、いろいろ嫌がらせを…)
 確かに、田邊教授の助言は「ムジナモ論文」の大きな手助けとなったが、“共著”で名を連ねるなんて図々しいだろう。せめて、“協力”ぐらいだ。
・大学への出入り禁止
・万太郎が採取・作成した標本を大学に寄贈させる(取り上げる)
・万太郎が利用している書物・書籍・標本の返還
・万太郎の夢『植物大図鑑』を自分が手掛けると宣言

 《身分がない万太郎に、大学の資料・資材を使わせてやったのだから、当然の処置》だというが、万太郎の大学や田邊教授への貢献は、遥かにそれ(田邊の主張するモノ)を上回る
 特に、名誉欲だけで、植物学への愛などない田邊が、万太郎の夢の植物図鑑を取り上げるのは、大いなる嫌がらせとしか思えない。万太郎への嫉妬心による暴虐……本当に、“ちっちぇ~男”(小さい男)である


悲しさ2――峰屋で腐造(火落ち)が発生
 「腐造」……仕込み中の酒に火落菌(特殊な乳酸菌の一種)が繁殖(=火落ち)、大幅に品質が損なわれること。
 腐造した酒は廃棄。しかし、造石税や酒税を納めなければならず、峰屋は廃業に追い込まれた。

  造石税……酒造りが終わった時点で酒造業者に課される税。 酒造業者は酒の売上に関わらず一定の金額を納めなければならない。
 腐造を起こしたことによる信用の失墜も大きいだろう。

 腐造が発生し、峰屋の廃業が見えた綾だが、杜氏の親方・寅松を責めず、心身を案じ、「馬鹿な事(命を絶つ)は、するなと」釘をさす。……なんて気丈な。
 峰屋の惨状に、分家たちは、綾たちの業績を認める言葉を述べ、励ます……ちょっと報われた。分家のバカ息子も、けっこういい奴だった。


悲しさ3――園子の夭折
 裸足でよちよち歩く姿、空にかざす小さな手……幻想的な映像
 空が青く…。ヒメスミレが咲く季節に………


 はしかに罹患……わずか三日で園子は天国に旅立ってしまった。(“わずか三日”と書いたが、高熱で三日間は辛かったろうに)
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