【第5話 ストーリー】(番組サイトより)
今やAIは、驚くべき学習速度で人間をあっという間に追い抜くことが珍しくない。伝統工芸の技を記録するため、山の鍛冶屋に弟子入りしたロボット・覚える君と、人とのコミュニケーションを学ぶために小学校に入学したロボット・パーマ君。彼らの目覚ましい成長が、人の心にもたらすものとは。
タイトルは「ロボット」だが、上記のストーリーで記されている《彼らの目覚ましい成長が、人の心にもたらすものとは》というように、ロボットと正対した(真正面から向かい合った)人間の成長とも見られるストーリーだった。
「第3話」で、《“産業ロボット”に心(感情)はあるのか?》を考察したが、今回のロボットの“覚える君”と”パーマ君”にも感情があるように感じた。
1.“覚える君”と名工――
“覚える君”……伝統工芸の技を記録するために鍛冶職人に弟子入りした。
刃物を製造するための産業ロボットではなく、名工の技術を記録するためのロボット。
鍛冶職人自身も”時代遅れの仕事”と言っていたが、最新テクノロジーで名工の作るモノに匹敵する製品を大量生産でき、ロボットが一本一本作るのは生産性が低いのだろう。
”記録用ロボット”なのだが、けっこう個性的。真面目だが自信家で強情。
「そのような若者(挫けて去っていった弟子志願者)と私は別物です。
手仕事を覚えるという点では、どんな人間よりうまくやる自信があります」
この個性が、この“覚える君”だけのモノなのか、”覚える君シリーズ”の個性なのかは不明。(開発者の態度だと後者のような気がする)
そういう個性であるが、非常に有能で、技術を会得し1週間で名工が作る刃物を再現してしまった。
“再現”どころか“名工を上回る出来で、名工はショックを受ける。
鍛冶職人・桐山……表彰を受けるほどの技術、腕前だが、“時代遅れの技術・仕事”だと“たそがれる”面もあった。
「(親父が作るモノより、大量生産品の方がよほどいい仕事に見えた」
「職人が機械に勝つ時代もあったが、昔の話よ」
「俺もだいぶ腕を磨いた。親父より良いもんを作っている。まあ、でも後生大事に受け継ぐようなもんじゃあないよな。
使う人間なんていないんだからよ」(大量生産品に負けたというより、鎌や鉈などを使うことがなくなったのだろう)
《“覚える君”がたった1週間で自分を超えてしまった》ことにショックを受けるが、“覚える君”のおかげで《(自分の技の到達点を勝手に決めていたが)もっと良いものが作れることに気がつき、修練に励み始めた。(覚える君の開発者は、これまで何人もの職人を見てきており、桐山が立ち直ることを見越していた)
修練に励む桐山を見て、開発者は
「我々はどのように記録すればいいのでしょう?……輝くこの汗を、この熱を!」
【味のある名工・桐山】
「ベースのAIは“富士山”という日本製のモノですが、私固有の名前としては、“覚える君”と呼ばれています」
「はあ? 先生さあ、もっと真面目に付けてやれよ!」
「鍛接は鍛冶屋の命だわなあ。よおく、色を見ておけ」
「何も教えないのではなかったのですか?」(“何も教えないからね。せいぜい、観て盗むんだねぇ”と言っていた)
「おらぁ、気まぐれなんでね。ロボットのおまえさんが、どんなモン作るのか、ちょっと楽しみでねえ」
2.“パーマ君”と少年・笹やん――
パーマ君……人間と生活することで、人間を学習し、経験を積むことが目的。
いかにもロボット(人間ではないと一目でわかる容姿)だが、子どもの姿で愛らしい。
――パーマ君は、簡単なことができなかったり、すごいことが出来たりする
・計算は瞬時にできるが、計算式を書くことはできなかった
・大縄跳びは変な格好で跳ぶ(楽しかった)
・カッターナイフを使いすごいスピードで切り絵を作製
・牛乳を飲んで、ぶふぁ~と吹き出す
・ゲームをしたくて、雑巾がけを早く終わらせようとして、壁に激突し、目を回して星が出る
――パーマ君の進化
パーマ君は大勢いて、ネットで繋がっていて、経験を共有するのでどんどん成長する
――パーマ君の変化
切り絵をしなくなった……カッターが怖い。切られると怪我をする。(ほかの学校で虐められた経験をした)
そんなパーマ君を励まそうと、大縄跳びに誘う……パーマ君は、一生、失敗しそうにない(2514、2515、2516回……)
《でも、こんなに喜んでいるんだから、ぼく…頑張るぅ!》
……ザシッ…「ああ、しまった!踏んでしまいました。皆さん、ありがとうございます。とても楽しかった」
……パーマ君は、気を使って、わざと踏んだ……みんなは、何となくわかった
夏休みが終わったとき、パーマ君はすっかり別人だった。
「今日は、みんなと遊ばないの?」
「ここからの眺め(教室からの校庭の眺め)、とても好きでしてね。今日はじっくり観たかったのです」
「先生から聞いたよ。もうすぐ、いなくなっちゃうの?」
「お別れは残念ですが、あと一か月はご一緒出来ますよ」
「パーマ君、変わったよね、この半年で」
「笹やんさんは、憶えていますか?夏休みに入るちょっと前のことです。
私の縄跳びに、延々とつき合ってくれましたね。私の経験したすべての半年の中で、一番、素敵な時間でした。
私のことを本気で友達にしてくれて、ありがとうございました」
「ぼくら、ずっと友達だよね」
「もちろんですとも、もちろんです」
今回のロボットも心があるよね。(特にパーマ君)
【面積問題】三つの正方形の面積の合計を求めよ
一番小さい正方形の1辺の長さをXcmとして、Ⅹ+Ⅹ+3+Ⅹ+3-2=13と方程式を立て、Ⅹ=3
3×3+6×6+4×4=61 答 61㎠
とパーマ君は解いたが、小学生に求めた本来の解き方が分からない……
参照:「第1話・第2話」、「第3話」、「訂正1・第3話について」、「第4話」、「訂正2・タイトルについて」、「第5話」、「第6話」、「第7話」、「第8話」、「第9話」、「第10話」、「第10話・追記」、「第11話」、「第12話(最終話)」
今やAIは、驚くべき学習速度で人間をあっという間に追い抜くことが珍しくない。伝統工芸の技を記録するため、山の鍛冶屋に弟子入りしたロボット・覚える君と、人とのコミュニケーションを学ぶために小学校に入学したロボット・パーマ君。彼らの目覚ましい成長が、人の心にもたらすものとは。
タイトルは「ロボット」だが、上記のストーリーで記されている《彼らの目覚ましい成長が、人の心にもたらすものとは》というように、ロボットと正対した(真正面から向かい合った)人間の成長とも見られるストーリーだった。
「第3話」で、《“産業ロボット”に心(感情)はあるのか?》を考察したが、今回のロボットの“覚える君”と”パーマ君”にも感情があるように感じた。
1.“覚える君”と名工――
“覚える君”……伝統工芸の技を記録するために鍛冶職人に弟子入りした。
刃物を製造するための産業ロボットではなく、名工の技術を記録するためのロボット。
鍛冶職人自身も”時代遅れの仕事”と言っていたが、最新テクノロジーで名工の作るモノに匹敵する製品を大量生産でき、ロボットが一本一本作るのは生産性が低いのだろう。
”記録用ロボット”なのだが、けっこう個性的。真面目だが自信家で強情。
「そのような若者(挫けて去っていった弟子志願者)と私は別物です。
手仕事を覚えるという点では、どんな人間よりうまくやる自信があります」
この個性が、この“覚える君”だけのモノなのか、”覚える君シリーズ”の個性なのかは不明。(開発者の態度だと後者のような気がする)
そういう個性であるが、非常に有能で、技術を会得し1週間で名工が作る刃物を再現してしまった。
“再現”どころか“名工を上回る出来で、名工はショックを受ける。
鍛冶職人・桐山……表彰を受けるほどの技術、腕前だが、“時代遅れの技術・仕事”だと“たそがれる”面もあった。
「(親父が作るモノより、大量生産品の方がよほどいい仕事に見えた」
「職人が機械に勝つ時代もあったが、昔の話よ」
「俺もだいぶ腕を磨いた。親父より良いもんを作っている。まあ、でも後生大事に受け継ぐようなもんじゃあないよな。
使う人間なんていないんだからよ」(大量生産品に負けたというより、鎌や鉈などを使うことがなくなったのだろう)
《“覚える君”がたった1週間で自分を超えてしまった》ことにショックを受けるが、“覚える君”のおかげで《(自分の技の到達点を勝手に決めていたが)もっと良いものが作れることに気がつき、修練に励み始めた。(覚える君の開発者は、これまで何人もの職人を見てきており、桐山が立ち直ることを見越していた)
修練に励む桐山を見て、開発者は
「我々はどのように記録すればいいのでしょう?……輝くこの汗を、この熱を!」
【味のある名工・桐山】
「ベースのAIは“富士山”という日本製のモノですが、私固有の名前としては、“覚える君”と呼ばれています」
「はあ? 先生さあ、もっと真面目に付けてやれよ!」
「鍛接は鍛冶屋の命だわなあ。よおく、色を見ておけ」
「何も教えないのではなかったのですか?」(“何も教えないからね。せいぜい、観て盗むんだねぇ”と言っていた)
「おらぁ、気まぐれなんでね。ロボットのおまえさんが、どんなモン作るのか、ちょっと楽しみでねえ」
2.“パーマ君”と少年・笹やん――
パーマ君……人間と生活することで、人間を学習し、経験を積むことが目的。
いかにもロボット(人間ではないと一目でわかる容姿)だが、子どもの姿で愛らしい。
――パーマ君は、簡単なことができなかったり、すごいことが出来たりする
・計算は瞬時にできるが、計算式を書くことはできなかった
・大縄跳びは変な格好で跳ぶ(楽しかった)
・カッターナイフを使いすごいスピードで切り絵を作製
・牛乳を飲んで、ぶふぁ~と吹き出す
・ゲームをしたくて、雑巾がけを早く終わらせようとして、壁に激突し、目を回して星が出る
――パーマ君の進化
パーマ君は大勢いて、ネットで繋がっていて、経験を共有するのでどんどん成長する
――パーマ君の変化
切り絵をしなくなった……カッターが怖い。切られると怪我をする。(ほかの学校で虐められた経験をした)
そんなパーマ君を励まそうと、大縄跳びに誘う……パーマ君は、一生、失敗しそうにない(2514、2515、2516回……)
《でも、こんなに喜んでいるんだから、ぼく…頑張るぅ!》
……ザシッ…「ああ、しまった!踏んでしまいました。皆さん、ありがとうございます。とても楽しかった」
……パーマ君は、気を使って、わざと踏んだ……みんなは、何となくわかった
夏休みが終わったとき、パーマ君はすっかり別人だった。
「今日は、みんなと遊ばないの?」
「ここからの眺め(教室からの校庭の眺め)、とても好きでしてね。今日はじっくり観たかったのです」
「先生から聞いたよ。もうすぐ、いなくなっちゃうの?」
「お別れは残念ですが、あと一か月はご一緒出来ますよ」
「パーマ君、変わったよね、この半年で」
「笹やんさんは、憶えていますか?夏休みに入るちょっと前のことです。
私の縄跳びに、延々とつき合ってくれましたね。私の経験したすべての半年の中で、一番、素敵な時間でした。
私のことを本気で友達にしてくれて、ありがとうございました」
「ぼくら、ずっと友達だよね」
「もちろんですとも、もちろんです」
今回のロボットも心があるよね。(特にパーマ君)
【面積問題】三つの正方形の面積の合計を求めよ
一番小さい正方形の1辺の長さをXcmとして、Ⅹ+Ⅹ+3+Ⅹ+3-2=13と方程式を立て、Ⅹ=3
3×3+6×6+4×4=61 答 61㎠
とパーマ君は解いたが、小学生に求めた本来の解き方が分からない……
参照:「第1話・第2話」、「第3話」、「訂正1・第3話について」、「第4話」、「訂正2・タイトルについて」、「第5話」、「第6話」、「第7話」、「第8話」、「第9話」、「第10話」、「第10話・追記」、「第11話」、「第12話(最終話)」