英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

岸田総理の答弁・施策は政治改革ではなく、《自分が如何に窮地を切り抜けるか》だけ

2024-01-31 16:04:39 | 時事
【NHK “NEWS WEB”(2024年1月29日 16時34分記事、20時25分記事) “ニュース7”(1月29日)より、引用(抜粋)】

(ニュース冒頭の)岸田総理大臣の言
「国民の信頼を損ねる大変深刻な事態を招いていることについて自民党総裁として心よりおわびを申し上げる。
 先週、党が決定した「政治刷新本部」の中間とりまとめを受けて「政治資金の透明性やコンプライアンスの徹底など運用面での改革を先行して進めつつ、制度面での改革は各党・各会派との真摯(しんし)な協議を経て、政治資金規正法改正など必要な法整備を進めていく。私自身が先頭に立って必ず実行していく」
……“国民の信頼を損ねる大変深刻な事態を招いていること”(“疑惑を招く”なども)という言い回しって、不正や過ちは認めていない(不正はしていない)と言っている。
 “私自身が先頭に立って”という表現も好きなようだ。あなたが先頭に立っていて動かないから、何も進まないんじゃないの?



《政治の責任》《実態解明》について
立憲民主党・熊谷裕人氏
 「(事件の実態解明をめぐり)議員に説明責任を果たさせると言っているが、いつまでに聴き取りを進めようとしているのか。実態解明は期限を切っていつまでにやるつもりでいるのか」
岸田総理
「検察の捜査を受けて政治資金収支報告書の修正がこれからも続いていくが、政治的な責任についても党としてしっかりと実態把握に努めていく。収支報告書の訂正の作業なども見ながら、党としてできるだけ早い時期に対応を判断していきたい」
……“政治資金収支報告書の修正をすればいい”と考えているようだ。
 “収支報告書の訂正の作業なども見ながら”……辻褄があっているか?ボロが出ないか?を確認しながらということなのだろうか?
 “対応を判断していきたい”……何をするのか全く不明。実態解明をする気もないし、期限についても答えていない。


自民党の磯崎官房副長官
「派閥の一部の幹部が還付金の還付を行い、収支報告書の記入をしない仕組み。“決めたものの責任を問われるべき”と言う声もある。政治責任についてどうお考えなのか」
岸田総理
「(検察による)法的な判断は大変重たいものがあるが、それに加えて政治の立場から考えた時に、それぞれの説明責任をしっかり果たしていかなければならない。政治責任についても党としてどう考えるべきなのか、対応を考える」
……“政治の立場から”に視点・論点を切り替えようとしている
 自民党の磯崎議員は問い詰めているように見えるが、”政治責任について”という言葉を出して、論点をぼやかしやすいようにしている。
 《収支報告書の記入をしない仕組み。決めたものの責任を問われるべき》が、収支報告書問題の肝要な部分で、これについてもっと追及し、説明してほしい
別記事で言及したい)

立憲民主党・階猛氏
「政治資金の本来の趣旨とは真逆の方向に裏金が利用されているおそれがある。このことをしっかり自覚し、実態解明を早急に行う必要がある。いつまでにやるのか」と追及しました。
岸田総理
「関係者から聴き取りを行うことなどを通じて党として実態を把握し、政治的な責任について考えたい。党の役員には聴き取りの枠組みの作成を指示した。早急に始めたい」
……“実態を把握し、政治的な責任について考えたい”……考えるだけなのか?
  ”聴き取りの枠組みの作成を指示した。早急に始めたい”……まだ、聴き取りの枠組みを指示したところって、やる気は全くなし!


共産党・塩川鉄也氏「(事件の実態解明をめぐり)問題は安倍派や二階派だけに限られない。過去にさかのぼってどうなっていたかも含め、自民党所属議員全員の調査を行うべきだ」
岸田総理
「範囲を限定することなく必要な聴き取りを行っていく。説明責任、そして政治責任について党としてどう考えるのか判断していかなければならない。党としての責任を果たすため、聴き取り調査などを進めていく」
……“どう考えるのか判断していかなければならない”……まともに取り組む気のない答弁だ。そもそも「~していかなければならない」という言葉は、「すぐに~する気はない」と同義だ
 上記(階猛氏への答弁)のように、聴き取り調査は全然していないのだろう。

 
公明党・中川康洋氏
「(政策活動費について)キックバックの隠れみのとして政策活動費という言葉が使われていたとすれば断じて看過できない。使途公開の義務化をはじめ透明性の強化に向け、あるべき姿をつくる必要がある」
岸田総理
「政策活動費は政党などの政治活動のためにあるもので、使途の公開はまさに政治活動の自由と関わる部分なので、ぜひ各党・各会派と議論を行い、自民党としても真摯に対応したい」
……“政治活動の自由と関わる部分なので慎重に”……《使途の公開で政治活動が不自由になる》という考え自体がおかしい。政治活動は公開すべきである。

国民民主党・古川国会対策委員長
「問題の本質は派閥の不正な行為をグリップできていなかった自民党という政党のガバナンスにある。政党のガバナンスルールについて定めた『政党版会社法』とも言える『政党法』を制定すべきだ」
岸田総理
「政治活動の自由が最大限、尊重されなければならないという観点から今まで一般的な政党法については慎重な議論も行われてきた。政党の政治活動の自由との関係において議論し、自民党も真摯に参加していきたい」
……“政治活動の自由が最大限、尊重されなければならない”……“自由”の意味を履き違えている
  “真摯”という言い回しも好きなようだ

古川国会対策委員長
「国会議員に毎月100万円支給されている“調査研究広報滞在費”の使いみちの公開を義務づけるべきだ」
岸田総理
「政治資金の透明化へ取り上げられるべき課題だ。自民党としても真摯に議論に参加していく」
……公明・中川氏への答弁で、政治活動の透明化については慎重(消極的)と答えている。
  ”課題”=”棚上げ事項”、”真摯”=“消極的”という意味なのだろう



《企業・団体献金》について
共産党・山添政策委員長
「パーティー券をたくさん購入できるのは多くが企業や団体だ。企業・団体献金はパーティー券を含めて全面禁止にし、金権腐敗の根を絶つべきだ」
岸田総理大臣
「企業・団体献金は長年の議論を経て、政党あるいは政治資金団体に対してのみ認められているが、昭和45年の最高裁判決で会社にも政治資金の寄付の自由は認められている。政党が受け取りを行うこと自体が不適切なものとは考えていない」
……悔しいが、《判決例を根拠に、不適切とは考えていない》に、(私には)反論は難しい。
 でも、そもそも、政治献金の正当性を説明してほしい。企業や団体が政治資金を党に寄付するのは、企業にとって益になるような政策を期待しているからと考えるが、だとすると、《金に政策が従う》ことになるのでは?
 《世の中が良くなれば、企業もその益を受ける》と考えての寄付なら、国(国庫)に寄付すれば良いのでは?



《キックバック》について
国民民主党・舟山参議院議員会長
「政治団体の収入に記載する必要がないと認識していたという言い訳じみた声も聞こえてくる。政治団体として記載が不要との認識で受け取ったとすれば個人が受領したと考えるべきで、所得税の課税対象とすべきではないか」
岸田総理
「一連の事件でお金を受け取ったのが政治団体なのか、個人なのかについては、少なくとも今回起訴された者はすべてが政策集団から議員個人ではなく、議員側や政治団体への寄付であると認定されているものと認識している」
……“議員側や政治団体への寄付であると認定されているものと認識”……政治団体への寄付とは認識できるが、キックバックを記載が不要と認識して受け取ったのなら、個人の受領と考えるべきであろう



《“連座制”の導入》《再発防止》について
日本維新の会・音喜多政務調査会長
「会計責任者だけでなく政治家本人が直接的な責任を負う制度にすべきだ。重大な不正が発覚すればトップが引責辞任するのは民間企業では当たり前で、公職にある者は民間企業以上の倫理観と責任感を持つべきだ」
岸田総理
「政治資金規正法に違反した場合に厳正な対応を行うことで違反の抑止力を高める取り組みが重要だという点は私も同感だ。自民党としても制度のあり方について各党と真摯に議論していきたい。党として考え方をまとめた上で議論していく」
……ここでも“真摯”が登場

自民党・丹羽秀樹氏
「会計責任者や秘書だけ処分され、政治家が逃げているという疑念を多くの国民が持っている。政治の側が責任をどうするのか、今後どのようにすべきと考えるか」
岸田総理
「連座制は対象とする政治団体の範囲や違反の種類などさまざまな課題を丁寧に議論する必要がある。厳正な責任体制を確立する観点から連座制も含め党として考え方をまとめ、各党ともしっかり議論を行っていきたい」
……連座制にするかはともかく、収支報告書に議員の署名(確認欄)がなく、議員の責任を追及できなかった。一律、連座制的に対処するのではなく、署名欄を設けるだけで、かなり違ってくるはずだ。

公明党・谷合参院幹事長
「“政治と金”に関して、再発防止を議員だけで議論しても、“お手盛り”との批判がつきまとう。政治への信頼を取り戻すために、政治資金を監督する独立した第三者機関が必要ではないか」
岸田総理
「独立した機関を設置するとなると、政治活動の自由と密接に関連していくモノであるので、各党会派に置いて議論を行う。自民党もこの議論に真摯に向き合っていきたい」
……ここでも“政治活動の自由”を盾に取る。“真摯”の登場。
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