英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

複雑な陸上競技のパリ五輪代表選考

2024-07-01 18:28:01 | スポーツ
分かりにくい選考基準だ。

代表資格取得条件は二つ
①参加標準記録を突破
②ワールドランキング(Road to Paris)が規定順位以内。(種目によって異なり、100mの場合は56位以内)

 どちらか一つを満たせばよいが、《各種目、1か国3人》という縛りがあるので、取得条件を満たせば代表に選出されるわけではない。

 資格取得基準は世界共通だが、その基準を満たす選手から誰を選出するのかは、各国に任されているようだ。
 日本の場合は……
《参加標準記録を突破しており、日本選手権で優勝すれば内定決定》(日本選手権までに突破していなくても、選手権で突破し優勝すればよい)
 特例として、前年(2023年)の世界選手権で、入賞していれば、標準記録を突破すれば内定が決定する。
 女子やり投げの北口選手などがそれに該当(110mH・泉谷駿介、男子3000m障害・三浦龍司、女子5000m・田中希実も該当、他にマラソンや競歩の内定者)。
 男子100mのサニブラウンも、5月30日の"ダイヤモンドリーグ”の第6戦ノルウェー大会で9秒99(標準記録は10秒00)のタイムで2位に入り、内定を決めている。(これにより、サニブラウンは日本選手権に出る必要がなくなり、欠場している。まあ、サニブラウンはランキングが上位なので日本選手権で3位以内に入れば、標準記録を突破しなくても代表に選出される可能性は高そう)
 日本選手権で《参加標準記録を突破しており、日本選手権で優勝》の要件を満たして代表が内定したのは……
女子1500m・田中希実(5000メートルと合わせて、2種目での代表内定)
男子400mH・豊田兼
男子走り幅跳び・橋岡優輝
男子110mH・村竹ラシッド
女子100mH・福部真子
女子走り幅跳び・秦澄美鈴選手


 で、複雑なのは、
《標準記録を突破しているが、日本選手権で優勝できなかった選手》
《日本選手権で優勝したけれど、標準記録を突破していない選手(ワールドランキングは資格圏内)》

 まあ、上記の条件を満たす選手が既に内定になっていた選手を含めて3名以内の場合は、すんなり決まるが、4人以上いる場合は複雑である。
 その複雑さが最も顕著なのが、男子100mである。
 日本選手権前の段階では、栁田大輝が最上位で、唯一〝出場圏内”に入っており、東田旺洋、桐生祥秀、和田遼太郎、坂井隆一郎の順。東田以下は五輪県外だが、日本選手権の結果で圏内に浮上する可能性がある。(サニブランが内定しているので、代表は残り2枠)
 《〝出場圏内”選手同士では日本選手権の順位が優先される》という。ワールドランキングの順位が優先されるわけではない

 ワールドランキングの発表は7月3日。100m決勝後の各選手の表情を見る限り、東田は圏内に浮上の可能性大、坂井は圏内に入る可能性がかなりある。栁田も圏内に留まると思われるが、号泣していたという。
 男子100m決勝は大激戦で、
1位 坂井 隆一郎 10.13
2位 東田 旺洋 10.14
3位 栁田 大輝 10.14
4位 デーデー ブルーノ 10.25
5位 桐生 祥秀 10.26
6位 和田 遼 10.26
7位 鈴木 涼太 10.29
8位 山本 匠真 10.31
 という結果。2位と3位のタイム差は0.005秒差。
 栁田が、あと0.005秒早くフィニッシュラインに到着していたら、日本選手権の順位で東田を上回るので、坂井のワールドランキングに関わらず、代表が決定的となっていた。
 0.005秒差で先着した東田はワールドランキング圏内浮上が濃厚で、日本選手権が栁田より上位で、2番手で代表濃厚。
 栁田にとっては、とてつもなく大きい0.005秒差だった。
 優勝した坂井にしても、0.01秒差で1位と3位の差。ワールドランキングが下位の坂井は、優勝しないと五輪圏内に入るのはほぼ無理という状況だった。(優勝しても圏内浮上は"微妙”とも言われている)


 それにしても、複雑すぎる……

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