英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『IQ246 華麗なる事件簿』 第8話

2016-12-05 17:18:00 | ドラマ・映画
沙羅駆&賢正&奏子トリオは面白いが、肝心の事件は相変わらず冴えない

★嵌められた沙羅駆
1.凶器についた沙羅駆の指紋
2.動機(被害者は沙羅駆を叩く記事を執筆)
3.現場付近での沙羅駆の目撃証言
4.アリバイなし(部屋に籠っていた)

 凶器の指紋はともかく、動機は弱いし、目撃証言も“沙羅駆らしき”人影というだけ。
 沙羅区を知る人間ならば、「沙羅駆がそんな証拠を残すはずがない」(今市&山田刑事)、「沙羅駆が人を殺すはずがない」(奏子&賢正)と、大きな疑念を持つ。
 しかし、沙羅駆の犯行ではないことを立証しなければならない。
……………証拠を否定する確固たる論拠か、真犯人を捉える必要がある。

★奏子の奮闘捜査
 一課の捜査から締め出された奏子の単独捜査では、沙羅駆が留置所から解放される日は遠いと思われたが、普段、沙羅区に罵倒されている言葉を思い出し、捜査を進めていく……
―――沙羅駆語録―――
「事実をいくら積み重ねても真実には辿りつかない」
「事実を真実にするには推理が必要だ。おしはかること、すなわち推理こそが真実に辿りつく唯一の道だ」
「見るのと監察するのでは大違いだ」

 ≪スリ犯人に遭遇、しかも、そのスリが沙羅駆に扮した真犯人を目撃していた≫という幸運もあったが、『沙羅駆ファンサイト』で当日の画像を募ったのはお手柄。無事、解決。


★沙羅駆評(けっこう信頼度が高い)
奏子
「偏屈でイヤミで意地悪で、正義感も変だけど、私の知ってる法門寺さんは、絶対に人を殺したりしない」
「信じられる人です。すごく変人だけど」
今市&山田刑事
「法門寺はああいう奴で、とんでもないああいう奴だが」
「悪人ではない。まあ、善人でもないがな」

★助手“ワトソン”、誕生!
沙羅駆「なぜ私が犯人じゃないと考えた?」
奏 子「考える?どうして考える必要があるんです?そんなの当たり前じゃないですか」
沙羅駆「当たり前、か。……思った通り、不合理な答えだ」


 奏子から理屈よりも100%の信頼を示された沙羅駆、まんざらでもなさそう。

(沙羅駆の分かりにくい謝辞に文句を言う奏子に対して)
沙羅駆「黙らないとおいていくぞ。和藤奏子」
奏 子「え?いま私の名前……」


 自分が認めた者でないと名前を呼ばない沙羅駆に、初めて名前で呼ばれて嬉しがる奏子。
 気持ちが真っ直ぐで根性のある奏子に対し、沙羅区は好感を持っていたはずで、“今更”という気がしないでもないが、エピソード的には妥当なタイミングかもしれない。


★今週のマリア・T
 先週ラストで逮捕されたマリア・Tだが、今回のお膳立ては逮捕前に済ませていたと考えられる。
 逮捕されたのも、沙羅駆を有名にし犯行現場付近での目撃証言を引き出すため。
 今週ラストで毒薬を飲み倒れるが、仮死状態になって留置所(拘置所)から脱出するため?


★管理官・牛田寛人(稲垣吾郎)、登場!
 “無能な権力者”は迷惑……そんな感想を再認識させるキャラクターだった。
 彼に対する沙羅駆の評価が意外と高くて、優しいのが不思議だった。



【ストーリー】番組サイトより
 沙羅駆(織田裕二)の護衛係を務める奏子(土屋太鳳)のパソコンが何者かにハッキングされ、奏子が書き留めていた沙羅駆に関する調査報告書が世間に流出。“マリアT”が裏で操っていた一連の殺人事件を沙羅駆が解決していたことがマスコミに取り上げられ、沙羅駆の存在が一躍世間に知れ渡ってしまう。
 そんな矢先、都内のとある一軒家で爆発が起こり爆発跡からその家の住人でフリーライターの九鬼(小島康志)という男が刺殺体で発見される。現場にあった凶器のナイフから沙羅駆の指紋が検出され、そのうえ周辺の目撃情報からも沙羅駆を見たとの証言が多数あがり、なんと沙羅駆が殺人容疑で警察に連行されてしまう。茫然とする奏子や賢正(ディーン・フジオカ)をよそに、警察に拘留されても一人落ち着き払い飄々とした態度の沙羅駆。
 殺された九鬼はスキャンダルをネタに金を要求するいわゆる“ブラックジャーナリスト”で、実は沙羅駆についても告発記事を執筆し週刊誌に発表する予定だったことが判明。それにより二人の繋がりも見つかり、警察では益々沙羅駆への容疑が深まっていく。
 そんな中、奏子は沙羅駆の無実を主張し、真犯人を見つけ出そうとするが、捜査本部からは事件への関与を禁じられてしまう。

 一方、捜査本部では捜査を指揮する警視庁捜査一課管理官・牛田寛人(稲垣吾郎)が、沙羅駆に対し九鬼殺しの容疑者としてだけではなく、これまでのマリアTが黒幕だった一連の殺人事件の真の首謀者ではないかという疑惑を向けていた。実は牛田と沙羅駆は8年前、牛田が指揮を執っていたある事件から続く因縁があったのだ。その事件で沙羅駆に苦い経験を味合わされた牛田は、沙羅駆の人並み外れた頭脳に関して身をもって知るがゆえに、沙羅駆であればその叡智を駆使して犯罪を操ることは可能だと考え、沙羅駆が犯罪者だと固執。沙羅駆は牛田から取調べを受けることになり、二人は運命の再会を果たす。
 その頃、捜査への関与を禁じられていた奏子は独自に捜査を始めるが……。

脚本:木村涼子 監督:韓哲


第1話 脚本:泉澤陽子  監督:木村ひさし
第2話 脚本:泉澤陽子  監督:木村ひさし
第3話 脚本:泉澤陽子  監督:坪井敏雄
第4話 脚本:栗本志津香 監督:坪井敏雄
第5話 脚本:木村涼子  監督:韓哲
第6話 脚本:栗本志津香 監督:木村ひさし
第7話 脚本:泉澤陽子  監督:坪井敏雄
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相棒 season15 第8話「100%の女」

2016-12-01 23:22:14 | ドラマ・映画
「法を破って、正義を全うできるとは思いません」
…………………あんたが言うなっっ、あんたがっ!
 非常に多くの視聴者が叫んだはずだ。様々な違法捜査を繰り返す右京に言われたくない。


≪法廷での目撃証言が、捜査段階でのものと微妙に食い違っていた≫ことに冠城が気になってしまったことから始まった。
犯人と思われる男を目撃した地点が少し違っていた
【なぜか?】
1.より明るい地点で目撃したとした方が、裁判を有利に進められる
2.証言者の女性中学校教師は目撃前に教え子とカラオケボックスで会っており、法廷で真の目撃地点での証言を述べると、それが明るみに出る可能性がある。証言をしてもらうため、目撃地点を修正した。
3.検事の倉田映子(鶴田真由)は、自身が取り調べた被告から襲われ、スカーフで首を絞められ、心の傷を負っていた。その為、心理カウンセリングを受けていたが、その場所が女性教師と中学生が会っていたカラオケボックスと同じ建物であった。
 女性教師の目撃証言からカウンセリングを受けていた事実に辿りつかれることを恐れた。



 “100%の女”と言うと、完璧な女性(人間)のように思われるが、“100%でないと安心できない人間”“100%でないことを許容できない人間”だったのだ。
「実際、証人がそれまでどこで何をしていたかなんて、弁護側が裏を取るかどうかも分からない。ましてや、カウンセリングルームから出てくる私が発見される確率も限りなくゼロに近い。でも、100%保証されない限り、安心できなかったんです。
 カウンセリングは私にとって心のバランスを保つもの。決して、うしろめたいものではない。でも、そう思わない者もいる(右京は“それこそ100%馬鹿げた偏見”だと言う)
 だからと言って、今回の事件を不起訴にするなんて、私にはできなかった」


 “細かいことが気になってしまうのは、冠城くん(右京も)の悪い癖”だが、倉田検事も気にし過ぎだった。
 さらに、右京の追及は続く……

「だとすれば、あなたは偏見を恐れるべきではなかった。正々堂々と証人を説得し、裁判を闘うべきではなかったのではありませんか」(それよりも、私は、他の証拠をしっかり固めれば、防犯カメラの映像だけに留めても、立証でき、それに精力を注げばよかったと思う。実際、共犯者(被害者の妻)の存在に行き着けば、充分、犯行を立証できていた)
「そうね、きっと杉下さんの仰る通りだったんです。でも、私はそこまで強くなかった。
 明日にでも、辞表を書きます」
「そうですか。とても残念です」

「待ってください。そこまでさせる必要はないでしょう」
「冠城くん、ありがとう。自分で蒔いた種だから、自分で拾う」

「このことは我々しか知らないわけですし、事件にも影響はない。今回だけは、不問に付してやるわけには…」
「冠城くん、それは我々が決めることではありません。倉田検事ご自身がお決めになることです」


 “倉田検事ご自身がお決めになることです”……いやはや、これだけネチネチと追及したら、“辞表届を書く”と言ってしまうだろう。『相棒』に於ける正義感の強い常識人だと尚更である。三雲判事が偲ばれる……
 確かに、“証言の内容を修正する”ことは“やってはいけない事”である。
 しかし、検事を辞めるほどの重大な過ちなのだろうか?


【右京の“過ぎた正義感”を弁護してみる】
 右京が許せなかったのは、倉田が保身の為に証言を修正させたこと。
 少なくとも右京の違法捜査は、私心によるものではなく、その点で大きな違いがあるのだ。


 
【右京の“過ぎた正義感”を糾弾してみよう】
 これに関しては、日下部彌彦(榎木孝明)が攻撃している。

 笑顔で右京を出迎えつつ、「“キミが考える正義”について、一度ゆっくり話したいと思っていた」と切り出し、
「これから先、彼女がやろうとしていた大きな正義を失うことの方が、大きな損失だとは思わないのか?」

 今後の彼女が重ねるであろう功績を思うと、もっと遥かに軽い処分でいいのではないだろうか?
 右京にとっては、私心で証言を修正させたことが、許せないのだ
……“100%の正義男”・右京だ。


 個人的には、女性教師を振り回した甘えた男子中学生にムカついた。
 こいつがいなければ、目撃証言はなかったわけだが、それならそれで、警察(検察)ももっと多方面からしっかりした捜査をしていたはずで、倉田検事が辞職することもなかった。


 さて、今回のテーマは、時折(しょっちゅう)暴走する“右京の正義”であった。
 脚本は金井寛氏。意表を突くことにとらわれ過ぎて、人物の心理の動きや行動に強引さがあったり、状況などに細かい不整合が多い傾向が強く、私がマークする要注意脚本家の一人。他に真部千晶氏、西岡琢也氏、池上純哉氏らがいる。(『相棒』の脚本とは限らない)……season14 第9話「秘密の家」での記述

 金井氏は、右京の正義について、上記のseason14 第9話「秘密の家」season13 第5話「最期の告白」で、テーマにしている。

 “右京の正義”については融通の利かなさが売り?だが、今回は「倉田検事の功績」>「右京の正義」過ぎる。
 事件の真相そのものはつまらなく、「もっとしっかり捜査しろよ」と言いたい。



 納得できない回が多いが、面白かったと評価している回もある。(season14 第13話「伊丹刑事の失職」season13 第17話「妹よ」
 
 
【『相棒』における金井寛脚本の当ブログの記事】
season14 第13話「伊丹刑事の失職」
season14 第9話「秘密の家」
season14 第3話「死に神」
season13 第17話「妹よ」
season13 第6話「ママ友」
season13 第5話「最期の告白」
season13 第3話「許されざる者」
season12 第17話「ヒーロー」
season12 第12話「崖っぷちの女」
season12 第5話「エントリーシート」
season12 第2話「殺人の定理」
season11 第15話「同窓会」
season11 第8話「棋風」


【ストーリー】番組サイトより

外務省高官の刺殺事件の背景に大国の影が?
有罪率100%の女検事と対峙し特命係が消滅の危機に


 2か月前、外務省欧州第一局長の棚橋(窪園純一)が、都内の公園で刺殺される事件が発生。事件の背景に国際問題が絡んでいる可能性があることから、警察は慎重に捜査を開始していた。そんな中、公園近くの中学校で教師をする田村紗季(志保)が、犯人らしき人物を目撃したと名乗り出る。証言によると、目撃したのは棚橋と同じ外務省に勤める中嶋(松下哲)という男で、同僚らによると棚橋と中嶋は事あるごとに職務上で衝突していたらしい。
 検察は、これらの状況を加味して、被疑者否認のまま中嶋を起訴。裁判員裁判が行われることになった。中嶋を厳しく追及するのは、負け知らずの有罪率で、周囲から「100%の女」と評される検事の倉田映子(鶴田真由)。亘(反町隆史)が法務省時代に研修で一緒になり、現在は「勝てない事件は不起訴にして有罪率を高めている」との批判もある検察のあり方を変えようと取り組んでいる女性だった。
 しかし、裁判を傍聴していた亘は、紗季が目撃証言を微妙に変えていることに引っ掛かる。亘から話を聞いた右京(水谷豊)が捜査に乗り出すと、次席検事のポストが目前といわれる映子が、有罪率100%を維持するために紗季に証言の修正を依頼したのではないかという疑惑が浮上。右京と亘が映子に直接その疑惑をぶつけると、彼女は亘の元上司である法務省事務次官の日下部(榎木孝明)を通じて圧力をかけてきた。日下部は亘に、もし棚橋の殺害に国際情勢が絡んできた場合、これ以上事件にかかわると、特命係の存続自体が危ぶまれるというが…!?

“100%の女”に向けられた疑惑の真相は…!?
そして法務省時代の上司である日下部の指示で亘がとった意外な行動とは!?
警察vs検察となった殺人事件に、特命係存続を懸けた右京の推理が冴える!!


ゲスト:鶴田真由

脚本:金井寛
監督:権野元
コメント (2)
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