英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

名探偵コナン(アニメ) 「モノレール狙撃事件(前編・後編)」

2021-09-08 17:21:05 | アニメ
最近の『名探偵コナン』(アニメ)は酷いなあ。
(原作(漫画)は読んでいないので、アニメのオリジナルストーリーなのかは知りません)

 浦沢義雄氏などは「カオス回は浦沢義雄脚本」と言われるほど、不条理やギャグやコメディ色が強いス脚本が多いらしい。
 997話「スマイルの里の陰謀」や1010話「笑顔を消したアイドル」が、あまりに破天荒なストーリーだったので、《脚本は誰なんだ?》と思い、検索をかけたら浦澤氏だった。それ以降、担当脚本家を気にするようになった。

 さて、先日の「モノレール狙撃事件(前編・後編)」(1016・1017話)だが、不可解な点(納得のいかない点)が多かった。脚本は大和屋暁氏
前編ストーリー(番組サイトより)
 モノレールに乗って湾岸エリアへと向かっていたコナンと小五郎は、そのモノレールに銃弾が撃ち込まれ乗客の1人が負傷するのを目撃する。緊急停車したモノレールから飛び出し、犯人の追跡をする2人は、狙撃地点と思われるマンションの一室へとやってくる。そこには犯人の姿はなかったが、鑑識の捜査の結果、そこは狙撃地点であり、別の殺害事件が起こった現場であることが判明した。しかし、病院に運ばれていた被害者から摘出されたのは到底狙撃に向いているとは言えないトカレフの弾で……。
後編ストーリー(番組サイトより)
 コナンと小五郎が乗っていたモノレールで銃弾による傷害事件が発生する。犯人を追跡した2人は、あるマンションに到着するが、そこで発見した犯人は東都市場へと逃走。東都市場では多くの人が大荷物を運んでおり、犯人がマンションで起こした殺害事件の遺体を運んでいても目立たない。そこで猿ぐつわで口を塞がれ拘束された従業員が発見される。洋服と鍵束、ターレーを盗まれ、犯人はどうやら東都市場に溶け込み、何かをしようとしているようだ。
 そんな中、マンションの住人が判明。前科がないが、4か月前に米花町で起きた現金輸送車襲撃事件の容疑者として、捜査線上に浮上したことのある秋山一郎という男で……。


【不可解な点】
①モノレールで狙撃されたのは、偶発的なものだった。詳細な被弾地点、ガラスの貫通痕などを検証せず(風向きは確かめていたが…重要なファクターではないような…)、灰原の緻密な物理計算もなく、狙撃?地点を割り出していた
②銀行強盗の共犯者が飲み込んだ鍵を取り出すため、死体を運ぶが、通行人などに目撃される危険性も高く、運ぶのに物理的にも大変。殺害現場で死体を切り裂いて取り出す方が、合理的。そもそも、どうやって運んだのだろうか?
③コナンたちを攪乱するため、通りすがりの女性を襲い、車に閉じ込め、ガソリンで爆死させようとした。
 まず、そんなことをするより、さっさと死体を運べばいいのに。
 それに、何の関係もない女性を、撹乱させるために、爆死させようとするなんて、非道過ぎ!
 そもそも、ガソリンや麻酔薬をどうやって調達したのか?強盗はともかく、殺人事件は突発的だったし。
 
ちなみに、「ハンカチに麻酔薬(ジエチルエーテル)を沁み込ませて、昏睡させる」のは、実際には難しいらしい
④地下倉庫らしき所で、死体から鍵を取り出そうとしたが、市場関係者でもないのに、詳しすぎる犯人。コナンたちも、「ここなら人気(ひとけ)もない」と納得のセリフを言っていたし…
 場所の説明などの言及はないので、視聴者は置いてきぼり。
⑤地下倉庫への入り口の蓋は、犯人1人で閉められるのか?
⑥追い詰められて窮した犯人が、キレて小五郎を撃とうとしたが、これも不要なシーン。高木刑事の前で、圧縮サッカーボールを炸裂させていいの?
⑦強奪した金を隠してある鍵(かなり大きそう)を飲み込む共犯者も理解不能。命も危ういし、自分も金を使えないし…
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新型コロナウイルス その116「尾身会長関連病院の新型コロナ病床の補助金」

2021-09-06 09:44:23 | 時事
9月1日の『YAHOO!ニュース』でこんな記事が出ていた。
YAHOO!ニュース『【独自】コロナ病床30~50%に空き、尾身茂氏が理事長の公的病院 132億円の補助金「ぼったくり」』

 記事の主旨は……
・尾身氏は国会やメディアで『もう少し強い対策を打たないと、病床のひっ迫が大変なことになる』などと声高に主張していますが、自分のJCHO傘下の病院でコロナ専用ベッドを用意しておきながら、実は患者をあまり受け入れていない。尾身氏の言動不一致が理解ができない
・尾身茂会長が理事長を務める地域医療機能推進機構(JCHO)傘下の東京都内の5つの公的病院で、183床ある新型コロナウイルス患者用の病床が30~50%も使われていない
・「病床確保支援事業」では新型コロナ専用のベッド1床につき1日7万1千円の補助金が出る。ベッドは使われなくても補助金が出るため、東京蒲田医療センターでは使われていない約40床に対して、単純計算で、1日284万円、1か月で約8500万円が支払われることになる
・新たに重症患者向けの病床を確保した病院に1床あたり1950万円、中等症以下の病床には900万円を補助するなどの制度もあり、厚労省関係者から入手した情報によると、2020年12月から3月だけでもJCHO全57病院で132億円の新型コロナ関連の補助金が支払われたらしい


 この記事の中で、尾身氏の回答も載せられていたが、私には言い訳としか思えない。
 諸所の事情で、患者を受け入れるのは難しい状況というが、それなら、補助金は補助金を返還すべきである(記事では、「返還するつもりはなさそうだ」としている)


 尾身会長は、感染拡大防止について提言や注意喚起を呼び掛けているシーンを数多く目にしている。
 一見、厳しく感染予防措置などを提言しているように見えるが、感染拡大の危機を述べるだけで、予防行動を呼びかけると言っても、「お盆の帰省は控えるように」「会食は少人数で」とか個人レベルでできるような一般的な予防行為であったり、精神論であることがほとんどで、企業や行政などに具体的な要請をすることはほとんどない。“Go To キャンペーン”についても、口では否定的に見える発言をしていたが、分科会では容認していた。時折、強い口調で政府に向けて言及することはあるが、その直後、それを緩和するような逃げ道を作っておくことが多い。
 拙ブログでの尾身会長に関する記事を紹介しておきます。
その59「日和見主義?の尾身茂氏」
その60「日和見主義?の尾身茂氏②」
その61「誤魔化しの“感染状況の4段階”」
その65「日本感染症学会 尾身会長曰く、“流行はピークに達したとみられる”」
その74「政府や分科会は人任せ」
その89「質問に正対して答えない尾身会長」
その106「“行動制限の時代は終わった”と尾身会長、しかし、その内容は…」
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デジタル庁 不心得者のデジタル監とショボ過ぎるホームページ  ……予算の無駄遣いにならなければ良いが

2021-09-04 11:18:23 | 時事
デジタル庁事務方トップ石倉デジタル監 画像サンプル無断使用
デジタル庁の事務方トップにあたる「デジタル監」に就任した石倉洋子氏が自身のウェブサイトで、インターネット上の画像サンプルを無断で使用していた
ダメだろう、こんな不心得のものを要職に置いては!
 "デジタル庁”自体、発足したばかりなので聞き慣れないのも仕方がないが、"デジタル監”て何?……どうやら、事務方のトップで、デジタル大臣に次ぐ組織ナンバー2らしい。
 石倉洋子氏がどういう人物なのかと言うと……上記の件で、自身の公式サイトが閉鎖されているので、『講演依頼com』の紹介ページを引用。
1985年、ハーバード大学大学院にて、日本人女性初となる経営学博士(DBA)を取得。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニーのマネジャーとして、クライアントが抱える様々な問題解決に従事してきた。2000年からは一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授に就任。世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)に出席し、モデレーターを務める。また、経営陣として日清食品、ライフネット生命、双日社外取締役としても活躍している。
最近は、企業の抱えるグローバル化、人材など実際の課題をブレーンストーミング方式で解決する企業向けワークショップを行っている。


 任官が決まってからかなりの時間が経っているのに、画像の無断引用を放置していたのは、甘すぎる。……と言うより、倫理観なさすぎ。違法の意識がなかったのか、他の者にサイト運営を任せていたのか……
 とにかく、辞任するか罷免するかすべきであろう


 で、おそらく、この無断使用の件の言及はないだろうなとは思いつつ、デジタル庁のホームページをチェック………
………しょぼい、ショボイ、ショボ過ぎる!
 既に21世紀になって20年も経とうかというのに、1990年当時のインターネット草創期のページデザインである。
 デジタル庁の概要を把握しようと、ホームページを閲覧するが、分かりにくい。「組織情報」「政策」「法令」「採用」「資料」「申請・届出」「お知らせ」などのリンク項目が並び、リンクをチェックするが、要領が掴めない。
 例えば、「政策」。ここをチェックすると、
政策分野……誰一人取り残さないデジタル社会の実現のため、各分野において取組を進めています。主な分野の取組状況は以下のとおりです。
 続いて、「1. デジタル社会に必要な共通機能の整備・普及」とあり、細目として「ID・認証」「ガバメントクラウド・ガバメントソリューションサービス」「サイバーセキュリティ」「データ戦略」と並んでいて、それぞれに用語がありリンクが張ってある。そして、次に「2. 国民目線のUI・UXの改善と国民向けサービスの実現」があり細目として、「UI・UX/アクセシビリティ」「公共フロントサービス(ワンストップサービス等)」…………誰が読む?!。説明すると長いので、お暇な方は「政策」をチェックしてみてください。

 とにかく、資料をそのままテキスト化して、リンクを張っただけのおざなりのホームページである。
 ホームページにお金を掛けろとも言わないし、お金をかけるべきものとも思わいが、もう少し、意欲を見せろ!

 ちなみに、デジタル庁全体での概算要求額は5426億3200万円で、うち5300億円を「情報システムの整備・運用に関する経費」が占めるらしい。


 さて、今回の不祥事であるが、やはり、ホームページでは何も触れていないようだ(どこかに、記述があるかもしれないが、要領を掴めないサイトなので……)
 目に入ったのは、「デジタル庁発足式を行いました」という記事(ページ)。
 発足式の様子の画像と、菅総理、平井卓也 デジタル大臣、石倉洋子 デジタル監の挨拶画像と挨拶要旨がだらだらと表記されているだけ。スクロールさせるのも面倒だった。

 活動記事の中に、「デザインシステム勉強会を開催しました」があるが、まず、このホームページ運営者、特に、「デザインシステム勉強会を開催しました」をアップした人が、勉強すべきだろう。
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新型コロナウイルス その115「ワクチン2回接種者などへの優遇措置の功罪」

2021-09-03 22:50:00 | 時事
2回のワクチン接種を受けた人を優遇することで、若い世代などへの接種を促そうとする動きが出ている
“プロ野球 ソフトバンクは緊急事態宣言を受け、無観客で行う”としていた2日からの本拠地での4連戦について、2回のワクチン接種を済ませた人や1週間以内のPCR検査で陰性であることを条件に、5000人を上限に観客に入れて開催

 このほか……
・あるホテルでは、今年7月から接種済みの人を対象に割引サービス(1泊につき300円)
   「宿泊業界も規模しいので、少しでもコロナ禍前の状態に戻るように、ワクチン接種促進の手助けになれば」と説明
・ある飲食店では、2回の接種を済ませた人には1杯目のドリンクを1円で提供(宣言下のの場合は、ソフトドリンクやノンアルコールを提供)
・群馬県では、9月までに2回の接種を終えた20~40歳の県民を対象に、抽選で乗用車や2~5万円分の旅行券
・大阪府羽曳野市では、2回の接種を終えた12歳以上の市民に、2000円分の商品券を配布


 一見、ワクチン接種の促進と経済効果を兼ねた妙案に思えるが、ワクチン接種の進捗状況はどうなのだろう?
 渋谷の若者への接種では、希望者が殺到していたが、多くの自治体が、接種希望者が渋滞しているのではないだろうか?
 だとすると、接種済み者への優遇は差別にならないのだろうか?

 それに、ワクチン接種が済んでも、抗体ができるまである程度の期間が必要だろうし、ワクチン接種しても発症や重症化を抑えられるだけで、感染して他者へ感染させるリスクもあるという(このあたりの検証も、ちゃんと政府や分科会はして欲しい)
 そもそも、ソフトバンクのある福岡は、感染が非常に拡大している地域である(2日の新規感染者は795人、今日・3日は732人)。「緊急事態宣言を受け、無観客で行う」と言っておきながら、勝手に変更。
 ソフトバンクやホテルは《ワクチン接種の促進》という大義名分を利用して、客寄せしているように思える。(1泊300円の値引きって、セコクない?)

 
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新型コロナウイルス その114「“NAMIMONOGATARI2021”についての三浦瑠麗氏と武井壮氏の意見(『めざまし8』)」

2021-09-02 14:47:14 | 時事
29日に愛知県常滑市の県国際展示場で開催された同フェス。参加者によると、観客は体が触れ合うほど密集。マスクを着けずに大声を上げている人も数多く見られた。会場では酒類が販売された。終演後には会場周辺で飲酒して騒ぐ参加者もおり、駐車場には酒の空き缶やマスクのゴミが散乱。名古屋市内の2店舗では明け方までアフターパーティーが開催された。常滑市の伊藤辰矢市長はツイッターで「市民の努力を愚弄(ぐろう)する悪質なイベント」と批判した。(YAHOO!ニュース『三浦瑠麗氏 批判殺到の愛知“密”フェスに「どこかで起きると思っていた。我慢しきれない主催者とか…」』より引用)

 一昨日(8月31日)の『めざまし8(エイト)』も、この件を取り上げていたが、その中で、国際政治学者の三浦瑠麗氏
「この業界は1年半ぐらいかけて需要9割減のところでやってきたので、どこかでこういうことが起きるだろうなと私は思っていたんですよ」とコメント。「我慢しきれない主催者とか、経営上の観点からやっぱりルールを破ってしまう人が出てくる。その前に政府が基準を示したり、どうにか感染対策をして、ある程度の収入を得られながら補助金を積みますみたいな形を示しておけば、1年半後に1番デルタの感染が広がっている時にぶつけられることはなかったのでは」と持論を述べていた。

 相変わらずの主張だなあ。
「我慢しきれない主催者とか、経営上の観点からやっぱりルールを破ってしまう人が出てくる」……確かに、このフェスが密状態やアルコール摂取やマスク非着用などの無法状態を招いたのは主催者側の責任が大きい。ただし、感染防止対策が甘すぎたのか、収益を上げるだけの目的でルールを破ったのかは、一昨日の時点では決めつけることはできない。(まあ、一昨日の段階で、取材をシャットアウトしていたので、主催者側に誠意は感じられないが)
 それはともかく、私が三浦氏の意見に異を感じたのは、「困窮状態の者がルールを犯してしまうのは、国(政治)がしっかりとした救済や対策をしてこなかったからだ」と主張していたこと。「責任の一端は、国にある」ではなく、「主因は国にある」という論調だった。極論になってしまうが、「犯罪が起きるのは国が悪いからだ」と主張していることになる。
 三浦氏は勿論、そんなつもりはなく、「イベント・飲食・観光業界をはじめ、経済が後退しているのは、政治の責任だ」と主張したいのだと思うが、今回の件も、そこに繋げてしまうのかと呆れてしまった。

 ところで、このフェスタに関して検索したところ、次のような記事がヒットした。
YAHOO!ニュース『「場合によっては取り消しも」梶山経産相、「NAMIMONOGATARI2021」への交付金3000万円に言及』
 《JLODlive補助金》……今般の新型コロナウイルス感染症のまん延の影響を踏まえ、これにより公演を延期・中止した主催事業者に対して、今後実施するライブ公演の開催及びその収録映像を活用した動画の制作・配信の費用の一部を補助(詳細はここ
 今回の主催者が、どういった主旨で申請したかはよく分からないが、梶山経産相の言及について記した記事を読むと、3000万円の交付を決定(おそらく給付はまだ)していたようだ。つまり、企業を維持するのに十分かどうかは分からないが、国も支援は行っていたようだ。
 それに、県としても主催者に対して、感染対策のガイドラインを示して、指導を行っていたようだ(徹底していたかどうかは判断できない)。

(上記のJLODlive補助金については、放送時には知らなかったが)三浦氏の言及を聞いて、《相変わらずこの人は……》と思っていたら、武井壮氏が同番組中、しかも、三浦氏の発言直後に

「このイベントに補助金付いてることもあって、いろんなことありますけど属性とかそんなことよりも、ルール、モラル、マナーとかそういったものを1人1人、各自が少しずつ守って感染を抑えて、ワクチン接種が進んで医療に負担がかからない状態まで我慢しないと、ずっとこれの繰り返しじゃないですか」と指摘。
「とにかくルール、モラル、マナーっていうものを1人1人守って、こういうイベントができるようになっていく。それがないのに、やらせてくれ、やらせてくれは無理だと思う」
と厳しい表情で話し、
「100%避けられることじゃないんだから、感染とか。会場もゴミだらけなのを見ると、まずそういうところから守っていかなきゃだめだよ」と語気を強めた。

(YAHOO!ニュース『武井壮 批判殺到“密”フェス「会場ゴミだらけ…そういうとこから」 ルール・モラル・マナー徹底訴え』より引用)

 武井壮氏はあまり好きではないが、少し好きになった。
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不滅のあなたへ

2021-09-01 14:33:39 | アニメ
「それは、初め、球だった。
ただの球ではない。ありとあらゆるものの姿を写し取り、変化することができる。
私はそれをこの地に投げ入れ、観察することにした」


 訳の分からないナレーション(言っている言葉は理解できるが、どういうことなのかよくわからない)から始まった。このナレーターは、後に"観察者”として主人公フシに助言(補助的説明や問いかけや今後の行動の指針を示唆)を与える

 この球体は石を姿を写し取り石に姿を変える。その後、苔となったが、そのまましばらくはその状態で時が経つ……そして、瀕死の狼が近づき、力尽きたところで、主人公の物語が動き始める。
 最初のナレーション通り、主人公は姿を写し取り、そのもの成ることができるらしい。生物(せいぶつ)の狼となって、主人公は自我を持った。
 オオカミとなった主人公は、オオカミの飼い主(友達?)の少年の元にたどり着き、少年と過ごす。少年と過ごし、人の感情や温かみを感じるようになったが、その少年も死に(ケガによる感染症の悪化)、少年の姿を写し取り、少年のあこがれた広い世界へと旅立ち、いろいろな者と関わり、成長していく……


【主人公の特性】
・他の者の姿をコピーし、そのものに変身できる
・コピーできるのは、自分と関わった者で、命を落とした者に限る。その死に対面したり感じ取った時の限定だと思ったが、パロナ(ニナンナ地方の娘、マーチとともに主人公フシに深く関わった)に変身したときは、彼女が死んだことさえ感知していなかった。
・被コピー者の記憶は継承しないが、跳躍力など肉体的ポテンシャルは受け継ぐ
・アニメではジャナンダ島編を第1部として描かれている(多少、省略があるようだ)。ここまででコピーしたのは、オオカミ、少年(フシの基本形)、オニグマ(大白熊)、マーチ、グーグー、パロナ
・過去に触れた物のなら、再生することができる。果実などの食べ物なども再生でき、食しても害はなく、味もそのままで空腹も満たされる。矢などの武器も無限再生できる。非常に便利な機能である
・名前の通り、不死。ケガをしても再生できるが、たとえ、(瀕死ではなく)命を落としても、蘇ることができる

………と、例によって、長々とした前置き(イントロデュース)になってしまった。ここら辺りで止めないと、大変なことになってしまいそうだ(笑)


感想
 フシがいろいろな者と関わりを持ち成長していく。また、不死と関わった者も感化され変わっていくストーリーは面白かった。
 主要人物についての感想を簡単に

マーチ(ニナンナ編)
 ヤンチャで感情豊かで前向きな幼女。人としての核は少年から受け継いだが、人間としての基本(会話や人を思いやる言葉)はマーチから学んだ大人になることを夢見ていたが、オニグマの生贄に選ばれてしまう。オニグマはフシに倒され、生贄の儀式を取り仕切っていたヤノメ国のハヤセにヤノメに連れていかれる。そこから脱出の際、パロマの身を庇い、絶命。
 マーチがフシと共に生き成長していくと思っていたが、驚愕の展開。マーチの敵を討つため、ハヤセのとどめを刺そうとするパロマを幽霊の状態で必死に止めようとする。大人になる夢が断たれたというのに、死んだ後もパロナのことを思いやる姿は泣けた。(マーチの願いを受け止めたフシが、パロナの行動を止めた)

パロナ(ニナンナ編)
 マーチを妹のように可愛がっていおり、生贄から何とか救おうと頑張る。弓矢をはじめ、格闘ポテンシャルは高い。
 最終的にマーチを救うことができず、マーチの両親に彼女の死を告げる辛い役目も果たす(「元気だよ」という彼女の手形の手紙も渡す)。
 その後、フシが窮地に陥った際、パロナの姿に変身する。(パロナはハヤセに首を刎ねられたらしい)
 もしかしたら、フシと再会するシーンがあるかもと思っていたが、残念。悲しい。

ピオラン(ニナンナ編~ジャナンダ島編)
 マーチを生贄に選んだ祈祷師だが、実は罪人で祈祷師役をしていただけ。
 端役だと思っていたが、フシに知識などを教えるのをはじめ、フシの成長に深く関わった。
 アニメの最終盤、フシがピオランに再会するかどうか悩む(自分がそばにいると、宿敵ノッカーとの戦いに巻き込まれるのを恐れた)。見兼ねた?観察者が言葉を掛けてしまうのは笑えた。
 最期は認知症に陥ったが、死期の際、観察者に「フシを助ける存在にしてほしい」と願い、観察者も了解した。今後、再登場しそう。

ハヤセ(ニナンナ編~ジャナンダ島編)
 生贄の儀式を取り仕切ったヤノメ人。
 オニグマと戦うフシの不思議な力に魅入られ、ジャナンダではフシを手に入れるため画策する。
 行動も性格のどんどん人間離れしていき、ジャナンダ島編の最後に、ノッカーに寄生され、その後、どこかの住人を襲ったシーンが描かれた。

グーグー(タクナハ編)
 思い人のリーンに直撃しようとした丸太から庇ったため、大けがを負う。酒爺によって命は取り留めたものの、顔は原形をとどめないほど損傷し、仮面をかぶって生活している。
 兄の裏切りや大けがなどの逆境にもめげず、強く生きる。
 ピオランが連れてきたフシとは親友となり、共にノッカーと戦う。リーンとの恋はかなうが、彼女を庇って絶命。……悲しい。

リーン(タクナハ編)
 両家の娘で、やや我が儘で世間知らずだが、優しい少女。
 顔を激しく損傷しているグーグーを厭わない優しい娘。いい娘だ。
 自分を助けてくれたのがグーグーと知ったが、その以前から、グーグーに恋心を持っていたようだ。しかし、グーグーとの思いがかなった直後、グーグーが自分の命を庇って命を落としてしまう……悲しい。

酒爺(タクナハ編)
 ピオランの恋人。酒屋を営んでいるが、研究家や発明家でもある。“酒爺”と言うがごとく、お酒が大好き。
 瀕死の重傷のグーグーを助けた。グーグーの腹部を酒が貯蔵できるように改造。さらに、自由に火炎を放射できるよう改良?

トナリ(ジャナンダ島編)
 罪人の島、ジャナンダの住人。 妻殺しの容疑を掛けられた父と共に島に送られていた。
 過酷な過去にもめげず、小説を書く夢を果たすため島から脱出しようと、フシを利用しようとしたが、心を許し、フシに協力する。
 5人の少年少女たちのリーダー的存在で、ノッカーの戦いで生き残ったサンデルと共に島の統治に努める。

ミア、ウーパ、サンデル、ウーロイ(ジャナンダ島編)
 トナリと共に行動する少年、少女たち。
 サンデル以外のミア、ウーパ、ウーロイはノッカーとの戦いの際、寄生され死亡。
 ウーパが最初に寄生され、ウーパを助け起こそうとしたミアがウーパに槍で突かれ瀕死の重傷。この時、ウーパの自我は残っていた。
 ウーロイはわが身を犠牲に、トナリやサンデルを逃がす。
 寄生された姿でフシと対峙するという悲劇的シーン。その前の、ウーパ、ミア、サンデルがやられていくシーンも含めて……悲しい。


 《フシは自分と関わった者の死を通して成長していく》という設定なので、悲しいシーンが次々とやって来る。
 でも、過酷な状況や悲劇を強い作為を以って劇的に演出するので、観るのが非常に辛い。




疑問 
 フシがいろいろな人と関わり、多くの死に対面し、成長していく。第1部は長く共にしたピオランとの別れを以って、一区切りとして終了。
 不死の物語としては良かったが、『不滅のあなたへ』というストーリーとしては、非常に不完全燃焼だった。


1.不死の存在の意味、観察者の意図が不明
 冒頭で紹介した
「それは、初め、球だった。ただの球ではない。ありとあらゆるものの姿を写し取り、変化することができる。
 私はそれをこの地に投げ入れ、観察することにした」
という言葉からすると、実験・観察の意図しか感じられない

2.ノッカーについてもよく分からない
 アニメの第6話から登場したフシの敵。
 フシを襲い、その中で、フシが得ていた姿や能力やコピーしたものに関する記憶を奪う。
 ①フシを倒すことが目的なのか?②フシが得た姿などを奪うのが目的なのか?③観察者の邪魔をしたいのか?

 観察者の気まぐれで生まれたようなフシなので、ノッカーの目的が①や②とは考えにくい。
 ③も「なんだかなあ」……唐突に登場した感が強いノッカー……作者の思いつき?
 まあ、ノッカーに関しては、今後、明らかになっていくのだろう。

3.初期に登場した少年の状況に疑問
 かなり過酷な極寒な環境。そんなところに少年を残していく大人たちって、あり得ない(少年の他にも一緒に残った人もいたようだが)
 結局、他の住人たちも頓挫してしまったようだが(誰も少年の元に帰ろうとしなかったのだろうか?)、ここまでの描写だと、この世界は人が住まない雪原や荒野が広がるのみかと思ったら、違った。(ヤノメ国やタクナハ村などかなりの文明が発達していた)
 とにかく、過酷な環境下で少年一人で生き抜くという悲しい設定で、夢見ていた楽園に到達することは叶わず、オオカミ状態のフシにしか見られず、息絶えていくのは……悲しい。

4.都合の良い設定や展開
・パロナの死をフシが察知しなかったが、姿や能力などをコピーして変身できたこと
・過去に触れて痛さを感知できたことのあるものを再生する能力
・フシたちが幸せになれそうなタイミングでノッカーが出現(出現から次の出現まで、ノッカーは何をしているのだろう)


 ストーリー全体としては疑問点が多いが、1話ごとの話は非常に面白い。
 第1部は謎を残したまま終了。第2部は2022年秋とのこと(遠い未来だ…)
 でも、原作を知っている方、今後のストーリーのネタバレはご勘弁願います。
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