英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

あの件はどうなったの?……ガーシー、高市(公的文書)、統一教会への質問権などなど……

2023-05-11 19:31:37 | 時事
 最近、全く話題に上らないガーシーはどうなったのだろうか?
 まだ、日本に送還されないのだろうか?「ガーシー」という語句で検索しても、4月以降の記事にはヒットしない。
 情報番組もあれだけ毎日、騒いでいたのに?……もう飽きたのだろうか?
 高市大臣についても同様である
 総務省の内部文書について、参議院予算委員会で小西議員から追及を受けると、文書に記載された自身のやりとりについて「捏造だ」と断言。捏造でなければ、大臣、議員を辞職する意向を表明したものの、総務省が小西議員がが公表した文書と省内に保存している行政文書が同一のものであることを認めてしまい、「捏造」という言葉を引っ込めてしまった。それ以降も、なんだかんだと取り上げられていたが、結局、有耶無耶……(統一教会との関係が問題になった議員を含めて)ほとぼりが冷めてしまったのだろうか?

 WBCによって、政治などのゴミや埃や胡散臭いことが一掃されてしまった。
 それに加え、《新型コロナウイルス感染症が5類へ移行》《能登地震(今日は千葉県南部でもM5.2の地震)》《岸田総理襲撃》《統一地方選挙》《東京五輪汚職》……直近だけでも《銀座宝石店強盗》《中学校教諭が殺人容疑で逮捕》《中学生が刺される》《アルカリ性洗剤を入れたアルミニウム製缶が爆発》と事件が続出。海外にいるガーシーなど遠い過去の事件として忘却の彼方へ追いやられてしまっている。


 でもね、視聴率が取れなくても、過去の事件を置き去りにしないでほしいのだよ!
 よく『報道の自由』とか言うが、『報道の義務』も果たしてほしい。
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謎の呪文

2023-05-10 15:09:38 | 芸能
 trf を初めてテレビで観た時、衝撃だった。
(ちなみに、1992年9月結成、trfとして1993年2月にデビュー。1996年にTRFに改称。この記事を書くに当たり、小文字か大文字かどっちだったか悩んだが、改称していたんだ)

 確か、何かの音楽番組で『BOY MEETS GIRL』と『survival dAnce 〜no no cry more〜』、2曲続けて聴いた。
 甘酸っぱい青春を思い出させるメロディ。YŪKI(現名称:YU-KI)の透明感があり硬質の高い声、ステージ全体に拡張するダンス。非常に個性的なDJ KOO。
 『BOY MEETS GIRL』で一瞬で魅せられ、『survival dAnce 〜no no cry more〜』の出だしで、《おお、この曲もいい!》と。
 (『survival dAnce』は出だしはすごく好きなのだが、サビの繰り返しが少し単調になるのは残念)
 後に聴いた『寒い夜だから…』『CRAZY GONNA CRAZY』『masquerade』も良い

 この当時、ダウンタウンの松本にDJ KOOは「どこの部族の酋長ですか?」とからかわれていた……(「酋長」には“未開の”という意味が含まれていて、厳密には侮蔑的な語と捉えられ、現在では「首長」、「部族長」が使用されているらしい)

 最近、ベストアルバムの『WORKS -THE BEST OF TRF-』(2枚組)を購入。
 『BOY MEETS GIRL』が好きなので、DISC2ばかり聴いている。『survival dAnce 〜no no cry more〜』と『寒い夜だから…』はDISC1に収録されている。2枚セットできるカーオーディオが欲しいなあ。(CDは時代遅れ?)
 知らない曲も収録されているが、『BRAVE STORY』は名曲、『BRAND NEW TOMORROW』も好みだ。
 CDで聴いてみて感じたが、ラップと言えばいいのだろうか、“応援的掛け声”?が非常に良い!

 ……で、表題の『謎の呪文』である。
 “TRF” “呪文”でピンとくる方も多いと思うが、そう、『BOY MEETS GIRL』の冒頭やサビに挿入されている呪文のような、あれ……
「おーいじーにょーつーりまーいなーーい しにょーつーぅ」

 何語? 何て言っているんだろう?……呪文?
 私と同じ疑問を持つ人が多いようで、知恵袋で何人も訊いていた。
 中でも言葉を忠実に?再現して尋ねていたのが
「昔から疑問に思っていましたが、trfのboy meets girlのイントロで女の人の声で「おーいじーにょーつーりまーいなーーい しにょーつーぅ」みたいなのありますよね?何て言ってるんですか?」(2013年)

 それらの質問の回答で、おそらく正解だろうと言われてるのが
《boy meets girl という音声を逆回転させて再生している》(ユーキの声)というモノ。


 そうだったのか!なるほど!
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2023王位リーグ 豊島九段-羽生九段 …最後は気持ちというが……

2023-05-09 17:44:21 | 将棋
昨日は、当事者(豊島-羽生戦の観戦者)しか分からない記事を書いてしまいました。

・序盤は研究を踏まえた早指しの豊島九段が、手拍子で指して形勢を損ね、2時間を超える大長考に沈む
・2時間の大長考後に指した手は最善手であったと思われるものの、AbemaTVの評価値は80%を超える羽生九段の大優勢
・羽生九段はその後、次善手を続けた(最善手を逃すことが多かった)のに対し、豊島九段が最善の指し手を続け、徐々に形勢は接近(それでも、まだ羽生有利)。その後、羽生九段の疑問手で、一気に互角になったが、豊島九段も間違え、△3六金と飛車馬両取りを掛けて、再び羽生優勢になった。豊島九段は、両取りに構わず後手玉に迫って、「飛車か馬のどちらを取るのか?」の二択局面に
・羽生九段、飛車を取ってしまい、一気に敗勢に(評価値17%)
・豊島九段が寄せを間違い、羽生九段が勝勢になったものの、羽生九段玉は打ち歩詰めで詰みを逃れているという危険な状態。頭の丸い角、桂以外の駒を渡せない状態(逆に言うと、角桂は渡して、詰めろを掛ければよい)

・果たして勝ち切れるか?…

 ……《歩以外の前に利く駒(香、銀、金、飛車)を渡さない》(渡す時は詰ます)という条件から、銀を馬から逃げつつ先手玉に迫る△5六銀が正解……ということは、プロならたどり着けると思うが、難解な局面を考え続けた消耗した頭脳や精神で、正着を導き出せるか?
 残り時間は31分。3分、6分、9分と過ぎていく。勝ち筋が見えないのか、見えているが、読み切れないのか……12分の考慮で銀をつまみ、(羽生九段から見て)斜め前に動かす映像を観た時は、本当にうれしかった。
 その後も、評価値98~99%になっても、誤ると一気に1~2%に転落する平均台のような細い道を進まなければならない。
 豊島九段も、香を逃げたり、角を打って詰めろを外したりと、抵抗を続ける。 
 …………そして、ようやく必至が掛かり、豊島九段が投了。………疲れた。

 以前はこれほど疲れなかったが、2,3年前は、逆転負けも多く、敗局後は打ちひしがれることが多かった。
 なので、勝勢でも全く安心できない(羽生先生、ごめんなさい)。

 そんな訳で、昨日は大変だったが、勝てば疲労も半減するし、回復も早い。(負けると疲労は倍増、回復も遅く、精神的ダメージはずっと残る)


 △5六銀の数手後、飛車で8九の桂を取った手が、詰めろになっていた。
 この詰めろ、先手の左翼方面を勢力下においていた銀や歩が、先手玉のいく手を遮ぎって詰んでしまうモノ。
 さらに、自陣で隠居して働かなかった後手の飛車角が、この詰みに大活躍する……

 《最後は気持ち》と思うことは多いが、この将棋は《最後は運か?》と感じた。
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そっち(飛車)を取るのかぁぁ…

2023-05-08 18:28:08 | 将棋
そっち(飛車)を取るのかぁぁ…
 馬を取るのが普通の(筋が良い)感覚。
 筋悪く飛車を取るのは羽生九段らしいが……ここは筋良く指してほしかった。

 まだ、あきらめてはいけない。まだ、あきらめない。
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今日のNHK杯将棋トーナメントを観て

2023-05-07 16:13:29 | 将棋
 今日のNHK杯将棋は、▲久保敏明九段-△田村康介七段。解説は鈴木大介九段だった。
 顔ぶれを見て、小学生名人戦を思い出した。
 鈴木、田村の両氏は、小学生の頃の面影が濃く残っている。

 鈴木九段は、当時、お坊っちゃん風だったイメージがあり、あの当時の姿や性格のまま大きくなった感じ。素直で優しい人柄の良さが感じられる。
 お坊っちゃん育ちかどうかは定かでないが、父親はアニメーターの鈴木康彦で、NHK『みんなのうた』や、テレビアニメ『無敵超人ザンボット3』の作画などをした人物(ウィキペディアより)。
 氏には、一度だけお話させてもらったっことがある。王位戦の羽生ー深浦戦の夜、対局場の旅館の近くの居酒屋だった。
 想像通りの人柄だったが、父親が危篤(既に急逝していたかも)の知らせを受けて、急遽、東京に戻ったと記憶している。

 田村七段は“わんぱく坊主”のイメージがある。現在は“わんぱくおじさん”風。
 鈴木九段の解説が面白かった。
 「彼の銀は絶対引かない(後退しない)」「彼は、秒読みの時間いっぱいまで考えて指すことができない」「奨励会で対戦すると、自分も早指しなので、すぐ終わってしまう」

 鈴木九段も解説の中で、「久保九段は同学年、田村七段は1学年下」と述べていた。
 久保九段も小学生名人戦で観た記憶があり、《たぶん、あの子だろう》という当時のビジュアルが思い浮かぶ。鈴木九段に準決勝で敗れている。
 久保九段は、最近、渋いというか、ダンディーと言うか。真部九段がイメージに重なる。

 鈴木九段が優勝し、次の年に田村七段が優勝している。小学生名人戦の記憶としては、2年間が印象が強く残っている。
 あとは羽生九段の優勝と、準決勝で大逆転で敗れてしまった菅井八段は印象深い。インタビューで必死に悔しさ、悲しさをこらえている姿は今でも覚えている。翌年もベスト4に勝ち上がり、2年連続登場。準決勝を勝ち、決勝は敗れてしまったが、笑顔らしきものが見えたのでホッとした(内心は悔しかったとは思うが)
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『3人家族』第5話

2023-05-06 17:07:30 | ドラマ・映画
(ドラマの詳細はさて置き、第5話の前半約8分をお楽しみください)

横浜駅の外景の映像……朝の通勤ラッシュの駅の構内、列車に乗り込むサラリーマンたちの姿……
矢島正明のナレーションが挿入(以下、”ナレーション”を青字、“ト書き”は括弧書きで表記)(ト書きは私の表現)
 晩秋の朝であった。相も変わらぬ混雑の朝であった。
 しかし、その朝、雄一と敬子は初めて言葉を交わした。

(満員電車の中で、雑踏に押されて密接に近い状態で、相向かい合う)
「あっ」(ニコ、敬子は少し微笑む)
「混みますねえ、毎日」(混雑にうんざりしているように話しかける)「ほんとに」
 (列車が揺れ、さらに乗客の圧力が増し、堪えるふたり)
 奇妙な出会いであった。行きずりに幾度か遠く目にした相手と、いきなり、抱き合うようにして向き合っていることがおかしかった。
 (さらに、乗客の圧力が増し、それに抗するふたりだが、さらに密接。少し嬉しそうに照れる敬子)
 横浜新橋間は26分である。間に川崎と品川で停車する。
「くっ、あぁ、ほんとに混むなあ」「ええ」
 (川崎に停車)
 川崎でさらに混んだ……
 ……雄一の前に、彼女の髪があった。かすかな香料と娘の髪の甘い匂いが優しく彼を包んだ。
 敬子は背広の匂いがすると思った。ナフタリンと煙草のにおいが、彼女を混雑から控えめに庇っていた。
 川崎から品川までの12分間、ふたりはほとんど動かず口もきかなかった。
 雄一は心に何か急き立てるものを感じていた。《黙っていていいのか?何も言わずに終わっていいのか?》
 《しかし、話しかけてどうなるというのだ。自分は今忙しいのだ。気にかかる人などできて、気が散るのは困るのだ》

 (品川駅に停車)
 品川ではかなりの人が降りた。
 車内はだいぶゆとりができたが、雄一は敬子との距離をあまり開かなかった。
 敬子はそれが嫌ではなかった。《それにしても、この青年は何と無口なのだろう。内気なのだろうか。普通の若い男性はこんなものだろうか?》

「お降りになるのは、新橋?」「ええ」
「前に新橋で…」「そうでした。乗り損なった電車にあなたが乗っていましたね。その前にも何度かお会いしました」
(覚えていてくれたことがうれしそう。彼の声に頷く敬子)
「(念を押すように)ほんとに何度も」
「ええ」
 《今日で5度目だ》と敬子は思った。
「今日は…7度目だなあ」
「そんなに?」「確かに7度も」
「誰かのいたずらみたいに何度も」「ええ」
「どうしたんでしょ、こんなにお会いするなんて」
 ……答えがなかった。敬子はその沈黙に、自分を拒む意思のようなものを感じた。
 雄一は自分を抑えていた。会話が、たちまち“恋のやり取り”めいてくるものに驚いている。
 《いけないいけない、今月の17日には留学試験の第一次。試験に合格すれば、独身が条件の2年間の海外生活。それだけが、今の自分の目標なのだ》
 《この青年の態度は冷たすぎる》と敬子は思った。《あれほど幾度も出会って、ようやく今日初めて言葉を交わしたふたりではないか?
 それなのに、この青年はこの機会を少しも利用しようとしない。勤め先も名前も住まいも訊かない。それほど魅力のない女ではないつもりだけど》

 (新橋に到着、改札を通り、駅外の横断歩道を一緒に亘るふたり)
「お勤めはどちらに?」
「田村町です」
「あたし、霞ヶ関なの。……また、お会いするかしら?」(微笑みかける)
「さあ、逢うでしょう、近いから」(素っ気なく、そっぽを向く)
「そうですね、きっと」
「じゃ」(間髪入れず返事をし、去る)
 《まあ、失礼な》と敬子は思った。

(仕事で電話応対をしている敬子)
 《まるで逃げ出すようかの別れ方だわ…それなのに、私ときたら、勤め先を訊いたり、また会いたいようなことを言ってしまったり…
 今度会ったら、知らん顔してやるわ》

《彼女は怒っているだろうか?》と雄一は思った。
《しかし、どうしようがあったのか?あのまま甘い会話のやり取りを続ければ、自分は次に会う日を約束してしまったかもしれない》
《美しい人だ。……しかし、今、恋愛は困るのだ。試験があるのだ。留学があるのだ》
 そう思いながら雄一の足は霞ヶ関の方に向かっている。
《彼女は勤め先を霞ヶ関だと言った。官庁だろうか?どこかの会社の秘書だろうか?あるいは、洋装店のデザイナー?》
 雄一には見当がつかなかった。女の人を知らなかった。どこへ置いても彼女は似合うような気がした。

 (広場の噴水の前で、霞ヶ関の建物を見上げる雄一)

………まるで小説である。
 “ト書き”的な状況説明はもちろん、二人の細かい心理・感情、思考もナレーションが語る。第1話~4話まで観ていないが、ほとんど把握できる親切なナレーションだ。
 ふたりの心理描写が面白い。

「雄一の前に、彼女の髪があった。かすかな香料と娘の髪の甘い匂いが優しく彼を包んだ。
 敬子は背広の匂いがすると思った。ナフタリンと煙草のにおいが、彼女を混雑から控えめに庇っていた」

……ちょっとピンクっぽい香りがする。
 登場人物の心理を描写するナレーションは、アメリカのテレビドラマ「逃亡者」からヒントを得ているらしい(ウィキペディアより)

 私はほとんど恋愛ドラマを観ないのでよくわからないが、独白的な気持ちや思考などは、普通、登場人物が語るような気がする。
 ナレーションは、簡単な状況説明だけ。あるいは、登場人物や話の展開などをナレーターとしての感想を交えて、その回の冒頭や終わりに語ることが多いような気がする。



【ドラマ情報】
放送局:TBS系列
出演:三島雅夫 竹脇無我 あおい輝彦 賀原夏子 栗原小巻 沢田雅美 菅井きん ほか
脚本:山田太一
監督(演出):木下恵介 川頭義郎
放送期間:1968年10月15日~1969年4月15日 全26回
放送日時:毎週火曜日 21:00-21:30


 BS松竹東急 『木下恵介アワー 3人家族」 毎週月~金
第5話は、5月5日(金) 17:00 - 17:30  再放送 5月8日(月) 11:30 - 12:00


 1週間ほど前に『銀座黒猫物語』を録画予約したつもりだったが、『3人家族」が録画されていた。
 竹脇無我さんは無茶苦茶男前で、栗原小巻さんは滅茶苦茶美人!
 当時は無我さんは24歳→25歳、小巻さんは23歳→24歳。
 『木下恵介アワー』というのはBS松竹東急のネーミングかと思ったら、1964年10月27日から1974年9月25日までTBS系列のテレビドラマの枠らしい。開始当初は『木下恵介劇場』。
 21:00-21:30の午後9時台で30分ドラマ枠というのが時代を感じる。
   
【細かい突っ込み】
横浜駅→川崎駅までの列車内シーンで、どんどん乗客の密集度が増し、二人への圧力が高くなるのだが、この間、乗客の乗降はなく密度は一定のはず。
喜劇ドラマなら、二人の周辺だけ人が密集していた…とかあるのだが。
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1992年度順位戦A級メンバー 『将棋世界』 1993年1月号

2023-05-05 18:12:27 | 将棋
「ちょっとこわかった話…『将棋論考』真部一男八段(当時)」の続きと言う訳ではないが、『将棋世界』誌の整理関連で…

 『将棋世界』1993年1月号をめくると、巻頭グラビアには第5期竜王戦第1局ロンドン対局を前に、谷川浩司竜王と羽生王座がロンドンを散策している。
 ロンドン橋、リージェント・ストリート、バッキンガム宮殿、近衛歩兵(モコモコの大きな黒い帽子に赤い制服)、ウィンザー城……30年前の風景だ。明日はチャールズ国王の戴冠式だ。

 記録室ページには、1992年11月23日現在の対局数、勝数、勝率部門の上位者記録が掲載。
 対局数は、1位 羽生善治 48  2位 森下 卓 44  2位 佐藤康光 44
 勝数は、 1位 羽生善治 37  2位 佐藤康光 34  3位 郷田真隆 31 
 勝率は、 1 位佐藤康光 .773 2位 真田圭一 .773  3位 羽生善治 .771
   “真隆”の変換順位は105番目。2度目に変換した時は7位に昇格。3度目は1位だった。“まさたか”の変換候補は118個もあった。
 棋戦情報は第51期順位戦 ショッキングなのは、大山十五世名人の2局目以降が「死去」の文字。大山名人が亡くなったのは1992年7月26日で、この1月号編集時点では4か月たったころだろうか。順位戦はこの時点で5~6局消化している。
名人 中原 誠
1位 高橋道雄九段 3勝3敗 現在C級1組在籍
2位 谷川浩司竜王 2勝4敗 現在B級2組在籍
3位 南 芳一九段 5勝0敗 現在フリークラス
4位 大山康晴15世 1敗後 死去(69最)
5位 有吉道夫九段 3勝2敗 2022年9月死去(87歳)
6位 小林健二八段 3勝3敗 引退 2022年3月31日
7位 米長邦男九段 6勝0敗 2012年12月死去(69歳)
8位 塚田泰明八段 4勝2敗 現在フリークラス
9位 田中寅彦八段 3勝2敗 引退 2022年4月15日
10位 田丸 昇八段 1勝5敗 引退 2016年10月25日
(成績には対大山戦の不戦勝も含まれている)

 B級1組には石田和雄九段、内藤國雄九段、小野修一七段、森安秀光九段、島朗七段(現在C級2組)、福崎文吾八段(現在フリークラス)、森雞二九段、大内延介九段、加藤一二三九段、桐山清澄九段、青野照市八段(現在C級2組)、羽生善治王座(現在B級1組)、富岡英作七段(現在フリークラス)の名がある。(称号、段位は当時のもの)

 フリークラスではなく順位戦で戦っている“純粋現役”は5人。70歳の青野九段は凄いが、上記のメンバーで加藤九段は77歳、内藤九段は74歳、有吉九段は74歳、桐山九段は72歳、森九段は70歳、大内九段は68歳まで順位戦を戦っている。
 因みに、順位戦最年長記録は加藤九段の77歳2か月(←年度最終日の3月31日とした場合)、2位は丸田祐三九段の77歳2か月。内藤九段はC級2組で1つも降級点を取っておらず、あと3期は在籍可能だったが、体力的な理由で引退した。
  とにかく、30年前にB級1組以上の在籍していて今も純粋現役でいる羽生九段、谷川十七世名人、青野九段、高橋九段、島九段は凄い。現在A級棋士の藤井六冠(20歳)はもちろん、永瀬王座(30歳9、斎藤八段(29歳)、菅井八段(30歳)は生まれているかどうか。豊島九段もまだ2歳のころだ。
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いつもの敗局より5倍悔しい【その2】……2023王位リーグ 羽生九段-永瀬王座

2023-05-04 12:59:08 | 将棋
《嫌い》という感情はあまりいい性質ではない。《嫌い》と思うことも良くないことなのだろう。
けれども、芸能人、スポーツ選手、棋士などについて、《嫌い》と思うことは許容されると思う。
ただし、SNSなどで「嫌い」と書くことは、「良くない」範疇にはいるだろう。
…「と思っているなら書くな」と言われたら、「その通りです」と言うしかないです。


 私は永瀬王座が嫌いである。
 これから書き上げることについて、永瀬王座に非はない(ルール上において非はない。世間常識においてもその範疇内で支持する人も多いと思う)

①タイトル戦で和服を着用しない
 タイトル戦に於いて、和服を着用しなければならないというルールはない。加藤一二三九段や島朗九段がスーツで臨んだ例もある。(和服の仕立てが間に合わなくて、初戦はスーツという例もあった)
 和服は慣れていないと、着脱やトイレなど大変かもしれない(長時間着座する場合は、和服の方が楽という説もあるが)
 そういう実用的な面はともかく、多額の対局料を伴い、対局場も上級な場を用意され、世間も注目するという点を考えるなら、対局者も観られていることを意識すべきである。

②A級順位戦、永瀬王座-佐藤天彦九段戦。マスク不着用による佐藤九段の反則負け
 けっこう長時間、佐藤天九段がマスク不着用だったので、マスク着用についての臨時対局規定による“反則負け”は妥当だと考える。
 しかし、人によって考え方は異なると思うが、まず、永瀬王座が「マスクをつけてください」と言うのが普通の対応だと考える。(何を以って“普通”というのか疑問の余地はある。“マナー”と言うのも少しずれていると思うし、いい表現はないかなと3分ぐらい考えた)
 公式な対局なのでルールに従うのが第一ではあるが、マスク着用がどのくらい感染予防に効果があるかはさて置き、マスクの規定の目的が、“コロナ感染の予防”にあるなら、まず、「マスクをつけてほしい」と言うのが第一であると考える。対局者だけではなく、記録係もいることだし。

③竜王戦1組トーナメント、羽生九段-永瀬王座戦。敗れた永瀬王座が、対局後、感想戦を行わなかった
 敗局内容に自分の不甲斐なさに怒りを感じ、感想戦を行わないというのは、心情としては理解できる。そういうこともあってもいいと思う。
 ただし、自分の飲んだペットボトルなどは持ち帰った方が良いだろう(「盤駒の管理や対局場の後始末は、記録係の仕事なので構わない」という意見もあるが、やはり、自分の出したゴミ(今は簡単に“ゴミ”と考えてはいけない。資源ごみとして再利用)は、自分が片づけるべきであろう。

 永瀬王座の研究など将棋への真っすぐな姿勢は感服している。
 “勝利至上主義”に受け取られる対局姿勢(臨戦態勢)は尊敬している。

 永瀬王座が“勝利至上主義”なのかは本人に聞かないと分からない(“将棋至上主義”であるとは言えそうだ)。
 ”勝利至上主義”の是非については賛否が分かれるところだ。拙ブログでも、「甲子園 ~勝利至上主義~」「Ⅰ.“ルール内”ということ」「Ⅱ.反則周辺のテクニック」「Ⅲ.将棋における反則や番外戦術など」「Ⅳ.阿久津八段の戦術の是非」「Ⅴ.阿久津八段の戦術の是非 その2」、語り合わせていただきました。
 微妙なケース(設定)の違いによっても判断が分かれるところで、本当に難しいテーマであるが、私の基本的思いは、《“ルールに抵触しなければ、勝利のためにする行為はOK”》というのは嫌いである。


 少し話が逸れてしまったが、永瀬王座は棋界1、2を争う研究家であるらしい。事前準備が凄くて、《どこまで研究してあるんだ?》とよく感じる。まあ、最近はタイトル戦やトップ棋士同士の対局は、ほとんどそう感じるが。
 羽生九段も相当深いところまで研究しているように感じる。

 さて、この一局も序盤は研究通りに駒を動かすだけという状況。(勝負のポイントについては「その1」をご参照ください)
 62手目までは羽生九段の通計の消費時間が3分、永瀬王座に至っては1分(60秒未満の考慮はすべて切り捨てて0分でカウントするので、ノータイム指しではない)。
 73手目でも羽生九段の通計時間が1時間29分に対し、永瀬王座は未だ1分!
 第1図直前の△4三銀(3二から上がった)~△4二玉~△3二玉の陣形整備は、短時間では指せない。羽生九段の73手目▲6五歩に対して初めて手が止まり、42分の考慮で△8七歩と着手。羽生九段の▲6五歩が想定外だったのか、課題が残っている手だったのか……

 この将棋、羽生九段も永瀬王座に同調するかのように62手目まで早指しだったのが意外(最近はそうなのかも?)だった。
 それはともかく、第2図まで考慮時間1分というのは、対局相手としては嫌なのではないだろうか?
 《相手の研究の網の中》という感触も嫌だろうけれど、何だか、永瀬王座と将棋を指しているというより、永瀬王座の研究と指している感じがする(まあ、現代の対局は、多かれ少なかれ、研究の勝負であるが)
 “永瀬王座の研究と指す”と書いたが、もっと言えば、“AI研究と指している”と言っても良いかもしれない。

 私としては、研究範囲でも第1図までなら10~20分、第2図辺りまでなら35~45分ぐらいは考えたい(王位リーグの持ち時間は4時間)。
 途中の景色も味わいたいし、実戦での景色の積み重ねで将棋の厚みも増すと考える。

 私は対局の当事者でないので、《途中の景色》とか《研究範囲かも》とか考えても関係ないのだが、《途中の景色など不要》というような永瀬王座の指し方に、イラっとしたのである。
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犯罪だろう! ~近畿日本ツーリスト 最大約16億円過大請求か コロナ関連事業で~

2023-05-03 17:19:58 | 時事
「近畿日本ツーリスト 最大約16億円過大請求か コロナ関連事業で」(『NHK NEWS WEB』 2023年5月2日 16時38分 )
 旅行大手の近畿日本ツーリストが、自治体から請け負った新型コロナ関連の委託事業で人件費を偽って費用を過大に請求した問題で、会社は、これまでの調査の結果、最大でおよそ16億円を過大請求した可能性があると発表した。

 高浦雅彦社長は会見で
「社会の皆様の信頼を裏切り多大なご迷惑をおかけしたことを厳粛に受け止め心よりおわびします。二度と発生させることがないよう再発防止策に誠心誠意取り組み、信頼回復に努めます」
と陳謝
「会社として不正な方法で利益をあげるということは認めていない。監督責任を痛感しており、お詫び申し上げたい」と述べた
 しかし、《会社として不正な方法で利益をあげるということは認めていない》……「不正な方法で利益をあげる」ということはこれは詐欺だろう。犯罪である
 “ご迷惑”とか“お詫び”というレベルではない!
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いつもの敗局より5倍悔しい……2023王位リーグ 羽生九段-永瀬王座

2023-05-02 22:14:36 | 将棋
 大逆転と言っていいだろう。
 “大逆転負け”なので、通常の敗局より悔しいのは当たり前だが、いつもの逆転負けより5倍悔しさを感じる。
 悔しさをもう少し詳しく言うと、“がっかり”とか“残念”というモノより、“腹立たしさ”に近い感情だ。

 (これについては後述します。おそらく、「その2」になると思いますが、一晩経って冷静になり、「その2」を書かないかもしれません。でも、この際だからと書いてしまうかもしれません)

 将棋は、羽生九段の強気な指し手が功を奏し、どんどん玉が敵陣に突進。単騎の入玉なので、勝ちにもっていくまでは、まだまだ、険しい道のりだ。

 図は、7五の桂を成ったところ。狙いは金の入手。図で後手に金があれば1手詰。▲8七同金△同角成▲7二玉と素直に応じたのはどうだったか?確かに、先手は銀+桂と後手は金のみの駒得。それに、先手玉のにとって脅威の銀も排除できるので、理に適った指し方ではある。しかし、1手詰はともかく、後手が金を入手すると先手玉の危険度が一気に増すので、道が少し険しくなったようで、嫌な予感が少し……
 図では、▲8九金(金を与えない)も有力だったが、▲6三歩(変化図1)が良かったように思う。

 放置すれば▲7二玉と銀が取れる。かと言って、①△6三同角だと▲8七金で桂がタダ。また、②△6三同銀だと先手玉が安全になる(以下▲9一玉△8八成桂には▲9四桂と味良く桂を活用)。③7一歩には、先手も▲6二金と手厚く指すか、▲7一玉と図々しく指すか、▲8九金と手堅く指すか……いずれも良さそう。

 実戦は、第1図以下▲8七同金△同角成▲7二玉(▲7一金が正着かも)△5四馬▲6三歩△7一歩▲同玉△6三馬(△5三角が正着かも)と進んだ(第2図)。

 正確に指せば、先手の勝ちらしいが、先手玉は相当心もとない。
 飛車を打って凌ぐのが良いようだが、8二から打つのか、7二から打つのか……
 おそらく、7二から打った方が良かったようだが、▲8二飛も大きく形勢を損ねる手ではない。ただし、△8一歩(第3図)が非常に嫌味。

 羽生九段、残り17分から12分考えて、▲6二金(第4図)。


……悪手だった。大優勢から一気に互角に。残り時間は5分。
 △5三角と指された局面。互角でも、勝ちやすさ(負けやすさ)が先手と後手とでは大差。▲6二金は実質的敗着。

 第4図の正着は▲7四銀(一瞬、タダかと思ったが、桂の紐が付いている)。
 ▲6二金も▲7四銀も馬取りを掛けながら先手玉周辺の勢力を強めようとする手であるが、この2手には大きな違いがあった。

 それが、《△5三角が成立するかしないか》の違い。▲7四銀にも△5三角とすると、一瞬で先手の勝ちになる。………反則勝ちだ。
 ▲7四銀に後手は①△5三馬、②8二歩、③5四馬、④7四同馬などが考えられるが、①は▲8一玉、②は6三銀不成、③は▲8三飛成、④は▲4二飛成△同金▲7四桂で、先は長いが勝勢に近い。

 非常に残念な敗局。入玉将棋での嗅覚が鈍っていたのか……ここ数局、中盤で時間の使い過ぎの傾向が……それでも、勝ち切っていたので、復活の機運が強くなっているように思ったが、やはり、もう少し終盤の時間を残してほしい。
 今回の一局で、入玉将棋の勘も戻ったはず。リーグ最終局の豊島戦に期待したい。
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