4.8km、最初の給水所が現れる。
少し迷ったが水を口にする。
給水所にはコーラもある。
たぶん今回から初登場の魔法の水「コーラ」。
約5km地点では魔法も効かないだろう・・
9km地点竹屋敷の集落を通過。
辺りはもう随分明るい。
10km地点通過。
ちょうどキロ6分。
自分の走力ではこれ以上突っ込んではいけない。
山道になり徐々に登り始める。
エイドで給水。
曇り空なのにやたらと喉が渇く。
普段のジョグでは調子の悪いときに多い。
15km地点通過。
まだキロ6分台。
ヘアピンカーブから急坂に入る。
「堂ヶ森の峠」スタート。(標高600m)
峠の頂上付近を見上げる。
若干空が明るい感じ。
エイドで雨用のポンチョを脱ぎ捨てて戦闘モードに入る。
峠中盤から早くもキツくなる。
どんどんと健脚ランナーに抜かれる。
抜いていくランナーのふくらはぎが凄い。
ふくらはぎの中で違和感を感じ始める。
「攣り」の前兆なのか・・、
恐怖を抱えながら峠を登る。
タイムがどんどん落ちる。
「堂ヶ森」、この峠は四万十ウルトラの醍醐味でもある。
困難が多いほど攻略する喜びも大きい。
これは「M」的な考えでもある。
100kmもの長い道程の中に標高600mの峠、
これを喜んで走るランナー達は「ドM」の集団なのか・・・、
「四万十ウルトラ」=「M1グランプリ」。
頭の中で妙な事を考えながらひたすら登る。
しかし体が重い。
20km地点通過。
「ピーーー」
20km毎に設置された計測ポイントで音が鳴る。
靴紐に装着したレーシングチップから通過速報がWebにアップされる。
「2時間16分」
やはり今までで一番遅い。
どうやら今回の不調を自覚しなくては・・
21km峠の頂上。
ランナー達にとってはオアシス。
やっと峠が終わった安堵感が辺りに広がる。
エイドでおにぎりを食べる。
エネルギー切れも致命傷になりかねない。
救急車が待機している。
2年前にはハチに刺される騒ぎがあったらしい。
今年は何もなければいいが・・
軽く屈伸して下りに向かう。
この下りは9㎞。
リズムを取り戻すチャンスであったが、やはり体が重い。
雨がポツポツと落ちてくる。
すぐにしっかりとした「小雨」になる。
ポンチョを捨てたことを後悔する。
しかしシューズの中が濡れるほどの雨でもなく、たいして気にはならない。
長い下りは脚の負担が大きい。
スピードに乗りたいけれども不調。
不調な時に無理をすると後半に潰れる。
自重してキロ7分台で走る。
この区間をキロ7分台は相当にヤバいのは承知している。
「お~い」
後ろから友人女性Mさんが飛脚Tシャツで現れる。
「追いついたね~」
余裕さえ感じられる彼女。
「袖のロゴマーク、宣伝頼むで~!」
「了解、でもこっちの袖も見てホラ!」
右袖にはアンパンマンのバッヂがついている。
「追悼やけんね~」
先日お亡くなりになった「やなせたかし」さん。
高知県を代表する漫画家でもあり「詩人」でもあった。
【何の為に生まれて 何をして生きるのか】
【答えられないなんて そんなのは嫌だ!】
去年も100kmを完走した彼女は足取りよく前に消えた。
背中の「飛脚」の文字がよく目立つ。
「チーム飛脚」
Web上で起ち上げた同級生のランニングチーム。
勢い余ってお揃いのTシャツを製作した。
今回は同級生以外にも知人を通じて沢山のランナーに着てもらった。
「60kmの部」には面識のない飛脚も多い。
「監督」としては何としても追い付いて合流するつもりだったが・・。
30km地点、
やはりキロ7分台。
「お~い」
再び後ろから友人女性Mさんが飛脚Tシャツで現れる。
「え?何で後ろから?」
「ああ、トイレトイレ~」
女性ランナーは少ない仮設トイレに列を作る。
大幅なタイムロスは間違いない。
山道が多いんでどうしても仮設トイレには頼らないといけない。
仮設トイレの増設は何とかならないものか・・
そういえば今年は男性ランナーの立小便が例年よりも少なく感じた。
これは大変いい傾向だと思う。
山道が終わり四万十川と合流する。
川の景色は癒しの効果がある。
「何の為に生まれて 何をして生きるのか・・」
疲労度が増した頭では全く考えられない・・。
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