とても女性的な内容です。
主人公は、珊瑚という名の若いシングルマザーだが、
物語の中にいろんなタイプの女性が登場し、助け合ったり、非難したり。
人とかかわりながら、一人一人が自分の居場所を探し求める人生を
梨木さんらしい細やかな感受性で描き出していて、気づかされることが多い。
珊瑚は、幼子(雪)を抱えたシングルマザーゆえに気を張って
人に頼らずに生きていこうとするが、結局誰かの手を借りなければならない。
その様子を他人が見ると、わざと人の憐みを受けようとしていると非難されてしまうこともある。
珊瑚のことを非難する女性からの手紙は痛烈だった。
が、私の中にもそう感じるところがあるかもしれない。
だが、珊瑚という女性を知るほどに、役に立ちたいと思う。
登場人物のいろいろが私の中に全部ある。その比重が人によって異なるのだろう。
そこに様々な世間の目とかプライドとかややこしい壁ができてくる。
「年上として気が付くべきでした」というくららの言葉は、
年長になるにつれて若い人に対する広い責任を負うことを同感する。
珊瑚の目いっぱいの毎日の中、やっと離乳食が始まった雪は
しばしばふっと驚くような成長を見せて幸せな気持ちになる。
新鮮な野菜、様々なハーブ、野菜料理のレシピ、あれこれたくさん登場して
作りながら食べながら物語は進む。
何を材料にするか、どんな料理を食べるか、
だれと食べるか、どんな場所で食べるか・・・食べるってやっぱり大切だ。
人はそれぞれ異なる気配(けはい)を持っている。
人に纏う酵母が異なり、その結果、その時々で発酵の仕上がりが異なるというくだりは『沼地のある森を抜けて』を思い出させた。
主人公は、珊瑚という名の若いシングルマザーだが、
物語の中にいろんなタイプの女性が登場し、助け合ったり、非難したり。
人とかかわりながら、一人一人が自分の居場所を探し求める人生を
梨木さんらしい細やかな感受性で描き出していて、気づかされることが多い。
珊瑚は、幼子(雪)を抱えたシングルマザーゆえに気を張って
人に頼らずに生きていこうとするが、結局誰かの手を借りなければならない。
その様子を他人が見ると、わざと人の憐みを受けようとしていると非難されてしまうこともある。
珊瑚のことを非難する女性からの手紙は痛烈だった。
が、私の中にもそう感じるところがあるかもしれない。
だが、珊瑚という女性を知るほどに、役に立ちたいと思う。
登場人物のいろいろが私の中に全部ある。その比重が人によって異なるのだろう。
そこに様々な世間の目とかプライドとかややこしい壁ができてくる。
「年上として気が付くべきでした」というくららの言葉は、
年長になるにつれて若い人に対する広い責任を負うことを同感する。
珊瑚の目いっぱいの毎日の中、やっと離乳食が始まった雪は
しばしばふっと驚くような成長を見せて幸せな気持ちになる。
新鮮な野菜、様々なハーブ、野菜料理のレシピ、あれこれたくさん登場して
作りながら食べながら物語は進む。
何を材料にするか、どんな料理を食べるか、
だれと食べるか、どんな場所で食べるか・・・食べるってやっぱり大切だ。
人はそれぞれ異なる気配(けはい)を持っている。
人に纏う酵母が異なり、その結果、その時々で発酵の仕上がりが異なるというくだりは『沼地のある森を抜けて』を思い出させた。
この現実をどうしたものかとちょっぴり悩んでいたら、
この物語の中で、世の中で一人くらいは救えるかと思って結婚してみた「くらら」や久しぶりにひょっこり現れた元夫に今更なに?と思ってしまう「珊瑚」の態度に、ほくそ笑む私も典型的な女だなあと安心しましたよ。
いつもやくさんの自然の写真に和まされています。
最近、必要に迫られ実用書しか読んでいない上に、仕事で関わる人たちも中高年男性ばかり、さらに年齢的なものも加わり、自分の発想が「女のおじさん」になりつつあることを自覚する今日この頃です。
だからこれは今、私に1番必要な本かも!?
但しおじさん化している私に登場人物の心理が理解できるか不安です(笑)
「沼地のある森を抜けて」もこちらの本も食べ物の記述のある小説が好きなので、楽しみです