あしひきの やましたみづの こがくれて たぎつこころを せきぞかねつる
あしひきの 山下水の こがくれて たぎつ心を せきぞかねつる
よみ人知らず
山蔭を流れる水が木々に隠れながら激しく流れるように、私の恋心もせき止めることは叶わず激しく沸き立つのであるなあ。
「せきぞかねつる」が少しわかりづらいですが、「せき」は「堰」、「かねる」は「~しかねる」「~できかねる」と言うときの「かねる」で、「できない」の意。流れの激しさだけでなく、人知れず山間を流れる水に準えて、秘めた恋情を歌い上げています。