貫之集 002 2023-04-18 05:56:58 | 貫之集 しらゆきの ふりしくときは みよしのの やましたかぜに はなぞちりける 白雪の 降りしくときは み吉野の 山下風に 花ぞ散りける 白雪が降りしきるときは、まるで吉野山から吹き降ろす風に花が散っているようだ。 001 に続いて、藤原貞国の四十歳を祝う歌。古今集 0363(巻第七「賀歌」)にも採録されています。一見、「お祝い」の要素が入っていないように見えますが、風に舞い散る雪を春たけなわの穏やかな花吹雪に見立てることで、飛び舞う無数の花びらが主の長寿を寿いでいる情景を表現しています。