漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 012

2023-04-28 05:49:25 | 貫之集

七月七日

たなばたに ぬぎてかしつる からころも いとどなみだに そでやくちなむ

たなばたに 脱ぎてかしつる 唐衣 いとど涙に 袖や朽ちなむ

 

七月七日

脱いで織女に供えたこの衣は、逢瀬のはかなさを嘆く織女の涙で朽ちてしまうことでしょう。

 

 「かす」はここでは供える意。「いとど」の「いと」は「糸」を連想させ、「唐衣」と縁語をなしていますね。
 拾遺和歌集(巻第三「秋」 第149番)にも収録されています。