あふことの いまははつかに なりぬれば よるふかからで つきなかりけり
逢ふことの 今ははつかに なりぬれば 夜深からで つきなかりけり
平中興
逢うことが今はわずかになってしまったので、二十日の月が夜深くにならないと出ないように、夜更けにならないと逢うすべがないのだった。
「はつか」は「わずか」の意と「二十日」、「つき」は「手立て」の意と「月」の掛詞になっています。手元の解説本には、「二か所の掛詞はほとんど駄洒落」との記載がありますが、駄洒落でない掛詞と駄洒落の掛詞の違いは正直まだわかりません ^^;;;
作者の平中興(たいら の なかき)は平安時代前期の貴族にして歌人。古今和歌集に二首、後撰和歌集に二首が入集している勅撰歌人です。