漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 1049

2022-09-13 05:16:14 | 古今和歌集

もろこしの よしののやまに こもるとも おくれむとおもふ われならなくに

もろこしの 吉野の山に こもるとも おくれむと思ふ われならなくに

 

左大臣

 

 たとえあなたが唐土の吉野の山に籠ったとしても、一人取り残される私ではないのだがなぁ。

 「もろこしの 吉野の山」とは、もちろん実際に中国に吉野山という山があるということではなく、吉野の山が遠く中国にあって、その遠いところにあなたが籠ったとしても、という誇張表現。この大げさな物言いが諧謔歌たる所以でしょう。

 作者の左大臣(ひだりのおほいまうちぎみ)は藤原時平のことで、0230 以来の登場。古今集への入集はこの二首です。



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