続いては合格へのもう一つのポイント、1級四字熟語への取り組みです。なかなか負担の大きい、時間も精神力も要する項目ですが、克服すれば確実な得点源ともなる分野ですので、しっかり取り組みたいところです。
<なぜ「網羅」することが必要か>
このブログでも繰り返し書かせていただいていることですが、私が1級配当の四字熟語は「過去問や問題集にあるもの+アルファ」にとどまらず、すべてを網羅して学習すべきと考える理由は以下の通りです。
1. 配点が大きいこと
四字熟語が直接問われる本試験の設問(五)に30点が配点されているだけでなく、一見新出問題と見えるものも、1級四字熟語の知識があれば正解できる問題が毎回複数出題されており、これを網羅することで50点程度の得点確保が見込めます。その波及先は、(一)読み(二)書き取り(四)語選択書き取り(八)類義語対義語(九)故事・諺(十)文章題と、本試験の設問のほぼ全域に渡ります。
2. 1級配当漢字が学べること
1級配当とされている四字熟語には、基本的に一つ以上の1級配当漢字が含まれており、四字熟語を一通り学ぶことで、1級配当漢字の半数近くに触れることができます。これによって、最近難化が著しい音読み問題対策としての効果も期待できます。
3. 出題範囲の限定された分野であること
網羅すべき1級配当四字熟語は、「●●之●」型のものも含めて約1,000語です。学習開始当初の段階でもともと知っている熟語は殆どないと思いますからこれはこれで厖大な数とも言えますが、それでも範囲は明確に限定されています。これを網羅することで設問(五)では28~30点が期待でき、さらに20点分以上の波及的効果も望めるのですから、1級全体の中では非常に効率の良い、「おいしい」分野と考えるべきでしょう。
4. 間接的ながら、(五)の下位級配当四字熟語対策にもなること
これは少し説明が必要かもしれませんが、1級四字熟語を網羅しておけば、このところ本試験(五)でほぼ必ず出題されている下位級配当四字熟語や「漢検 四字熟語辞典」に載っていない四字熟語の問題への対策にもなるということです。なぜならこうした問題は出題されたとしても1~2問であり、それ以外の1級四字熟語8~9問を正解してしまえば、あとは「消去法」が効くからです。こうして言葉だけで書くと実感が湧かないかもしれませんが、今後の記事で本試験中の思考パターンについて触れる予定なので、そちらで改めて詳しく書きたいと思います。
<1級四字熟語への取り組み方>
さてそれでは実際の取り組みですが、「漢検 四字熟語辞典」は必ず用意して手元においておきましょう。始めから「『漢検 漢字辞典』を隅から隅まで精読して全部覚える!」という勉強法を取る人には必要ないかもしれませんが、当記事はそういうやり方ではなく、いかに効率よく初合格を達成するかが主眼ですので、やはり四字熟語辞典はあった方が良いと思います。
最終的には1級配当のものをすべて学習するわけですが、手始めはやはり過去問にあるものからでしょう。「完全征服」と「分野別」には、のべで約260、重複を除くと約190の1級四字熟語が問題として掲載されていますので、その他の分野と同じくこれをひたすら解いて覚えて行きます。直近の本試験ではこれらに含まれないものも毎回出題されていますから、それも含めれば広義の「過去問」で200以上の四字熟語を学習することができるでしょう。この際、もちろん問われていない方の2文字も書けるようにするとか、意味も選択肢がなくても言えるようにするとかに越したことはありませんが、前回書いたように、始めからそのように勉強のハードルを上げて取り組むことはお勧めしません。出された問題をその問題としてそのまま正解できることを目標に数と回数を重ねて行ければ、それで良いと思います。
そのような取り組みの結果、過去問の学習に目処がついてきたら、次は過去問にない熟語です。ここで念のための留意事項ですが、「漢検 四字熟語辞典」で「1級配当」とされている熟語の中には、漢検配当外の漢字が使われているものが50ほどあります。これはさすがに出題されることはないでしょうから、学習対象から外しましょう。またそれ以外でも、単に人の名前を4つならべただけのものや、地名などの固有名詞の部分、さらには、意味内容が余りに下世話ないし貧弱なものは除いても良いと思います。
さて、これらを適宜除くとして、学習すべき熟語数は残り約800。こちらは問題形式になっていないのですから、四字熟語辞典から自分で抽出して学習していかなければなりません。ノートやエクセル、単語カードなどに転記するとか、またその際もそのまま書くのが良い人もいれば、問われそうな2文字を隠して問題形式にした方が良い人もいるでしょう。そのあたりは、試行錯誤して自分にフィットしたやり方を見つけていただきたいと思いますが、PCやエクセルが得意な方であれば、私がしたようにエクセルで問題集化するのも良いと思います。
それから、四字熟語分野に限りませんが、先人のブログを教材として活用することもぜひ検討してください。一例をあげれば、and さんが書かれている 「漢検レシピ Season 2」 などは非常にお勧めで、四字熟語の他にも故事・諺、熟字訓・当て字の問題が大変充実しています。
また、私が良く用いた方法としては、このブログでも時折ご紹介していますが、何かのテーマで四字熟語をまとめ、整理することも、記憶の定着に有用と思います。手前味噌になりますが、当ブログのカテゴリ「四字熟語」の記事なども参考になさってください。
<なぜ「網羅」することが必要か>
このブログでも繰り返し書かせていただいていることですが、私が1級配当の四字熟語は「過去問や問題集にあるもの+アルファ」にとどまらず、すべてを網羅して学習すべきと考える理由は以下の通りです。
1. 配点が大きいこと
四字熟語が直接問われる本試験の設問(五)に30点が配点されているだけでなく、一見新出問題と見えるものも、1級四字熟語の知識があれば正解できる問題が毎回複数出題されており、これを網羅することで50点程度の得点確保が見込めます。その波及先は、(一)読み(二)書き取り(四)語選択書き取り(八)類義語対義語(九)故事・諺(十)文章題と、本試験の設問のほぼ全域に渡ります。
2. 1級配当漢字が学べること
1級配当とされている四字熟語には、基本的に一つ以上の1級配当漢字が含まれており、四字熟語を一通り学ぶことで、1級配当漢字の半数近くに触れることができます。これによって、最近難化が著しい音読み問題対策としての効果も期待できます。
3. 出題範囲の限定された分野であること
網羅すべき1級配当四字熟語は、「●●之●」型のものも含めて約1,000語です。学習開始当初の段階でもともと知っている熟語は殆どないと思いますからこれはこれで厖大な数とも言えますが、それでも範囲は明確に限定されています。これを網羅することで設問(五)では28~30点が期待でき、さらに20点分以上の波及的効果も望めるのですから、1級全体の中では非常に効率の良い、「おいしい」分野と考えるべきでしょう。
4. 間接的ながら、(五)の下位級配当四字熟語対策にもなること
これは少し説明が必要かもしれませんが、1級四字熟語を網羅しておけば、このところ本試験(五)でほぼ必ず出題されている下位級配当四字熟語や「漢検 四字熟語辞典」に載っていない四字熟語の問題への対策にもなるということです。なぜならこうした問題は出題されたとしても1~2問であり、それ以外の1級四字熟語8~9問を正解してしまえば、あとは「消去法」が効くからです。こうして言葉だけで書くと実感が湧かないかもしれませんが、今後の記事で本試験中の思考パターンについて触れる予定なので、そちらで改めて詳しく書きたいと思います。
<1級四字熟語への取り組み方>
さてそれでは実際の取り組みですが、「漢検 四字熟語辞典」は必ず用意して手元においておきましょう。始めから「『漢検 漢字辞典』を隅から隅まで精読して全部覚える!」という勉強法を取る人には必要ないかもしれませんが、当記事はそういうやり方ではなく、いかに効率よく初合格を達成するかが主眼ですので、やはり四字熟語辞典はあった方が良いと思います。
最終的には1級配当のものをすべて学習するわけですが、手始めはやはり過去問にあるものからでしょう。「完全征服」と「分野別」には、のべで約260、重複を除くと約190の1級四字熟語が問題として掲載されていますので、その他の分野と同じくこれをひたすら解いて覚えて行きます。直近の本試験ではこれらに含まれないものも毎回出題されていますから、それも含めれば広義の「過去問」で200以上の四字熟語を学習することができるでしょう。この際、もちろん問われていない方の2文字も書けるようにするとか、意味も選択肢がなくても言えるようにするとかに越したことはありませんが、前回書いたように、始めからそのように勉強のハードルを上げて取り組むことはお勧めしません。出された問題をその問題としてそのまま正解できることを目標に数と回数を重ねて行ければ、それで良いと思います。
そのような取り組みの結果、過去問の学習に目処がついてきたら、次は過去問にない熟語です。ここで念のための留意事項ですが、「漢検 四字熟語辞典」で「1級配当」とされている熟語の中には、漢検配当外の漢字が使われているものが50ほどあります。これはさすがに出題されることはないでしょうから、学習対象から外しましょう。またそれ以外でも、単に人の名前を4つならべただけのものや、地名などの固有名詞の部分、さらには、意味内容が余りに下世話ないし貧弱なものは除いても良いと思います。
さて、これらを適宜除くとして、学習すべき熟語数は残り約800。こちらは問題形式になっていないのですから、四字熟語辞典から自分で抽出して学習していかなければなりません。ノートやエクセル、単語カードなどに転記するとか、またその際もそのまま書くのが良い人もいれば、問われそうな2文字を隠して問題形式にした方が良い人もいるでしょう。そのあたりは、試行錯誤して自分にフィットしたやり方を見つけていただきたいと思いますが、PCやエクセルが得意な方であれば、私がしたようにエクセルで問題集化するのも良いと思います。
それから、四字熟語分野に限りませんが、先人のブログを教材として活用することもぜひ検討してください。一例をあげれば、and さんが書かれている 「漢検レシピ Season 2」 などは非常にお勧めで、四字熟語の他にも故事・諺、熟字訓・当て字の問題が大変充実しています。
また、私が良く用いた方法としては、このブログでも時折ご紹介していますが、何かのテーマで四字熟語をまとめ、整理することも、記憶の定着に有用と思います。手前味噌になりますが、当ブログのカテゴリ「四字熟語」の記事なども参考になさってください。