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生体肝移植~肝臓がんの場合

入院中、多くの肝臓がんの方と同室になった。

皆、移植を受けられず放射線治療や外科手術などの為に入院している人達。




移植を受けられる為にはもちろんドナーが必要だが、たとえ運良くドナー
が見つかっても大きな障壁がある。

保険適用の問題だ。



私は幸わいにもドナー(姉)がいてくれて、保険も適用されて移植を受け
ることができた。

ところが、がんの場合は保険が適用される為の明確(??)な規定がある。



入院中、同室の方から何度も何人にも聞かされた事実、

→  「肝臓がんの生体肝移植」 


①肝臓以外の臓器や血管への転移などがない。

②ミラノ基準を満たす。

③前の治療が終了した日から3か月以上経過し、移植日の1か月以内に
行われたCT検査の結果でミラノ基準を満たす。



で、患者さんが皆話していたのが ②ミラノ基準。

これは

・がんが1個だけなら直径5センチ以下

・複数あるなら、直径3センチ以下のがんが3個まで

を満たすこととされ、初め聞いた時は全く理解できなかった。


よくよく考えてみると、「これらの要件を満たさなければ移植しても無駄」
ということか。

確かに脳死にしろ生体にしろ、ドナーの臓器は貴重で尊大だ。

決して無駄にはできない。


でも入院当時は、この基準を満たさず移植を諦めている人達と接するにつ
け、どうにもこうにも納得できなかった。




そして③の期間の問題も深刻だ。

しかもこの③が最も周知徹底されておらず、保険が効くものと思って受け
た移植手術の保険が適用されず、一部実費を負担しなければならなくなっ
た例もあるという。

これも入院中に聞いた話しだ。



これだけ移植手術が増え、「普通」の医療になっているにもかかわらず、
法整備も含め、その実体はなんとも心もとない。

H大のT教授やF先生も常々、忙しい中で移植医療の普及をはかっている。



助かる命が、「知らない」ことによって救われないのは本当に悲しいこと
です。
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