以前このトピックスを紹介したとき、首都圏では消火栓は地下埋設型が主流なのに対し、北海道では、積雪の多い冬にスムーズに消火活動ができるよう、寒冷地仕様として、消火栓は地上式のものを用いているということを知り、「へぇ~なるほどね」と実感させられました。
何の疑いもなく当たり前だと思っていたことにも、実は興味深い背景があったということを示す好例だったと思います。
で、これが↑の記事で紹介した札幌の消火栓ですが、実は同じ地上式消火栓でも、形は決して一律ではなく、北海道内でも実に様々な形の消火栓を見ることができます。
これは、札幌の隣の小樽市内の消火栓。
何となくだけど、「ウルトラQ」に登場する、怪獣カネゴンに似ているような気も・・・。
小樽市内には、配水系統により、全部で五種類の色の消火栓があるそうです。
でもって、函館の消火栓はというと、実はこういう形をしています。
6年ぶりに間近で見ましたが、何となくだけど、縄文時代の土偶に似ているような気もします。
これは、函館市の旧南茅部町エリアで発掘され、国宝にも指定されている「中空土偶」のレプリカなのだけど、何となく消火栓の形がこれに似ている気が・・・しませんかね・・・。
気のせいかなと思いつつ、私と同じことを考えた方がひょっとしたらいらっしゃるかもしれないので正解を書きますが、残念ながら、土偶とは何の関係もないそうです。
函館は明治期から昭和初期にかけて、幾度となく大火に見舞われてきましたが、中でも被害が大きかった昭和9年(1934年)の大火の後、函館市アメリカから取り寄せたカタログや地上式消火栓の実物を手本とし、函館で設計・製作されたのがこの形の消火栓で、正式には「函館型三方式地上式消火栓」と呼ばていて、頂部と、人間でいうと両腕に当たる部分の3か所は、ポンプ車のホースとの接続部分になっています。
そのような歴史がありますが、現在では観光客にとっても珍しく思われているようで、これを写真に収める人も多いそうです。
市内に約2,000基あるそうなので、皆様も函館にお越しの際は、ぜひ探してみてください。