第29回全日本女子サッカー選手権大会 準決勝
2007年12月28日(金)11:00キックオフ
西が丘サッカー場
浦和レッズレディース 0-3 日テレ・ベレーザ
かつて、私がキャプテンを務めていた頃のAXISは、自慢じゃないけど非常に弱かった。試合当日までに出場する選手を11人揃えることと、リーグ戦で2勝して何とか最下位を逃れることが、チームの目標だった。とにかくよく負けたけど、楽しくサッカーができればそれでいいと思っていた。でもそれは3年前に準優勝するまでのこと。1度勝つことを覚えると、それまでの考えが間違っていたことに気がついた。もちろん、試合に負けて学ぶことも多い。しかし、試合に勝って得るものは、予想以上に多かった。そして、勝つことでサッカーはもっともっと面白くなった。やはりサッカーは勝たなければならないと思った。
天気予報を見事に裏切って、雨どころか冬の淡い日差しまで降り注ぐ西が丘サッカー場で、全日本女子サッカー選手権大会準決勝が行われた。昨年まではトップチームが天皇杯を勝ち進んでいたおかげで、慌ただしい師走を過ごしていたのだが、今年はレッズレディースに専念するしかないのが、ちょっと寂しいところ。相手がベレーザということで、仕事納めの会社を休んで10時に到着。一体この対戦カードを見るのは何度目なのか?(football smile の履歴を数えればわかるけど) でも多分、勝ったところは見たことないような気がする。リーグ最終節で善戦をしていたので、今度こそ!という想いで戦況を見守る。
試合が始まると、まずは両チームの陣営に目を向けるのだが、今日は何とまったく同じ4-4-2ときた。それぞれ自慢の中盤ガチンコ勝負を挑んできたのだ。ちょっと気になったのが、庭田と高橋が2ボランチのように並んでいること。トップ下不在状態。ただ、澤と酒井の侵入を受け止めるには仕方なしか。その分、柳田がFWへのつなぎ役に奮起する。本当にその運動量には恐れ入る。互角に押し合ううちに時間は過ぎて、このまま前半終了かと思っていた隙に、ベレーザ大野に先制点を決められる。非常に嫌な時間帯の失点。
後半、浦和は木原に代えて保坂を投入。おそらく狙いはサイドから縦へのスピードアップだろう。しかし、そんな暇を与えてくれないほど、ベレーザの攻撃が加速してきた。庭田をいつものトップ下に上げて攻撃体制は整えたものの、見る見るうちにベレーザに侵食されていく中盤。結果、前半と変わらず守備に手を焼くこととなった。澤に追加点を取られたところで、もう攻めに行くしかなくなった浦和は松田を投入。一か八かの作戦も、駄目押し点を取られて万事休す。最後は実力差を見せ付けられての敗戦となってしまった。
同じようなシステムでぶつかり合った両チームを、勝者と敗者に分けたポイントは何だったのか?前半はその差があまりなかったように見えたが、後半になると徐々に違いが見えてきた。どうも浦和は、守備から攻撃への「つなぎ」の部分が弱いような気がする。それから、ベレーザには「ながれ」がある。2列目3列目から前の選手をどんどん追い抜いていく動き。これが分厚い攻めとなっている。2点目を決めた澤の動きがまさにそれで、あそこに飛び込むところは、敵ながらさすがであると感心させられる。あれはDFには捕まえられない動きである。
さて、今日のacoさんである。さすがに今日は守備に追われる場面が多かった。それでも何度か攻撃の基点作りに奮闘していた。点を取りに行かなければならない状況にあっては、途中交替も仕方なしか。でも、その後の戦いを見ていると、いかにacoさんのバランス感覚がチームを支えていたかがわかるというもの。表彰式が終わると、もらったばかりの3位のメダルを早々に外してしまうあたりがかっこいい。
こうして見事な完封負けを期して、今シーズンは幕を閉じることとなった。試合後に3位の表彰式があった。ああ、なんだか以前にも見たことがある光景だ。誰もうれしくない表彰式。それでもサポーターは拍手で選手を迎える。みんな必死で戦う姿を見せてくれたから。今度こそベレーザに勝つことを信じているから。1度勝てば、絶対何かが変わると思うから。そう、サッカーはやはり勝たなければならない。来年はベレーザに勝って優勝しよう。
2007年12月28日(金)11:00キックオフ
西が丘サッカー場
浦和レッズレディース 0-3 日テレ・ベレーザ
かつて、私がキャプテンを務めていた頃のAXISは、自慢じゃないけど非常に弱かった。試合当日までに出場する選手を11人揃えることと、リーグ戦で2勝して何とか最下位を逃れることが、チームの目標だった。とにかくよく負けたけど、楽しくサッカーができればそれでいいと思っていた。でもそれは3年前に準優勝するまでのこと。1度勝つことを覚えると、それまでの考えが間違っていたことに気がついた。もちろん、試合に負けて学ぶことも多い。しかし、試合に勝って得るものは、予想以上に多かった。そして、勝つことでサッカーはもっともっと面白くなった。やはりサッカーは勝たなければならないと思った。
天気予報を見事に裏切って、雨どころか冬の淡い日差しまで降り注ぐ西が丘サッカー場で、全日本女子サッカー選手権大会準決勝が行われた。昨年まではトップチームが天皇杯を勝ち進んでいたおかげで、慌ただしい師走を過ごしていたのだが、今年はレッズレディースに専念するしかないのが、ちょっと寂しいところ。相手がベレーザということで、仕事納めの会社を休んで10時に到着。一体この対戦カードを見るのは何度目なのか?(football smile の履歴を数えればわかるけど) でも多分、勝ったところは見たことないような気がする。リーグ最終節で善戦をしていたので、今度こそ!という想いで戦況を見守る。
試合が始まると、まずは両チームの陣営に目を向けるのだが、今日は何とまったく同じ4-4-2ときた。それぞれ自慢の中盤ガチンコ勝負を挑んできたのだ。ちょっと気になったのが、庭田と高橋が2ボランチのように並んでいること。トップ下不在状態。ただ、澤と酒井の侵入を受け止めるには仕方なしか。その分、柳田がFWへのつなぎ役に奮起する。本当にその運動量には恐れ入る。互角に押し合ううちに時間は過ぎて、このまま前半終了かと思っていた隙に、ベレーザ大野に先制点を決められる。非常に嫌な時間帯の失点。
後半、浦和は木原に代えて保坂を投入。おそらく狙いはサイドから縦へのスピードアップだろう。しかし、そんな暇を与えてくれないほど、ベレーザの攻撃が加速してきた。庭田をいつものトップ下に上げて攻撃体制は整えたものの、見る見るうちにベレーザに侵食されていく中盤。結果、前半と変わらず守備に手を焼くこととなった。澤に追加点を取られたところで、もう攻めに行くしかなくなった浦和は松田を投入。一か八かの作戦も、駄目押し点を取られて万事休す。最後は実力差を見せ付けられての敗戦となってしまった。
同じようなシステムでぶつかり合った両チームを、勝者と敗者に分けたポイントは何だったのか?前半はその差があまりなかったように見えたが、後半になると徐々に違いが見えてきた。どうも浦和は、守備から攻撃への「つなぎ」の部分が弱いような気がする。それから、ベレーザには「ながれ」がある。2列目3列目から前の選手をどんどん追い抜いていく動き。これが分厚い攻めとなっている。2点目を決めた澤の動きがまさにそれで、あそこに飛び込むところは、敵ながらさすがであると感心させられる。あれはDFには捕まえられない動きである。
さて、今日のacoさんである。さすがに今日は守備に追われる場面が多かった。それでも何度か攻撃の基点作りに奮闘していた。点を取りに行かなければならない状況にあっては、途中交替も仕方なしか。でも、その後の戦いを見ていると、いかにacoさんのバランス感覚がチームを支えていたかがわかるというもの。表彰式が終わると、もらったばかりの3位のメダルを早々に外してしまうあたりがかっこいい。
こうして見事な完封負けを期して、今シーズンは幕を閉じることとなった。試合後に3位の表彰式があった。ああ、なんだか以前にも見たことがある光景だ。誰もうれしくない表彰式。それでもサポーターは拍手で選手を迎える。みんな必死で戦う姿を見せてくれたから。今度こそベレーザに勝つことを信じているから。1度勝てば、絶対何かが変わると思うから。そう、サッカーはやはり勝たなければならない。来年はベレーザに勝って優勝しよう。
その前に、選手のみなさん1年間お疲れ様でした。ゆっくり休んで、来シーズンまた元気な姿を見せてください。