筆者の島生樹郎氏は、今年3月で福島県立双葉高等学校を退職した数学教師。
家は請戸の浜辺にある。
東日本大震災の被災者の中で、私にとってはもっとも身近な人の一人であり、津波とのカーチェイスの末、生死を分ける瞬間をご家族で体験した人でもある。
文芸思潮52号では、エッセイ賞の最優秀賞を受賞している。
ただし、受賞した文章は十数枚と短いものだったため、原発関係には触れていなかった。
そこで、文藝思潮54号に改めて80枚あまりの原稿を全文を掲載。
これは、請戸に住む住民の一人としての個人的経験を、きわめて冷静かつヴィヴィッドに描いた文章であり、一読して損のない文章である。
大震災関連の文章はたくさん目にする。
どれを読んでも切実さは伝わってくるが、この文章は特にいい。
記録としても貴重だし、そのときの「臨場感」の再現としても他にないようなリアリティを感じる。
今、
『記者たちは海に向かった』門田隆将
という民友新聞の記者が直面した東日本大震災についてのノンフィクションを読んでいるところだが、リアリティにおいては数段こちらのエッセイが勝っている。
書き手の「人生を楽しく生きる」という知性的な「遊び」が底流に感じられる、といったら言い過ぎか。
よろしかったら一読を。
家は請戸の浜辺にある。
東日本大震災の被災者の中で、私にとってはもっとも身近な人の一人であり、津波とのカーチェイスの末、生死を分ける瞬間をご家族で体験した人でもある。
文芸思潮52号では、エッセイ賞の最優秀賞を受賞している。
ただし、受賞した文章は十数枚と短いものだったため、原発関係には触れていなかった。
そこで、文藝思潮54号に改めて80枚あまりの原稿を全文を掲載。
これは、請戸に住む住民の一人としての個人的経験を、きわめて冷静かつヴィヴィッドに描いた文章であり、一読して損のない文章である。
大震災関連の文章はたくさん目にする。
どれを読んでも切実さは伝わってくるが、この文章は特にいい。
記録としても貴重だし、そのときの「臨場感」の再現としても他にないようなリアリティを感じる。
今、
『記者たちは海に向かった』門田隆将
という民友新聞の記者が直面した東日本大震災についてのノンフィクションを読んでいるところだが、リアリティにおいては数段こちらのエッセイが勝っている。
書き手の「人生を楽しく生きる」という知性的な「遊び」が底流に感じられる、といったら言い過ぎか。
よろしかったら一読を。