1月21日(木)曇り【健気な子猫】
「どこかに、食べ物はないかしら」。
捨てられてしまった子猫のミミは、食べ物を探して、ビルの谷間をあちこち必死にウロウロとしていました。今までお母さん猫から、他の姉妹と一緒に、おっぱいを貰っていたのですが、ミミだけ外に捨てられてしまったのです。ミミはお腹がぺこぺこでした。もう一歩も歩けないほどでした。でもなんだかおいしい匂いが、かすかにしてきたのです。匂いのするほうに、一歩一歩足を引きずってミミは行きました。
ありました。おいしそうな匂いのするカリカリが、ボールに一杯入っていました。ビルの横に、小屋があって、そこにカリカリのボールとお水の入ったボールが置いてあったのです。「よかった、食べ物があったわ」。ミミは夢中で食べました。横においてあったボールのお水も飲ませて貰いました。
もう少し食べたい、と思いましたが、そこに大きな黒い猫が帰ってきてしまったので、慌ててミミは隠れました。でもミミは幸せでした。お腹がくっ付きそうに空いていたのですが、今はぷくぷくになりました。るんるんで植え込みに隠れたり、塀の上をお散歩しました。
そして、また次の日も同じ場所に行ってみました。ボールの中は空っぽでした。でも物陰に隠れて見ていましたら、足音がして、ボールの中にカリカリを一杯入れていってくれました。ミミはまた夢中でカリカリを食べはじめました。
そこに、大きな黒い猫も食べに来ましたが、イジワルをしませんでした。「いいから一緒に食べよう」と言ってくれましたので、ミミは安心して食べることができました。
翌日もミミはそこに行きました。その翌日も行きました。
餌をくださっている人は、優しそうなお兄さんです。大きな黒い猫も捨てられていたのですが、このお兄さんが餌をくださるようになったのです。でもお家の中では飼ってもらえないので、外に小屋を作ってくれたのだそうです。
ある雨の降る日、ミミはびしょびしょになりましたが、また大きな黒猫の家に来ました。寒くて震えていたら、黒猫が言いました。「小屋の中に入っておいでよ」
ミミは嬉しくて、小屋に飛び込みました。
ミミは、今では小屋に住んで、餌もいつももらっています。でもやはり外ですから、とても冬は寒いです。ある日、頭の丸い人が、段ボールで小屋をさらに温かくなるように囲ってくれましたので、前より温かくなりました。ときどき烏にいじめられたりして、傷ついてしまいます。生まれたとき数ヶ月は、人間と住んでいましたから、やはり人間と住みたいかもしれませんし、温かいお部屋に住みたいかもしれません。誰かがお家のなかで飼ってくれると一番安心かもしれませんね。(やはり先住猫たちに、少し除け者にされているようです。でも意地悪はしない先住猫ちゃんたちだそうです。虐待をする人もいるので心配です。なにより心配なのは交通事故です。誰か家で飼ってくださる人がいたらよいと、言っている人もいます。)
(子どもの時から苦労をしているミミの目は、やはりしっかりと生きなければ、という目をしていると、私は思います。でも優しいお兄さんの奥さんも可愛がってくださいますし、毎日餌やりに来てくださる奥さんもいますし、毎日遊びにきてくださる会社員のお姉さんもいますし、それはよかったです。でも長い目で見たとき、ミミにとって一番よいのはどんな生き方なのでしょうか。私は真剣に悩んでいます。)
「どこかに、食べ物はないかしら」。
捨てられてしまった子猫のミミは、食べ物を探して、ビルの谷間をあちこち必死にウロウロとしていました。今までお母さん猫から、他の姉妹と一緒に、おっぱいを貰っていたのですが、ミミだけ外に捨てられてしまったのです。ミミはお腹がぺこぺこでした。もう一歩も歩けないほどでした。でもなんだかおいしい匂いが、かすかにしてきたのです。匂いのするほうに、一歩一歩足を引きずってミミは行きました。
ありました。おいしそうな匂いのするカリカリが、ボールに一杯入っていました。ビルの横に、小屋があって、そこにカリカリのボールとお水の入ったボールが置いてあったのです。「よかった、食べ物があったわ」。ミミは夢中で食べました。横においてあったボールのお水も飲ませて貰いました。
もう少し食べたい、と思いましたが、そこに大きな黒い猫が帰ってきてしまったので、慌ててミミは隠れました。でもミミは幸せでした。お腹がくっ付きそうに空いていたのですが、今はぷくぷくになりました。るんるんで植え込みに隠れたり、塀の上をお散歩しました。
そして、また次の日も同じ場所に行ってみました。ボールの中は空っぽでした。でも物陰に隠れて見ていましたら、足音がして、ボールの中にカリカリを一杯入れていってくれました。ミミはまた夢中でカリカリを食べはじめました。
そこに、大きな黒い猫も食べに来ましたが、イジワルをしませんでした。「いいから一緒に食べよう」と言ってくれましたので、ミミは安心して食べることができました。
翌日もミミはそこに行きました。その翌日も行きました。
餌をくださっている人は、優しそうなお兄さんです。大きな黒い猫も捨てられていたのですが、このお兄さんが餌をくださるようになったのです。でもお家の中では飼ってもらえないので、外に小屋を作ってくれたのだそうです。
ある雨の降る日、ミミはびしょびしょになりましたが、また大きな黒猫の家に来ました。寒くて震えていたら、黒猫が言いました。「小屋の中に入っておいでよ」
ミミは嬉しくて、小屋に飛び込みました。
ミミは、今では小屋に住んで、餌もいつももらっています。でもやはり外ですから、とても冬は寒いです。ある日、頭の丸い人が、段ボールで小屋をさらに温かくなるように囲ってくれましたので、前より温かくなりました。ときどき烏にいじめられたりして、傷ついてしまいます。生まれたとき数ヶ月は、人間と住んでいましたから、やはり人間と住みたいかもしれませんし、温かいお部屋に住みたいかもしれません。誰かがお家のなかで飼ってくれると一番安心かもしれませんね。(やはり先住猫たちに、少し除け者にされているようです。でも意地悪はしない先住猫ちゃんたちだそうです。虐待をする人もいるので心配です。なにより心配なのは交通事故です。誰か家で飼ってくださる人がいたらよいと、言っている人もいます。)
(子どもの時から苦労をしているミミの目は、やはりしっかりと生きなければ、という目をしていると、私は思います。でも優しいお兄さんの奥さんも可愛がってくださいますし、毎日餌やりに来てくださる奥さんもいますし、毎日遊びにきてくださる会社員のお姉さんもいますし、それはよかったです。でも長い目で見たとき、ミミにとって一番よいのはどんな生き方なのでしょうか。私は真剣に悩んでいます。)