風月庵だより

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福島からの移住

2012-04-12 09:57:44 | Weblog

4月12日(木)晴れ【福島からの移住】

昨日11日に、フジテレビで、知人の家族が紹介されました。(時間が間違っていまして、お詫び致します)。住み慣れた故郷を離れる辛さは、多くの方々が味わっていることでしょう。ことにこのご家族にとって、福島の住み慣れた家は、2年前に亡くなられた、子どもたちにとっては優しい父親との思い出が一杯につまった場所です。その父親のお墓もある土地です。

この父親は、大雄山最乗寺という南足柄市にある僧堂に安居していた頃の私の法友でもありますが、一昨年、山の畑仕事中に不慮の事故でお亡くなりになってしまいました。大変な子煩悩でしたので、この度の原発事故による子どもたちの健康についての影響を、生きていたなら一番に心配したことと思います。

福島を離れることについては、福島を捨てるのかといった反対もあったりで、子どもたちのおかあさんは、本当に大変なご苦労をされたようです。しかし、山の麓という家のある立地条件にもよるのでしょうが、放射線量がかなり高いので、幼い子どもたちの事を考えれば、移住せざるをえないのです。

この一年の心労はいかばかりだったかと思います。ようやく母子共に、長野県に移住することができ、新たなる一歩を踏み出すことができたようで、一安心致しました。しかし、だからといって、安心ばかりしてはいられません。三人の子どもを抱えて、女手一つで、住み慣れない土地で暮らす苦労はさらなるものがあるでしょう。

一箇所の原発事故がもたらした一家族の姿を、テレビを通して見せて頂きました。しかし、氷山の一角、いや一点の姿であります。他の多くのご家族も、言葉では言い表せないほどの、それぞれのご苦労をなさっていることでしょう。

昨日はスマトラ島沖で、マグニチュード8.7の大地震がありました。また今朝はメキシコでも震度7の大地震がありました。(津波は大きくなかったそうで、被害は少なかったようです。)あっちとこっち、日本ははさまれているように、素人は感じます。また日本に大きな地震が来ないとも限りません。もしまた原発事故がどこかで起きたら、どうなることでしょう。経済のことも政治のことも、二の次にして、命優先、生活優先の電力供給を考えては頂けないでしょうか。できない相談ではないはずです。

子どもの頃、偉人伝で読んだキュリー夫人は、ラジウムの研究などで、放射線障害によって、フラフラになって路上で倒れて亡くなったそうですね。そういうことは子どもの本には書いてありませんでした。都合の悪いことにはフタをして、都合のよいことだけは公開している現状と同じですね。

たった一度のこの人生、誰しも、できれば一日でも長くこの地球にいたいのではないでしょうか。5年後、10年後、放射能汚染による人体へのダメージが出てきたとき、私たちは「やっぱり」ということだけしかできないのでしょうか。