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中山書房社長さん逝く

2007-01-13 19:12:22 | Weblog
1月13日(土)晴れ【中山書房社長さん逝く】

中山書房仏書林の社長さん、中山晴夫氏(本名春治)は「おやじさん」と親しく呼びたいような方でした。おやじさんには大学院時代も、また本師の追悼集を出版するときもお世話になりました。何時お店にお伺いしても、にこにこと接してくださり、いろいろと仏教関係の書についてお教えいただいたりしました。

護国寺の祭壇には、本当に優しい笑みを浮かべた在りし日のお写真が、沢山の花に囲まれて飾られていました。昨日はお通夜、本日は告別式が護国寺の桂昌殿でとり行われたのです。仏教関係の書を多く出版されていたことにもよるでしょうが、昨日も今日もお坊さんの姿が多く見られました。浄土真宗や曹洞宗や各宗派の僧侶の方々がお別れに見えていて、中山さんの生前のお働きを観るような思いがしました。

昨年の暮れに、おやじさんにお会いしたいと思い、これから行きます、とお電話を入れたら、入院なさっているとお聞きしたのですが、それから間もなくの二十六日にお亡くなりになられたそうです。駒澤の卒業生の中にも、論文を書くときに中山さんのお世話になった方も多いのではないでしょうか。他の大学でも同じかもしれません。

湯島のお店にお訪ねしても、もうおやじさんの笑顔には会えないのですね。二十五年前、尼僧堂でお会いしたのがはじめてでしたが、それから太田久紀先生の送別会でお会いしたり、いつもにこにことエネルギー一杯のおやじさんでした。十六歳の歳から東大赤門前の山喜房佛書林でお勤めを始められ、三十五歳で独立なさったそうです。十六歳からじつに七十三年間、仏教書と関わり良書の出版に尽力なされてきたご一生です。

だれにでも分かる言葉で仏教を広めたい、というのが中山さんの願いでした。手を合わせる家庭こそが基本であるとの願いから『仏教の生活』を出版し続けられた五十年余、中山さんのような方がいてくださってこそ、仏教が地道に伝えられていくのだと思います。このお仕事はお二人の娘さんが継がれていかれるそうです。

祭壇のにこやかなお写真を見上げると、「よろしくね」と皆さんに中山さんが語りかけていらっしゃるような感じがしました。告別式では愛知専門尼僧堂の青山俊董先生の追悼の和歌がご披露されました。皆さんから惜しまれて人生を閉じられた中山書房仏書林社長、中山晴夫氏でした。本当にお世話になりました。寂しいです。

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