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尼僧堂開創の地での晋山式

2010-10-18 10:57:48 | Weblog
10月20日(水)曇り【尼僧堂開創の地での晋山式】(曹洞宗尼僧学林開創旧跡の碑)

今月の1日と2日に、名古屋での晋山式に随喜してきました。

この度晋山式のあった医王山香林寺は、かつては薬師堂といわれ、文化年間(1804~1817)に建てられたといいます。常住の僧侶が住むようになったのは、嘉永五年(1852)で、横井香林尼和尚です。開山は香林尼の師である大須万松寺三十世大鵬賢明和尚、開基は横井嘉六夫妻(香林尼の両親)ということが「薬師寺縁起」として書き残されているそうです。
 
二世は安藤大賢尼和尚、三世は安藤道契尼和尚(法号は実参)で、この方が、この香林寺を尼僧学林 として開いたメンバーのお一人です。尼僧学林の創設は、京都養林庵庵主の水野常倫尼の提案で、賛同する同志は、堀密城尼、山口巨鑑尼、安藤道契尼です。道契尼は、十三歳で出家してより、十三年間常倫尼の侍者として参侍していました。
 
この四人の方のことを、尼僧学林開創の四恩師として、私も安居中に学んでいました。
香林寺で尼僧学林が開校したのは、明治三十六年五月です。その時の安居者は二十二名、教職員八名だったそうです。それから七年の間、香林寺で尼僧学林は開かれましたが、明治四十二年に柳原町に移転しました。さらに第二次世界大戦で柳原は焼失しましたので、戦後名古屋市千種区城山町の正法寺に移転し、現在に至っています。
  
 この度、香林寺の第八世として晋山なさったのは、釈照慧師です。二十五年にわたって香林寺を監寺としてお守りしてきました。七世である青山俊董老師の法嗣の方です。

 私は尼僧堂時代に一度香林寺に拝登しましたが、かなり老朽化していた記憶があります。この度すっかり見違えるように本堂もきれいに整っていましたし、庫裏は新しく建てられていました。
 
 そして世代の方々のお墓もきれいに整備されて、まつられていました。

 今まで、何カ所か晋山式に随喜したことがありましたが、多くの尼僧が結集しての晋山式は初めてでした。ほとんどの配役を尼僧が勤めました。それぞれの配役をご紹介したいところですが、個人情報で、それぞれに許可を頂いていないので控えますが、とても暖かい感じの晋山式でした。

 このように力を合わせて、一つのことを成し遂げることは、素晴らしいと思いました。 大衆の威神力という言葉もありますが、一人一人が自分の配役をこなして、大変な儀式を仕上げていく醍醐味がありました。私は当日に行って、配役をこなすだけでしたが、当事者は、この儀式の準備から、当日の運営から、その後のいろいろな後始末から、大変なことだと思います。

 とにかく尼僧堂開創の地での、晋山式に随喜できた縁のめぐりあわせに「随喜」しています。この頃とみに思うのですが、何事にも「随喜」の心こそが、自分自身にとってどんなに安らぎであるか、ということです。

 遅ればせながら、ブログに掲載の許可を頂く電話を今朝やっとしましたので、紹介させて頂きました。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
うさじいさんへ (風月)
2010-10-23 10:46:32
たしかに尼僧に任せていただいたほうがよいことも多いと思います。

尼僧といえば、お茶いれだけではなく、勿論お茶入れも大事ですが、知殿などは特に任せていただいてよいのではないでしょうか。

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信頼度が高い (うさじい)
2010-10-23 05:42:32
富山時代、法要や葬儀において尼僧さまが重要な役割を果たしていることに驚きました。

富山の尼僧堂の落慶法の時は、風月庵さんは来られましたか?あの時は、ほとんど尼僧さんがやっておられたような記憶があります。

尼僧さんも男僧さんも変わりませんし、お酒での失敗が無い分、尼僧様のほうが信頼度が高いと思います。
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うさじいさんへ (風月)
2010-10-22 08:18:13
尼僧が全ての役を勤められる晋山式は珍しいでしょうね。新命さんが尼僧堂の講師をなさっていますので、修行僧が全員随喜していますし、先生方も副寺寮をつとめて下さっていますし、知殿にはベテランの人が知殿和尚として入っていますし、焼香侍者は私と同安居の友人がつとめました。司会もベテランの東京の住職がつとめました。とてもよい司会でした。

男僧さんの随喜もそれぞれ立派ですが、尼僧も十分に役をこなせる力量はあります。が、なかなかその機会がありません。

とにかくよい式でした。
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Unknown (うさじい)
2010-10-22 07:50:38
それぞれが、それぞれの自分の役割を果たす。
一人でもそうでない人がいると、周囲が迷惑を蒙ります。

前の晩に飲みすぎて、当日の役をこなせない方が多い男性社会は困ったものです。
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